更新日:2026.10.16

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「注文書には何を記載すればよいのか」「発注書や注文請書とは何が違うのか」と疑問に感じている方もいるでしょう。
注文書とは、商品やサービスを発注する際に、注文内容や取引条件を取引先へ伝えるための書類です。商品名や数量、金額、納期などを明記することで、認識の相違や取引上のトラブルを防ぎやすくなります。
本記事では、注文書の役割や関連書類との違い、書き方・記入例、主な記載項目を解説します。保存期間や発行時の注意点も紹介するので、注文書の作成・管理にお役立てください。
注文書とは、商品やサービスを購入・依頼する際に、発注者が受注者に注文内容や取引条件を伝えるための書類です。
商品・サービスの名称、数量、単価、注文金額、納期、支払条件などを記載し、双方が注文内容を確認するために使用します。
一般的な取引では発行が必須とは限りませんが、適用される法令によっては発注内容などの明示が義務付けられます。
注文書と混同されやすい書類には、発注書や注文請書、見積書、請求書などがあります。それぞれ発行する目的やタイミング、役割が異なるため、違いを理解しておくことが重要です。
ここでは、4つの書類と注文書の違いについて解説します。
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書類 |
主な発行者 |
役割 |
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注文書 |
発注者 |
商品・サービスを注文する |
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発注書 |
発注者 |
注文書と基本的に同じ |
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注文請書 |
受注者 |
注文を引き受ける意思を示す |
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見積書 |
受注者 |
価格や取引条件を提示する |
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請求書 |
受注者 |
代金を請求する |
注文書と発注書は、基本的に同じ意味で使われる書類であり、明確な違いはありません。どちらも、発注者が受注者に対して注文内容や取引条件を伝えるために発行する書類です。
一般的には、商品の購入に注文書、業務の委託や製造の依頼に発注書という名称が使われることもあります。ただし、法律上の明確な区別はなく、呼び方は企業や業界の慣習によって異なります。
関連記事:発注書の書き方完全版!記載すべき項目や発行時の注意点を徹底解説
注文請書は、受注者が注文を引き受ける意思を示すために発行する書類です。一方で、注文書は、発注者が商品やサービスの注文内容を伝えるために発行する書類です。
一般的な取引では、発注者が注文書を送付し、受注者が内容を確認したうえで注文請書を返送する流れになります。
注文請書には、注文内容や金額、納期などを記載し、双方が合意した取引条件を確認する役割があります。
関連記事:注文請書とは?書き方・収入印紙の要否・実務上の注意点をわかりやすく解説
見積書は、受注者が商品やサービスの価格、数量、納期などの取引条件を提示するための書類です。一方、注文書は、発注者が取引内容を確認し、正式に注文する意思を伝えるために発行します。
受注者が見積書を提示し、発注者が内容を確認・検討したうえで注文書を発行する流れが一般的です。
ただし、見積書の提示だけで必ず契約が成立するわけではなく、注文書の発行によって契約が成立するかどうかも取引条件などによって異なります。
注文書を作成する際は、見積書に記載された金額や数量、納期などと相違がないか確認することが重要です。
関連記事:見積書の正しい書き方とは?発行目的と作り方についても解説
注文書は、発注者が商品やサービスを注文する際に発行する書類です。一方、請求書は、受注者が商品やサービスの代金を請求するために発行します。
一般的には、注文書の発行後に商品やサービスが提供され、その後、受注者から請求書が発行される流れになります。ただし、前払いの取引などでは、納品前に請求書が発行される場合もあるでしょう。
また、注文書には注文時点の金額や取引条件を記載するのに対し、請求書には請求金額や支払期限、振込先などを記載します。
