更新日:2026.07.28

ー 目次 ー
ROEとは、自己資本を使ってどれだけ効率よく利益を生み出したかを示す指標です。投資家や経営層が企業の収益性を判断する際に使うだけでなく、経理部門が利益率や資産効率を確認するうえでも重要な指標です。
本記事では、ROEの計算式、目安、ROA・ROICとの違い、ROEを改善する考え方をわかりやすく解説します。あわせて、経理部門が月次で確認したいチェック項目や仕訳例も紹介します。
ROEは「Return on Equity」の略で、日本語では自己資本利益率と呼ばれます。自己資本に対して、どれだけ当期純利益を生み出したかを示す指標です。簡単にいえば、「株主から預かった100円で、1年間に何円の利益を出せたか」を見るための数字です。

たとえば、自己資本が10億円、当期純利益が1億円であれば、ROEは10%です。この場合、自己資本100円に対して10円の利益を生み出したと説明できます。
ROEが高い企業は、少ない自己資本から多くの利益を生み出していると考えられます。ただし、数値が高いだけで優良企業と判断するのは危険です。ROEを実態以上に高く見せる要因や、あわせて確認すべき指標については、後半の「ROEを見るときの注意点」でまとめて解説します。
ROEの基本的な計算式は、次のとおりです。
実務では、期中に自己資本が増減することを踏まえ、期首と期末の平均自己資本を使うことがあります。連結決算を分析する場合は、分子と分母の範囲をそろえることも重要です。たとえば、分子に「親会社株主に帰属する当期純利益」を使う場合は、分母も親会社株主に帰属する自己資本と対応させます。
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項目 |
金額 |
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当期純利益 |
5,000万円 |
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期首自己資本 |
3億8,000万円 |
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期末自己資本 |
4億2,000万円 |
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平均自己資本 |
4億円 |
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ROE |
12.5% |
この場合、5,000万円÷4億円×100=12.5%となります。平均自己資本100円に対して、1年間に12.5円の当期純利益を生み出したと考えます。
ROEは8%が一つの参考値として紹介されることがあります。ただし、8%以上なら必ず優良企業、8%未満なら問題がある企業と断定できるわけではありません。
経済産業省のレポートでは、ROEは経営の目的そのものではなく、事業の収益力や資本効率を高めた結果として確認する指標と捉えることが大切とされています。
参考:経済産業省 伊藤レポート「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」
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比較軸 |
確認する内容 |
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過去推移 |
一時的な変動か、継続的な改善か |
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同業他社 |
業界内で高いか低いか |
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業界平均 |
事業特性に照らして妥当か |
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資本コスト |
株主が期待する収益率を上回るか |
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ROA・自己資本比率 |
借入金依存で高く見えていないか |
ROEと似た指標に、ROA、ROIC、PBRがあります。いずれも経営分析で使われますが、何に対する収益性や評価を見るのかが異なります。

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指標 |
主な計算式 |
見る内容 |
主な利用場面 |
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ROE |
当期純利益÷自己資本×100 |
株主資本の収益性 |
株主・投資家向け説明 |
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ROA |
利益÷総資産×100 |
会社全体の資産効率 |
経営分析・金融機関説明 |
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ROIC |
税引後営業利益÷投下資本×100 |
本業に投下した資本の効率 |
事業別・投資判断 |
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PBR |
株価÷1株当たり純資産 |
市場からの評価 |
株価・企業価値分析 |
ROEは自己資本に対する利益率、ROAは総資産に対する利益率です。ROAの分母には、自己資本だけでなく借入金などで調達した資金によって取得した資産も含まれます。そのため、ROEが高くてもROAが低い場合は、借入金による財務レバレッジの影響を確認する必要があります。
ROICは、本業に投下した資本からどれだけ利益を生み出したかを見る指標です。全社の株主資本効率を見るROEに対して、ROICは事業別・投資案件別の収益性を判断するときに使いやすい指標です。
ROEは企業の収益性を表し、PBRは市場からの評価を表します。理論上、PBRはROEとPERに分解して考えることもできます。ただし、実際の市場評価は成長性、事業リスク、ガバナンス、株主還元方針などにも左右されます。
同じ会社の数値を使って、4つの指標を実際に計算してみると、それぞれ何を分母にしているかで結果が変わってきます。ここでは、次のモデル企業を例に見ていきましょう。
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項目 |
金額 |
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売上高 |
10億円 |
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当期純利益 |
5,000万円 |
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税引後営業利益 |
6,000万円 |
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自己資本 |
4億円 |
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総資産 |
8億円 |
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投下資本(有利子負債2億円+自己資本4億円) |
6億円 |
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株価 |
1,500円 |
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1株当たり純資産(BPS) |
1,000円 |
この数値をそれぞれの計算式に当てはめると、次のようになります。
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指標 |
計算式への当てはめ |
算出結果 |
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ROE |
5,000万円 ÷ 4億円 × 100 |
12.5% |
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ROA |
5,000万円 ÷ 8億円 × 100 |
6.25% |
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ROIC |
6,000万円 ÷ 6億円 × 100 |
10.0% |
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PBR |
1,500円 ÷ 1,000円 |
1.5倍 |
同じ会社でも、ROEは自己資本を分母にするため12.5%、ROAは総資産を分母にするため6.25%と、数値に差が出ます。ROEがROAを上回っているのは、借入金などの負債も活用して資産を運用しているためです。ROICは本業に投じた資本に対する収益性を示し、10.0%と資本コストを上回っているかどうかが判断の目安になります。PBRは1.5倍で、純資産に対して市場が1.5倍の評価をしていると読み取れます。
このように、収益性を見る指標でも、分母を「自己資本・総資産・投下資本」のどれに置くかで意味が変わります。1つの指標だけでなく、複数を組み合わせて確認することが大切です。
ROEは、利益率、資産効率、財務レバレッジの3つに分解できます。この考え方はデュポン分析と呼ばれ、ROEが高い理由・低い理由を整理するときに役立ちます。

