更新日:2026.10.15

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決算書とは、企業や個人事業主の経営成績や財政状態をまとめた書類の総称です。事業の収益や費用、資産・負債などを把握するために使用され、経営判断や税務申告などに活用が可能です。
ただし、法人と個人事業主では作成する書類が異なります。法人では貸借対照表や損益計算書などを作成し、個人事業主は申告方法に応じて青色申告決算書や収支内訳書を作成します。
本記事では、決算書の意味や財務諸表・決算報告書との違い、法人と個人事業主で必要な書類を解説します。
青色申告決算書の構成や記載内容も紹介するので、決算書の種類や役割を理解する際の参考にしてください。
決算書とは、企業や個人事業主の一定期間における経営成績や、特定の時点での財政状態をまとめた書類の総称です。売上や利益、資産、負債などが記載されており、事業の収益性や財務状況を把握するために活用されます。
法人の場合は、貸借対照表や損益計算書などが代表的な決算書です。一方、個人事業主の場合は、申告方法に応じて青色申告決算書や収支内訳書を作成します。
決算書は、経営者が自社の経営状況を分析するだけでなく、金融機関による融資審査や税務申告などにも用いられます。
決算書・財務諸表・決算報告書は、いずれも企業の経営成績や財政状態を示す書類を指す言葉です。ただし、法律上の位置づけや使用される場面が異なります。
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用語 |
概要 |
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決算書 |
経営成績や財政状態を示す書類の一般的な総称 |
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財務諸表 |
会計基準や法令に基づいて作成される財務情報の書類 |
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決算報告書 |
決算内容を報告する書類や資料の総称として使われる言葉 |
決算書は一般的な呼び方である一方、財務諸表は会計制度における正式な用語として使われます。また、決算報告書は決算内容を報告する書類一式などを指す場合があります。
それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
決算書は、企業の経営成績や財政状態をまとめた書類を広く指す一般的な呼び方です。一方、財務諸表は、企業の財務情報を一定の会計基準に従って体系的に示す書類のことです。
たとえば、上場企業が金融商品取引法に基づいて開示する財務諸表には、貸借対照表や損益計算書、キャッシュ・フロー計算書などが含まれます。
なお、会社法では計算書類という名称が使われるなど、適用される法律や制度によって正式な呼び方や書類の構成が異なります。
決算書と決算報告書はどちらも、一定期間の経営成績や財政状態をまとめた書類のことです。
ただし、決算書は貸借対照表や損益計算書などの個々の書類、またはその総称として使われるのに対し、決算報告書は決算内容を報告するためにまとめた書類一式を指す場合があります。
たとえば、企業が株主や金融機関などに決算内容を説明する際に、複数の書類をまとめて決算報告書と呼ぶことがあります。
ただし、呼び方に統一された基準があるわけではないため、実際にどの書類を指しているのかを確認することが重要です。
関連記事:決算報告書とは?種類・書き方・提出先をわかりやすく解説
法人と個人事業主の決算書の主な違いは以下のとおりです。
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比較項目 |
法人 |
個人事業主 |
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主な書類 |
・貸借対照表 ・損益計算書 ・株主資本等変動計算書 ・個別注記表 など |
・青色申告決算書 ・収支内訳書 |
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対象期間 |
会社が定めた事業年度 |
原則1月1日〜12月31日 |
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提出・利用場面 |
・株主への報告 ・法人税申告 ・融資審査 など |
・所得税の確定申告 ・融資審査 など |
このように、法人と個人事業主では必要な書類や対象期間が異なります。ただし、いずれも事業の収支や財務状況を明らかにし、適切な税務申告につなげるという点では共通しています。
法人の決算書には複数の種類があり、それぞれ記載される内容や役割が異なります。
代表的な決算書は以下のとおりです。
それぞれの特徴や記載内容について解説します。
貸借対照表(B/S)とは、決算日時点における企業の財政状態を示す書類です。企業が保有する資産や負債、純資産の状況を把握できます。
貸借対照表は、主に以下の3つの項目で構成されています。
貸借対照表では「資産=負債+純資産」という関係が成り立ち、左右の合計金額が一致します。
資産と負債のバランスを確認することで、企業の財務の安全性や支払能力などを分析する際に役立ちます。
関連記事:貸借対照表とは?見方・作り方・決算チェックのポイントまでわかりやすく解説
損益計算書(P/L)とは、一定期間における企業の経営成績を示す書類です。企業がどれだけの収益を上げ、どのくらいの費用を使い、最終的にいくらの利益または損失が生じたのかを把握できます。
損益計算書には、主に以下の5つの利益が記載されます。
これらの利益を確認することで、企業の収益性や利益が生まれる仕組みを把握できます。
関連記事:損益計算書とは?見方や5つの利益・経営分析のポイントをわかりやすく解説
法人の決算書には、貸借対照表や損益計算書のほかにも、企業の財務状況を詳しく把握するための書類があります。
代表的なものは以下のとおりです。
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書類 |
主な内容 |
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株主資本等変動計算書 |
一定期間における純資産の変動内容を示す |
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個別注記表 |
会計方針や決算書の補足情報を記載する |
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キャッシュ・フロー計算書 |
一定期間における現金および現金同等物の増減を示す |
株式会社が会社法に基づいて作成する計算書類には、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表が含まれます。
一方、キャッシュ・フロー計算書は、金融商品取引法に基づく開示などで用いられる書類です。すべての法人に作成義務があるわけではありません。
必要な決算書類は、企業の形態や適用される法律・会計制度によって異なります。
個人事業主は、確定申告の方法に応じて青色申告決算書または収支内訳書を作成します。いずれも、1年間の事業収入や必要経費などをまとめ、事業所得などを計算するための書類です。