請求書を受け取った際は、注文書の内容と照合し、金額や取引内容に相違がないか確認することが重要です。
注文書は、発注者と受注者の間で取引内容を明確にし、円滑に取引を進めるために作成する書類です。
注文書を作成する主な目的・役割は、以下の2つです。
それぞれ詳しく解説します。
注文書を作成することで、商品名や数量、金額、納期などの取引条件を正確に伝えられます。
口頭や電話だけで注文すると、細かな仕様や納期の認識がずれ、誤発注や納品トラブルにつながる可能性があります。
たとえば、発注者が月末までの納品を希望していても、受注者が翌月末と認識していれば、納期の遅延が発生しかねません。
注文書に条件を明記し、受注者と確認・共有することで、こうしたトラブルを防ぎやすくなります。
注文書には、いつ、誰が、どのような条件で注文したのかを記録し、取引内容の証拠を残す役割があります。
注文書を保存しておけば、納品内容や請求金額に相違が生じた場合も、当初の注文条件を確認し、事実関係を整理することが可能です。
また、注文書は契約成立の経緯を示す証拠のひとつとして活用できる場合があります。ただし、注文書の発行だけで必ずしも契約が成立するわけではありません。
そのため、注文請書やメールなどの関連記録もあわせて保存し、取引の経緯を確認できるようにしておくことが重要です。
注文書には、商品やサービスの内容、金額、納期など、取引条件を正確に伝えるための情報を記載します。
一般的な注文書に記載する主な項目は、以下の7つです。
それぞれの記載内容や注意点について解説します。
なお、取適法(中小受託取引適正化法)の対象となる取引では、発注内容や代金、支払期日など、法令で定められた事項を明示する必要があります。一般的な注文書の記載項目だけでは要件を満たさない場合もあるため、適用される法令を確認しましょう。
注文した時期や取引内容を管理するために、発行日と注文番号を記載します。
発行日には、注文書を作成・発行した年月日を記載します。発行日を明確にすることで、注文の時系列を把握できるため、納期の確認や取引履歴の管理もしやすくなるでしょう。
注文番号は、個々の注文を識別するために付ける管理番号です。たとえば「202610-001」のように、年月と連番を組み合わせる方法があります。
注文番号を設定しておけば、注文請書や納品書、請求書などの関連書類と照合しやすくなります。
誰が誰に対して注文するのかを明確にするため、発注者と受注者の情報を記載します。
主な記載項目は、以下のとおりです。
同じ企業の複数部署と取引している場合は、担当部署や担当者名まで記載すると、注文書の送付間違いや確認漏れを防ぎやすくなります。
注文する商品やサービスの名称を具体的に記載しましょう。
商品を注文する場合は、商品名だけでなく、必要に応じて型番や品番、サイズ、カラー、仕様なども記載します。たとえば、「ノートパソコン」とだけ記載するのではなく、メーカー名や製品型番、メモリ容量などを明記すると、注文内容を正確に伝えられます。
サービスを依頼する場合も、「Webサイト制作」などの名称だけでなく、制作するページ数や対応範囲などを記載するとよいでしょう。
数量には、注文する個数やセット数などを記載し、単価には商品・サービス1単位あたりの金額を記載します。
たとえば、単価2,000円の商品を10個注文する場合は、数量を「10個」、単価を「2,000円」と記載しましょう。
サービスの発注では、作業時間や件数、月数などを単位として設定する場合もあります。
数量や単価の記載に誤りがあると、注文金額の相違や請求時のトラブルにつながるため、発行前に確認しましょう。
注文金額は、原則として数量と単価を掛け合わせて算出し、複数の商品を注文する場合は、それぞれの金額を合計します。
消費税については、税抜金額・消費税額・税込金額を区別して記載すると、取引金額を把握しやすくなるでしょう。
なお、商品やサービスによっては軽減税率8%が適用される場合もあります。異なる税率の取引が含まれる場合は、税率ごとに金額を区分して記載するとよいでしょう。
納期には、納品を希望する年月日や期限を明記します。
納品場所には、商品を受け取る住所や施設名などを記載しましょう。発注者の所在地と納品場所が異なる場合は、特に注意が必要です。
また、サービスの発注では、成果物の提出期限や納品方法を指定する場合もあります。
たとえば、Web制作などの業務では「指定のクラウドストレージにデータを納品する」といった条件を記載すると、納品時のトラブルを防ぎやすくなります。
