更新日:2024.09.30
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請求書を作成する際にして、内税の書き方に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
特にインボイス制度の導入後、消費税の扱いがより複雑になり、どのように記載すればよいのか戸惑うこともあるかもしれません。
内税方式の請求書は、消費税額を税率ごとに区分して記載する必要があります。
本記事では、インボイス制度における内税の請求書の書き方を、記載例を用いて分かりやすく解説します。
インボイス制度に対応した請求書の作成方法に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
インボイス制度で請求書を作成する場合、内税、外税どちらの記載でも問題ありません。
内税の記載例は以下のとおりです。
品目 |
単価 |
数量 |
金額 |
花 |
220 |
100 |
22,000円 |
トマト※ |
108 |
150 |
16,200円 |
小計 |
38,200円 |
||
消費税8%(内消費税) |
(1,200円) |
||
消費税10%(内消費税) |
(2,000円) |
||
合計 |
38,200円 |
内税の請求書を発行する際は、単価と金額欄は消費税込みの金額を記載します。消費税欄は、標準税率(10%対象)と軽減税率(8%対象)に分けましょう。
消費税額はカッコ()を用いて記載します。
軽減税率の対象品目には※などの記号を用いて軽減税率が適用されていることを明記し、小計と合計額が一致するようにしましょう。
参照:国税庁「よくわかる消費税軽減税率制度」6ページ帳簿と請求書の記載例
インボイス制度の請求書における内税と外税の違いは、消費税の表示方法にあります。
インボイス制度導入後は、税率ごとに区分した請求書が必要です。
消費税の表記方法は内税、外税どちらでも構いません。
ただし、消費税の端数処理が税率ごとに1回のみと定められているため、いずれかに統一しておくことが望ましいでしょう。
本章では、内税と外税の違い、それぞれの税率の計算方法を詳しく解説します。
内税は、商品価格に消費税が含まれる表示方法です。国税庁では、以下のような内税表示が認められています。(※標準税率10%が適用される場合)
▼国税庁で認められている内税表記
11,000円
11,000円(税込)
11,000円(税抜価格10,000円)
11,000円(うち消費税額等1,000円)
11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)
11,000円(税抜価格10,000円、消費税率10%)
10,000円(税込価格11,000円)
請求書を内税にすると、消費税を個別に計算する手間が省けるため、会計処理が簡単になります。特に、会計ソフトを導入していない事業者にとっては、複雑な税率の計算が不要になるため、利便性の高い表記方法です。
ただし、内税表記の場合は、商品価格にどれだけの消費税が含まれているか判断しにくいことがデメリットです。
参照:国税庁「No.6902 「総額表示」の義務付け」具体例
内税表記で消費税額や税込価格を計算する方法は、主に以下の3つがあります。
税抜価格から消費税額を求める場合は、税抜価格に消費税率を乗じて計算します。
「消費税額=税抜価格×消費税率」
税抜価格:10,000円、消費税率10%の場合
10,000円×10%=1,000円
税抜価格:10,000円、軽減税率8%の場合
10,000円×8%=800円
税込価格から消費税額を計算する場合は、以下の計算方法で算出します。
「消費税額=税込価格÷(1+消費税率)×消費税率」
税込価格が11,880円、消費税率10%の場合
11,880円÷(1+0.1)×10%=1,080円
税込価格が11,880円、軽減税率8%の場合
11,880円÷(1+0.08)×8%=880円
税抜価格から税込価格を計算する場合は、以下の計算方法で算出します。
「税込価格=税抜価格×(1+消費税率)」
税抜価格が10,000円、消費税率10%の場合
10,000円×(1+0.1)=11,000円
税抜価格が10,000円、消費税率8%の場合
10,000円×(1+0.08)=10,800円
外税は、商品価格と消費税額を別々に表記する方法です。税抜の本体価格がひと目で分かるため、企業間の取引では外税表記が一般的です。
外税表記は仕入れ控除の際に計算がしやすい一方で、取引ごとに消費税額と本体価格を区分する必要があります。そのため、取引が多い事業者にとっては、経理処理が煩雑になりやすいことがデメリットです。
外税を計算する場合は、税込価格から税抜価格を算出します。
「税抜価格=税込価格÷(1+消費税率)」
税込価格が11,880円、消費税率10%の場合
11,880円÷(1+0.1)=10,880円
税込価格が11,880円、消費税率8%の場合
11,880円÷(1+0.08)=11,000円
消費税を計算する際は、1円未満の端数が生じる場合があります。消費税の端数処理は、以下のいずれかの方法で処理します。
端数処理は切り捨て処理を選択する場合が一般的ですが、法律上決められたルールはないため、事業者単位で決めることが可能です。
税込金額が10,000円、消費税率10%の場合の端数処理方法
10,000円÷(1+ 0.1)=9,090.909...
切り捨て:消費税909円、本体価格9,091円
切り上げ:消費税910円、本体価格9,090円
四捨五入:消費税909円、本体価格9,091円
インボイス制度で内税表記にする場合は、以下の3つの注意点があります。
内税表記の請求書を作成する場合は、事前に本章の内容を押さえておきましょう。
請求書のやり取りをする前に、取引先と端数処理のルールを事前に決めておくことが大切です。
しかし、端数の処理方法によっては1円以上の差が生じます。事前にルールを決めておかないと、請求額や支払額にずれが生じトラブルになる可能性があるため、両者で統一したルールを決めておきましょう。
請求書では内税・外税どちらの表記でも構いませんが、内税と外税の混在表記は避けましょう。ひとつの請求書内で内税と外税が混ざると、請求書内容が不明瞭になり、誤解を招く恐れがあります。
円滑な会計処理を行うためにも、内税と外税はどちらかに統一し、シンプルで理解しやすい請求書づくりを心がけましょう。
インボイスの請求書を作成する場合は、国税庁が指定した記載事項を正確に記載する必要があります。具体的な記載事項は以下のとおりです。
必要事項を漏れなく記載し、請求業務をスムーズに進めましょう。
インボイス制度では以下の点に注意して、請求書を作成してください。
また、端数処理のルールは取引先と事前にルールを決めておくことが大切です。内税と外税の混在は避け、国税庁が指定した記載事項を正しく記入しましょう。