個人事業主が作成する主な書類は、以下の2種類です。
それぞれの特徴や違いについて解説します。
青色申告決算書とは、青色申告を行う個人事業主などが、1年間の収入や必要経費、所得金額などをまとめる書類です。事業所得向けの一般用のほか、不動産所得用や農業所得用の様式があります。
一般用の青色申告決算書は4ページで構成されており、損益計算書や売上・経費の内訳、減価償却費の計算、貸借対照表などを記載します。
青色申告特別控除には、2026年分までの制度では65万円・55万円・10万円の区分があり、それぞれ適用要件が異なります。
55万円の控除を受けるには、原則として複式簿記による記帳や貸借対照表・損益計算書の添付、期限内申告などが必要です。
65万円の控除を受けるには、55万円の控除要件に加え、e-Taxによる申告または一定の要件を満たす優良な電子帳簿の保存などが求められます。
青色申告決算書は、確定申告書とあわせて提出し、所得金額や控除額を計算する際の基礎資料として使用します。
収支内訳書とは、白色申告を行う個人事業主などが、1年間の収入や必要経費、所得金額をまとめる書類です
一般用の収支内訳書は2ページで構成されており、売上金額や仕入金額、給与賃金、減価償却費などを記載します。
青色申告決算書とは異なり、一般用の収支内訳書には貸借対照表が含まれていません。また、白色申告では青色申告特別控除を受けることはできません。
収支内訳書は、事業所得や不動産所得などの金額を計算するために使用し、原則として確定申告書に添付して提出します。
青色申告決算書(一般用)は全4ページで構成されており、事業の収支や所得金額、資産・負債の状況などを記載します。
主な記載内容は以下のとおりです。
それぞれの記載内容について解説します。
青色申告決算書の損益計算書は、1年間の事業収入や必要経費、所得金額を計算するための書類です。一般用の青色申告決算書では、1ページ目に記載します。
主な記載項目は以下のとおりです。
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項目 |
詳細 |
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売上(収入)金額 |
商品の販売やサービスの提供などによって得た収入 |
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売上原価 |
販売した商品の仕入れなどにかかった費用 |
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必要経費 |
給料賃金、地代家賃、通信費など、事業に必要な支出 |
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所得金額 |
収入から売上原価や必要経費などを差し引いて算出した金額 |
損益計算書を作成することで、事業の収益状況を把握できるほか、確定申告で申告する事業所得の金額を計算できます。
青色申告決算書の2〜3ページ目には、損益計算書に記載した金額の内訳や、減価償却費などの明細を記載します。
主な記載項目は以下のとおりです。
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項目 |
詳細 |
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売上(収入)金額の明細 |
主な売上先ごとの売上金額など |
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仕入金額の明細 |
主な仕入先ごとの仕入金額など |
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給料賃金の内訳 |
従業員への給与や賞与などの支払状況 |
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減価償却費の計算 |
建物や車両、設備などの取得価額や償却費 |
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地代家賃の内訳 |
事業用の土地・建物などに関する賃借料 |
これらの明細は、損益計算書に記載した収入や経費の計算根拠を示すために必要です。帳簿や領収書などの記録と照合しながら、正確に記載することが重要です。
関連記事:減価償却費とは?対象資産・計算方法・仕訳・注意点をわかりやすく解説
青色申告決算書の貸借対照表は、事業に関する資産・負債・資本の状況を示す書類です。一般用の青色申告決算書では、4ページ目に記載します。
主な記載項目は以下のとおりです。
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項目 |
詳細 |
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資産 |
・現金 ・預金 ・売掛金 ・棚卸資産 ・建物 など |
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負債 |
・買掛金 ・借入金 ・未払金 など |
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資本 |
元入金など、事業に投下された資本に関する項目 |
貸借対照表には、原則として期首と期末の金額を記載し、事業の財政状態を明らかにします。
関連記事:資産とは?会計上の意味や種類、財産との違いをわかりやすく解説
決算書についてよくある質問に回答します。
法人は、原則として事業年度ごとに決算書を作成する必要があります。
個人事業主も、確定申告を行う際には、申告方法に応じて青色申告決算書または収支内訳書を作成します。
法人の事業年度は会社ごとに異なりますが、個人事業主の所得税の計算期間は原則として1月1日から12月31日までです。
決算書は、一定期間の経営成績や財政状態を示す書類です。一方、試算表は、総勘定元帳の各勘定科目の残高や借方・貸方の合計額などを一覧にした表で、記帳内容の確認や決算書の作成に活用します。
試算表は月次など必要に応じて作成できますが、決算書は原則として決算時に作成します。
白色申告では、青色申告決算書ではなく収支内訳書を作成し、1年間の売上金額や必要経費、所得金額などを記載します。
事業所得や不動産所得などを白色申告する場合は、原則として確定申告書に収支内訳書を添付して提出する必要があります。
決算書は、事業の収益や費用、資産・負債などをまとめた書類です。一方、確定申告書は、所得金額や所得控除、納付する税額などを計算して税務署に申告するための書類です。
個人事業主の場合は、青色申告決算書または収支内訳書で事業所得などを計算し、その金額を確定申告書に反映します。
決算書とは、一定期間の経営成績や特定の時点における財政状態をまとめた書類の総称です。
法人と個人事業主では作成する書類が異なります。法人では貸借対照表や損益計算書などを作成する一方、個人事業主は申告方法に応じて青色申告決算書または収支内訳書を作成します。
決算書を正しく理解し、作成するためには、各勘定科目の意味や適切な仕訳方法を把握しておくことも重要です。
「勘定科目の選び方がわからない」「会計処理の基本を確認したい」という方は、以下の資料をぜひご活用ください。