代金の支払時期や支払方法などの条件を記載します。
主な記載項目は、以下のとおりです。
たとえば「月末締め・翌月末払い」と記載すれば、代金の支払時期を明確にできます。また、前払い・分割払いなどの条件がある場合も、注文書に記載しておくとよいでしょう。
支払条件が不明確だと、代金の支払時期や金額をめぐるトラブルにつながる可能性があります。見積書や基本契約書などで合意した条件と相違がないか確認したうえで記載することが重要です。
注文書を作成する際は、発注者・受注者の情報や商品名、数量、金額、納期、支払条件などを記載します。
以下は、事務用品を発注する場合の注文書の記入例です。
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注文書 発行日:2026年10月1日 株式会社ABC商事 御中 発注者:株式会社XYZ 下記のとおり注文いたします。
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※上記は架空の取引を想定した記入例です。
注文書を作成する際は、まず見積書や取引先との合意内容を確認し、必要な項目を入力します。商品が複数ある場合は、商品ごとに名称・数量・単価・金額を記載しましょう。
入力後は、数量と単価の計算結果や消費税額、納期、支払条件などに誤りがないか確認します。問題がなければ、PDF形式などで保存し、取引先に送付します。
なお、必要な記載項目は取引内容によって異なります。基本契約書や適用される法令も確認し、必要な情報が漏れないようにしましょう。
注文書は、Excel・Wordのテンプレートや専用の注文書作成システムを活用して作成できます。それぞれ特徴が異なるため、発行頻度や取引件数、管理方法などに応じて選ぶことが重要です。
主な作成方法は、以下の2つです。
それぞれの作成手順やメリット、注意点について解説します。
注文書は、ExcelやWordのテンプレートを活用することで、手軽に作成することが可能です。
まず、必要な記載項目がそろったテンプレートを用意し、発注者・受注者の情報や商品名、数量、単価、納期などを入力します。その後、注文金額や取引条件に誤りがないか確認し、PDF形式などで保存して取引先に送付します。
Excelは計算式を設定できるため、数量や単価から注文金額を自動計算する場合に便利です。一方、Wordはレイアウトや文章の調整がしやすく、取引条件などの説明を詳しく記載したい場合に適しています。
ただし、手入力による転記ミスや計算ミス、ファイルの管理漏れが発生する可能性があるため、発行前の確認が重要です。
注文書の発行件数が多い場合は、専用の注文書作成システムを活用する方法がおすすめです。
注文書作成システムでは、取引先情報や商品情報などを登録し、必要な項目を選択・入力することで注文書を作成できます。システムによっては、注文金額の自動計算やPDF出力、メール送付、発行履歴の管理などにも対応しています。
また、見積書や請求書などの関連書類とデータを連携できるシステムであれば、同じ情報を繰り返し入力する手間を減らすことも可能です。
ただし、導入費用や月額料金、利用できる機能はシステムによって異なるため、自社の発行件数や業務フローに合ったものを選ぶことが重要です。
注文書の保存期間は、法人と個人事業主で異なります。
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事業者の区分 |
保存期間 |
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法人 |
原則7年間 |
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個人事業主(青色申告) |
原則5年間 |
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個人事業主(白色申告) |
原則5年間 |
注文書の保存期間は、法人と個人事業主で異なります。法人の場合は原則7年間、個人事業主の場合は一般的な注文書について原則5年間の保存が必要です。
ただし、法人で一定の欠損金が生じた事業年度などは、10年間の保存が必要になる場合があります。
また、取適法の対象となる取引では、委託事業者に取引内容を記録した書類または電磁的記録を2年間保存する義務があります。税法上の保存期間とは別の義務であるため、それぞれの法令に従って管理しましょう。
