更新日:2026.10.01

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決算報告書とは、決算によって確定した会社の財政状態や経営成績をまとめた書類の総称です。一般に貸借対照表や損益計算書などを指しますが、会社法上の計算書類や法人税申告書の添付書類とは、対象範囲が異なる場合があります。
この記事では、決算報告書の種類や作成方法、見方、提出先ごとの提出範囲・期限、保管期間をわかりやすく解説します。
決算報告書とは、一定期間の取引を集計し、会社の財政状態や経営成績をまとめた書類の総称です。
主に次の目的で作成・利用されます。
決算報告書は法律上の正式名称ではなく、実務上、決算に関する書類をまとめて表す言葉として使われています。
関連記事:決算とは?目的・時期・流れ・主な決算書をわかりやすく解説
決算報告書と決算書は、実務上ほぼ同じ意味で使われます。どちらも、貸借対照表や損益計算書をはじめとした、決算時に作成する書類の総称です。
ただし、提出先や利用目的によって必要な書類は異なります。そのため「決算報告書を提出してください」と求められた場合は、貸借対照表と損益計算書だけでよいのか、法人税申告書や勘定科目内訳明細書なども必要なのかを確認しましょう。
会社法では、株式会社が各事業年度に作成する次の書類を計算書類と呼びます。
事業報告や計算書類の附属明細書もあわせて作成しますが、これらは上記4つの計算書類とは区別されます。
決算報告書という実務上の呼び方と、会社法上の計算書類では指す範囲が異なるため、作成・提出の際はどの書類が必要かを確認することが重要です。
決算に関連して作成する主な報告書の書類は、以下のとおりです。
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書類 |
主な内容 |
位置づけ |
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貸借対照表 |
決算日時点の資産・負債・純資産 |
会社法上の計算書類 |
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損益計算書 |
一定期間の収益・費用・利益 |
会社法上の計算書類 |
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株主資本等変動計算書 |
純資産の増減理由 |
会社法上の計算書類 |
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個別注記表 |
会計方針や重要な注記事項 |
会社法上の計算書類 |
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事業報告 |
事業の経過や会社の状況 |
計算書類とは別に作成 |
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附属明細書 |
計算書類・事業報告の補足情報 |
計算書類とは別に作成 |
|
キャッシュ・フロー計算書 |
一定期間における現金の増減 |
適用される開示制度に応じて作成 |
すべての会社に同じ範囲の書類が求められるわけではありません。会社の形態・規模や適用される開示制度によって、作成する書類が異なります。
貸借対照表と損益計算書は、決算報告書の中心となる書類です。
貸借対照表が「ある時点の財政状態」を表すのに対し、損益計算書は「一定期間の経営成績」を表します。
関連記事:
貸借対照表とは?見方・作り方・決算チェックのポイントまでわかりやすく解説
損益計算書の見方が変わる|5つの利益と販管費でわかる会社のリアル
そのほか、会社の純資産や会計処理、資金の流れを確認する書類があります。
株主資本等変動計算書と個別注記表は会社法上の計算書類です。
一方、キャッシュ・フロー計算書は一般的な株式会社に一律で作成が義務付けられている計算書類ではなく、上場会社などが適用される開示制度に応じて作成します。
事業報告と附属明細書は、計算書類だけでは把握しにくい会社の状況や明細を補足する書類です。
事業報告は金額以外の情報も含めて会社の状況を説明する書類です。附属明細書には計算書類の附属明細書と事業報告の附属明細書があり、それぞれの記載内容を補足します。
決算報告書は、日々の仕訳や帳簿をもとに決算整理を行い、確定した数値を各書類へ反映して作成します。
正確な決算報告書を作成するには、書類の形式を整えるだけでなく、帳簿残高や証憑との整合性を確認することが重要です。
決算報告書に表紙を付ける場合は、一般的に次の項目を記載します。
表紙は内容や対象期間を確認しやすくするために付けるもので、通常、表紙自体が法定の計算書類になるわけではありません。
決算報告書は、主に次の流れで作成します。
会計ソフトを利用している場合も、登録された仕訳や決算整理の内容が正しいかを確認する必要があります。
決算報告書を作成するときは、次の点を確認しましょう。
決算数値の誤りは税額や金融機関の審査にも影響するため、複数の書類を横断して確認することが大切です。
決算報告書を見るときは、確認したい経営課題に応じて書類や指標を使い分けます。
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確認する観点 |
主に見る書類 |
代表的な確認項目 |
|
安全性 |
貸借対照表 |
流動比率、自己資本比率、借入金 |
|
収益性 |
損益計算書 |
売上総利益率、営業利益率 |
