更新日:2026.09.18

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資産とは、企業が保有する現金・預金や商品、建物、売掛金など、会計上、貸借対照表の「資産の部」に計上される項目です。
日常生活では土地や預金などを広く「資産」と呼びますが、会計では一定のルールにもとづいて資産を認識・分類します。
本記事では、主に会計上の資産について、財産や負債・純資産との違い、流動資産・固定資産・繰延資産の分類などをわかりやすく解説します。
資産管理の方法や適切に管理するためのポイントも紹介するので、経理業務にぜひお役立てください。
資産とは、企業や個人事業主が保有し、会計上、貸借対照表の「資産の部」に計上される項目です。
現金・預金や商品、建物のほか、売掛金のように将来金銭を受け取る権利なども含まれます。会計上では貸借対照表(B/S)の左側に記載され、企業が保有する資産の状況を示します。
資産について理解するためには、以下の用語との違いを押さえておくことが重要です。
それぞれ詳しく解説します。
資産と財産は似た意味で使われますが、会計上の資産は一定のルールにもとづいて貸借対照表に計上される項目を指します。一方、財産は一般的に、個人や企業が所有する金銭的・経済的な価値を持つものを広く表す言葉です。
たとえば、現金や預金、土地、建物などは、一般的に財産と呼ばれるとともに、会計上の要件を満たせば資産として計上されます。また、商品や売掛金、ソフトウェアなども会計上の資産に含まれます。
資産・負債・純資産は、いずれも貸借対照表を構成する項目ですが、それぞれ示す内容が異なります。資産は企業が保有する経済的な価値、負債は借入金や買掛金など将来支払う義務、純資産は資産から負債を差し引いた部分を表します。
それぞれの違いは、以下のとおりです。
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項目 |
概要 |
主な例 |
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資産 |
企業が保有する経済的な価値を持つもの |
・現金・預金 ・売掛金 ・商品 ・建物 など |
|
負債 |
将来支払う義務があるもの |
・買掛金 ・借入金 ・未払金 など |
|
純資産 |
資産から負債を差し引いた部分 |
・資本金 ・利益剰余金 など |
貸借対照表では「資産=負債+純資産」の関係が成り立ちます。資産だけでなく、どの程度を負債で調達し、どの程度が純資産として蓄積されているかをあわせて確認することで、企業の財政状態を把握できます。
関連記事:貸借対照表とは?見方・作り方・決算チェックのポイントまでわかりやすく解説
会計上、貸借対照表に計上される資産は、大きく以下の3つに分類されます。
それぞれ、現金化までの期間や保有する目的、資産の性質などが異なります。
流動資産とは、通常の営業活動の中で回収・販売・消費される資産や、原則として1年以内に現金化される資産などを指します。貸借対照表の資産の部に表示され、企業が短期的に利用・回収できる資産の状況を把握するために重要な項目です。
流動資産には、現金・預金や売掛金などの当座資産、商品や製品などの棚卸資産があります。このほか、前払費用や短期貸付金なども流動資産に含まれます。
当座資産とは、流動資産のうち、現金または比較的短期間で現金化しやすい資産を指します。主なものには、以下があります。
商品や製品などの棚卸資産とは異なり、販売などの過程を経ずに支払いへ充てやすい点が特徴です。そのため、当座資産は企業の短期的な支払能力を確認する際にも用いられます。
関連記事:【科目解説】売掛金・買掛金とは? | 月次締めで押さえるべきポイントを徹底解説
棚卸資産とは、企業が販売する目的で保有する商品や製品、製造に使用する原材料、仕掛品などを指します。一般的には在庫と呼ばれるものです。
決算時には実際に保有している数量を確認して棚卸資産の金額を確定し、売上原価などを適切に計算します。在庫の数量や評価額は利益にも影響するため、正確な管理が必要です。
関連記事:棚卸資産とは?区分・評価方法・仕訳と決算で迷いやすい実務ポイントを解説
固定資産とは、企業が長期間にわたって保有・使用することを目的とした資産などのことです。
固定資産は、さらに以下の3つに分類されます。
関連記事:減価償却費とは?対象資産・計算方法・仕訳・注意点をわかりやすく解説