なお、注文書を電子データでやり取りした場合は、電子帳簿保存法に基づく保存も必要です。紙と電子データでは保存方法が異なるため、適切に管理しましょう。
注文書を発行する際は、記載内容の正確性だけでなく、契約の成立や印紙税、保存方法などにも注意が必要です。
主な注意点は、以下の4つです。
それぞれ詳しく解説します。
注文書を発行する前に、商品・サービスの内容や数量、金額、納期などに誤りがないか確認することが重要です。特に、見積書をもとに注文書を作成する場合は、見積書に記載された条件と一致しているかを確認しましょう。
たとえば、数量や単価の入力ミスがあると、誤った金額で注文が処理されたり、請求時にトラブルが発生したりする可能性があります。また、納品場所や支払条件なども、取引先との合意内容に沿っているか確認する必要があります。
発行前に担当者による確認を行うなど、チェック体制を整えることで、誤発注や取引上のトラブルを防ぎやすくなるでしょう。
注文書を発行する際は、契約が成立するタイミングや法的効力を確認することが重要です。
一般的に、契約は一方の申込みに対して相手方が承諾することで成立します。注文書が契約の申込みに当たる場合は、原則として受注者の承諾によって契約が成立します。
ただし、基本契約書や取引条件によっては、注文書の発行によって契約が成立する場合もあるため、事前に確認が必要です。
また、注文書は契約成立の経緯を示す証拠として活用できる場合があります。後から認識の相違が生じないよう、注文請書やメールなどの関連記録もあわせて保存しておきましょう。
注文書は、一般的には印紙税の課税対象になりません。ただし、記載内容によっては契約書として扱われ、印紙税の課税対象となる場合があります。
たとえば、基本契約書の定めにより注文書の発行だけで契約が成立する場合や、取引先が作成した見積書に基づく注文であることが記載されている場合などです。また、契約当事者双方の署名・押印がある注文書も、契約書として扱われる場合があります。
ただし、別途注文請書などで契約の成立を証明することが定められている場合は、取り扱いが異なることがあります。
なお、電子データとして作成・送付する注文書は、通常、印紙税の課税対象にはなりません。
関連記事:収入印紙はいくらから必要?領収書・契約書の印紙税額をわかりやすく解説
注文書を電子メールやクラウドサービスなどでやり取りした場合は、原則として電子帳簿保存法に従って電子データのまま保存する必要があります。
電子取引データを保存する際は、主に以下の要件への対応が求められます。
なお、一定の条件を満たす場合には検索要件が不要となるほか、所定の要件を満たす場合には保存要件に関する猶予措置も設けられています。
電子取引で受け取った注文書を印刷して保管するだけでは、原則として電子データの保存義務を満たせません。自社の保存方法が法令の要件に対応しているか確認しましょう。
関連記事:電子帳簿保存法(電帳法)における電子取引とは?対象書類や義務化の要点をわかりやすく解説
注文書に関するよくある質問に回答します。
一般的な取引では、注文書の発行が必ずしも法律で義務付けられているわけではありません。
ただし、取適法(中小受託取引適正化法)の対象となる取引では、委託事業者に発注内容や代金、支払期日などの所定事項を、書面または電磁的方法で明示する義務があります。
なお、書類の名称が必ず注文書である必要はありません。
注文書への押印は、原則として法律上の必須要件ではありません。押印がなくても、当事者間の合意などによって契約が有効に成立する場合があります。
ただし、取引先との契約や社内規程で押印が求められている場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
注文書は、メールへのPDF添付やクラウドサービスなどを利用して送付できます。ただし、取引先が指定する送付方法や、適用される法令の要件を確認することが重要です。
また、電子メールなどで授受した注文書は、原則として電子帳簿保存法に従い、電子データのまま保存する必要があります。
注文書は、商品やサービスの注文内容や取引条件を明確にし、発注者と受注者の認識の相違やトラブルを防ぐための重要な書類です。
作成する際は、商品・サービスの名称や数量、金額、納期、支払条件などを正確に記載しましょう。
注文書の作成・管理を効率化するには、業務のデジタル化も有効です。ただし、ツールを導入する際は、自社の業務課題や運用体制を整理しておくことが重要です。
経理業務のデジタル化を検討している方は、以下の資料もぜひご活用ください。