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純資産の増減 |
株主資本等変動計算書 |
当期純利益、配当、資本金の増減 |
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資金の流れ |
キャッシュ・フロー計算書 |
営業・投資・財務キャッシュフロー |
単年度の数値だけで判断するのではなく、前期や予算、同業他社の水準などと比較すると、会社の変化や課題を把握しやすくなります。
関連記事:流動比率とは?計算方法・目安と当座比率との違いをわかりやすく解説
決算報告書は、税務署や株主、金融機関などへ提出・提供する場合があります。ただし、提出する書類や期限は提出・開示先によって異なります。
主な提出先と書類の範囲は、以下のとおりです。
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提出・開示先 |
主な書類 |
補足 |
|
税務署 |
・貸借対照表 ・損益計算書 ・株主資本等変動計算書 ・勘定科目内訳明細書 ・法人事業概況説明書 など |
法人税確定申告書とあわせて提出する |
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株主 |
・計算書類 ・事業報告など |
定時株主総会で承認・報告する |
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一般への公告 |
貸借対照表など |
株式会社は会社法に基づく決算公告を行う
※有価証券報告書を提出している会社など、会社法上の決算公告が不要となる場合もある |
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金融機関 |
・決算書 ・法人税申告書一式など |
借入先の指定に従う |
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社内関係者 |
・決算書 ・予算比較表 ・部門別資料など |
経営管理に必要な範囲で作成する |
金融機関などへの提出範囲は一律ではありません。提出依頼を受けた際に、対象年度や必要な別表・明細書まで確認しましょう。
法人税の確定申告書は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内に提出します。たとえば、3月31日が事業年度末の場合、原則として5月31日が申告期限です。
一定の事情がある法人は、事前に申請することで申告期限の延長が認められる場合があります。
提出・開示先ごとの主な時期は、次のとおりです。
税務申告、株主への報告、決算公告はそれぞれ別の手続きであるため、期限を分けて管理することが重要です。
決算関係書類の保管期間は、会社法と税法で異なります。
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根拠 |
主な対象 |
保管期間 |
|
会社法 |
・計算書類 ・事業報告 ・附属明細書 |
作成時から10年間 |
|
法人税法 |
・帳簿 ・貸借対照表 ・損益計算書 ・請求書 など |
原則7年間 |
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法人税法の特例 |
青色繰越欠損金が生じた事業年度などの帳簿書類 |
原則10年間 |
なお、保存期間の起算日は制度によって異なります。会社法では作成時から10年間、法人税法では原則として確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。
決算報告書は、Excelなどのテンプレートを使って作成することもできます。テンプレートを使用する場合は、次の項目を確認しましょう。
ただし、テンプレートだけでは日々の仕訳から決算書への転記や、複数書類間の照合に手間がかかります。
取引量が多い場合は、会計ソフトを活用し、決算整理後の数値を自動反映させる方法が適しています。
ここでは、作成者の資格や押印の必要性、個人事業主の決算書類など、決算報告書についてよくある疑問に回答します。
自社の決算報告書を作成するために、税理士への依頼は必須ではありません。経理担当者や経営者が会計ソフトなどを使って作成することも可能です。
ただし、決算整理や税務申告には専門的な判断が必要です。税務相談や税務書類の作成・申告代理を外部へ依頼する場合は、税理士または税理士法人へ相談しましょう。
会社法上の計算書類について、一律に押印が必要とされているわけではありません。
ただし、社内規程や金融機関の手続き、提出する申請書の様式などによっては、代表者印などを求められる場合があります。提出先の案内を事前に確認しましょう。
個人事業主は、会社法上の計算書類を作成するわけではありませんが、確定申告に必要な決算書類を作成する必要があります。
青色申告では青色申告決算書、白色申告では収支内訳書を提出します。適用を受ける青色申告特別控除の要件によっては、損益計算書に加えて貸借対照表の作成も必要です。
決算報告書とは、貸借対照表や損益計算書など、決算結果をまとめた書類の総称です。実務上は「決算書」とほぼ同じ意味で使われますが、会社法上の「計算書類」や税務署へ提出する書類とは対象範囲が異なります。
作成時は帳簿残高との整合性を確認し、税務署・株主・金融機関など、提出先ごとに必要な書類と期限を整理しましょう。また、決算報告書を安全性や収益性の分析に活用することで、今後の経営判断にも役立てられます。
決算報告書の作成や日々の経理業務を効率化したい方は、以下の資料もご確認ください。