有形固定資産とは、企業が事業のために長期間使用する、物理的な形を持つ固定資産です。主なものは、以下のとおりです。
建物や機械などは原則として減価償却によって取得価額を一定期間にわたって費用配分します。一方、土地は通常、時間の経過によって価値が減少するものではないため、減価償却の対象にはなりません。
無形固定資産とは、物理的な形を持たないものの、事業活動に長期間利用される資産です。主なものは、以下のとおりです。
形がなくても将来にわたって企業に経済的な効果をもたらすものは、一定の要件を満たすことで資産として計上されます。無形固定資産の種類によっては、有形固定資産と同様に一定期間にわたって償却を行います。
投資その他の資産とは、固定資産のうち、有形固定資産や無形固定資産に該当しない資産を指します。主に、長期的な投資や取引関係の維持などを目的として保有する資産が含まれます。
代表的なものは、以下のとおりです。
たとえば、事務所を借りる際に支払った敷金のうち返還される部分は、将来返還を受ける権利として資産に計上されます。
繰延資産とは、すでに支払いが完了しているなどの費用のうち、その効果が将来にわたって期待されるため、一定の要件を満たす場合に資産として計上できるものです。現金や建物のように財産としての価値を持つ資産とは性質が異なります。
会計上の繰延資産には、主に以下があります。
これらは原則として支出時に費用処理しますが、一定の要件を満たす場合は繰延資産として計上し、所定の期間にわたって償却することもできます。
なお、会計上と税務上では繰延資産の範囲や取り扱いが異なるため、実際の経理処理ではそれぞれのルールを確認することが重要です。
法人と個人事業主では、資産の種類や会計上の分類に大きな違いはありません。現金・預金、売掛金、商品、建物、車両など、事業に使用する資産はどちらも貸借対照表の資産として扱います。
一方、資産を保有する主体には違いがあります。法人では、会社と経営者個人は法律上別の主体であるため、会社名義の預金や建物、設備などは会社の資産です。経営者個人の預金や自宅などとは区別して管理します。
個人事業主の場合は、事業主本人が事業を営むため、法人のように事業と個人が別主体になるわけではありません。そのため、事業用とプライベート用の資産を区分して経理処理することが重要です。
たとえば、事業用口座から私的な支出をした場合や、個人のお金を事業に充てた場合は、「事業主貸」「事業主借」などの勘定科目を使って処理します。
法人・個人事業主の主な違いは、以下のとおりです。
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項目 |
法人 |
個人事業主 |
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資産を保有する主体 |
会社 |
事業主本人 |
|
経営者・事業主個人との関係 |
会社と経営者は別主体 |
事業と個人は同一主体 |
|
資産管理 |
会社資産と経営者個人の資産を区別する |
事業用と私用を区分して管理する |
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主な資産 |
・現金・預金 ・売掛金 ・商品 ・建物 ・設備 など |
・現金・預金 ・売掛金 ・商品 ・建物 ・車両 など |
資産そのものの分類よりも、誰が資産を保有しているのか、事業用と私用をどのように区分するのかが、法人と個人事業主の大きな違いです。
資産管理の方法は複数あり、保有する資産の種類や数、管理する情報、担当者の人数などによって適した方法は異なります。
主な資産管理の方法は、次のとおりです。
それぞれの特徴を理解し、自社の管理体制に合った方法を選びましょう。
管理する資産が比較的少ない場合は、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトを活用する方法があります。専用システムを導入せずに始められ、自社の管理項目に合わせて柔軟に表を作成できる点がメリットです。
たとえば、資産名や管理番号、取得日、取得価額、設置場所、使用者などの情報を一覧にして管理できます。
一方、資産数や管理担当者が増えると、入力・更新漏れや二重入力、ファイルのバージョン管理などが発生しやすくなります。
資産数が増えて表計算ソフトでの管理が煩雑になった場合は、会計システムや資産管理システムへの移行を検討するとよいでしょう。
固定資産の会計処理を効率化したい場合は、固定資産管理機能を備えた会計システムを活用する方法があります。資産情報を会計データと紐づけて管理できるため、経理業務との連携を図りやすい点が特徴です。
システムによっては、取得価額や取得日、耐用年数などを登録すると、減価償却費の計算や仕訳の作成を自動化できます。手作業による計算や転記を減らせるため、決算時の固定資産に関する業務負担や入力ミスの軽減につながります。
ただし、対応している管理項目や機能は製品によって異なるため、自社で必要な機能を確認したうえで選ぶことが重要です。
保有する資産が多い場合や、資産の所在・利用状況まで管理したい場合は、資産管理システムの活用が適しています。資産ごとに管理番号を付け、保有状況や設置場所、使用者、貸出・返却、移動、廃棄などの情報を一元管理することが可能です。
バーコードやQRコードなどを利用して現物とシステム上の情報を紐づけられる製品もあり、棚卸しや所在確認の効率化にもつながります。複数の拠点や部署で多くのPC・設備・備品などを保有している企業では、管理状況を把握しやすくなる点もメリットです。
導入時には、管理したい資産の範囲や必要な機能、既存の会計システムとの連携可否などを確認しましょう。
資産管理を行う際は、とくに以下のポイントを押さえておきましょう。
記録と実際の資産の状態に差異があると、会計処理や決算にも影響する可能性があります。
固定資産を適切に管理するには、固定資産台帳を整備し、資産ごとの情報を正確に記録することが重要です。固定資産台帳には、建物や機械、車両、備品などについて、取得日や取得価額、耐用年数、減価償却の状況などを記録します。
資産を新たに取得した場合だけでなく、移動や売却、除却などが発生した際にも、実態に合わせて情報を更新しましょう。更新が滞ると、すでに廃棄した資産が帳簿に残ったり、減価償却費を誤って計上したりする原因になります。
固定資産台帳を継続的に更新することで、保有する固定資産の状況を把握しやすくなり、決算時の確認や減価償却などの会計処理もスムーズに進められます。
資産管理では、台帳上の情報と実際に保有している資産が一致しているか、定期的に確認することが重要です。帳簿や台帳を更新していても、資産の移動・紛失・廃棄などが正しく反映されていない場合があります。
商品や原材料などの棚卸資産は、期末などに実際の数量や状態を確認し、帳簿上の数量との差異を確認しましょう。
差異が見つかった場合は原因を調査し、必要に応じて台帳や帳簿を修正します。定期的に現物と記録を照合することで、資産の紛失や処理漏れを早期に発見し、正確な決算や会計処理につなげられます。
関連記事:棚卸しとは?目的・種類・手順から評価方法までわかりやすく解説
資産に関する以下のよくある質問に回答します。
資産とは、企業や個人事業主が保有する現金・預金や商品、建物などのほか、将来金銭を受け取る権利など、経済的な価値を持つもののことです。
たとえば、現金・預金、売掛金、商品、土地、建物、機械、ソフトウェアなどが資産に該当します。会計上では、資産は貸借対照表の「資産の部」に計上され、流動資産・固定資産・繰延資産に分類されます。
償却資産とは、固定資産税の対象となる資産のうち、土地・家屋を除く事業用の機械や設備、工具・器具・備品など一定の資産です。たとえば、事業で使用する機械や設備、工具・器具・備品などが該当します。
償却資産は固定資産税の課税対象となり、所有者は原則として毎年1月1日時点の所有状況を所在地の市区町村へ申告しなければなりません。なお、東京都23区では都税事務所へ申告します。
金融資産とは、現金や預金、株式、債券など、金銭そのものや金融契約にもとづく権利として保有する資産です。
土地や建物などの実物資産とは異なり、現金そのものや、将来金銭などを受け取る権利として保有する点が特徴です。
代表的な金融資産には、現金・預金、株式、債券、投資信託などがあります。
資産とは、現金・預金や商品、建物などのほか、売掛金のように将来金銭を受け取る権利など、経済的な価値を持つものです。会計上は大きく、流動資産・固定資産・繰延資産に分類され、それぞれ性質や会計上の取り扱いが異なります。
正確な決算や経理業務を行うためには、自社が保有する資産を適切に分類・記録し、継続的に管理することが重要です。固定資産台帳の整備や定期的な棚卸し・現物確認を行い、必要に応じて会計システムや資産管理システムも活用しましょう。
資産を正しく管理するには、それぞれの取引内容に応じて適切な勘定科目で記帳することも重要です。
勘定科目の選び方や仕訳に迷う場合は、以下の資料もぜひご活用ください。