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改善方向 |
主な確認項目 |
経理部門が見るポイント |
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売上原価、販管費、支払手数料、システム利用料 |
費用増加の原因、重複契約、未利用契約を確認する |
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売掛金、棚卸資産、前払費用、固定資産 |
回収遅延、滞留在庫、遊休資産を確認する |
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借入金、支払利息、自己資本比率 |
返済負担や金利上昇リスクを確認する |
3つのうち、経理部門がまず優先したいのは利益率と資産効率の改善です。財務レバレッジは安全性とのバランスを見ながら慎重に判断します。なお、財務レバレッジや自己株式の扱いによってROEが実態以上に高く見えるケースがある点は、後述の「ROEを見るときの注意点」でまとめて解説します。
利益率は「売上高に対してどれだけの利益が残るか」を表し、デュポン分析では売上高当期純利益率にあたります。売上原価や販管費、支払手数料、システム利用料といった費用を見直し、ムダな支出を抑えることで改善できます。
経理部門は、費用増加の原因や重複契約、使われていない契約がないかを確認することが起点になります。単なるコスト削減ではなく、「その費用が売上や品質にどう貢献しているか」まで踏まえて判断することが大切です。
資産効率は「投じた資産をどれだけ売上に変えられているか」を表し、デュポン分析では総資産回転率にあたります。回転率は、次の式で計算します。
ROEが同じ水準でも、利益率で稼ぐ会社と、少ない資産を高速で回して稼ぐ会社では、収益構造がまったく異なります。経理部門にとって回転率は、売掛金や棚卸資産、遊休固定資産といった「滞留している資産」を見つける手がかりになります。回転率が下がっているときは、回収の遅れや在庫の積み上がり、使われていない資産が隠れていないかを月次で点検しましょう。
財務レバレッジは「自己資本の何倍の資産を運用しているか」を表し、借入金などの他人資本の活用度合いを示します。借入金を活用すれば、少ない自己資本で大きな資産を運用でき、利益が伸びればROEは高まります。
一方で、レバレッジを高めるほど支払利息や返済負担、金利上昇リスクも増えます。財務レバレッジは、利益率や資産効率のように「高めればよい」ものではなく、自己資本比率などの安全性とのバランスを見ながら適正な水準に保つことが重要です。数値上ROEを押し上げる効果があるだけに、その中身を見極める視点が欠かせません。
ROEは年次決算で確認されることが多い指標ですが、改善の兆候は月次の数字に表れます。経理部門が月次決算や請求書データから利益率や資産効率の変化を早めに捉えられれば、年度末を待たずに改善へ動き出せます。
ここからは、経理部門が月次でどの項目のどんな変化に注目すればよいかを、利益率・資産効率・財務構成の3つに分けて整理します。以下の図と表を順番に確認しましょう。

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区分 |
確認項目 |
見るべき変化 |
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利益率 |
売上総利益率 |
仕入価格や原価率の上昇 |
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利益率 |
営業利益率 |
販管費の増加 |
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資産効率 |
売掛金 |
回収遅延、滞留債権 |
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資産効率 |
棚卸資産 |
過剰在庫、不動在庫 |
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資産効率 |
固定資産 |
遊休資産、除却漏れ |
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財務構成 |
借入金 |
支払利息、返済負担 |
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自己資本 |
自己株式 |
分母減少によるROE上昇 |
通信費、水道光熱費、システム利用料、保守費などは毎月継続的に発生するため、単価改定や契約の重複が見過ごされやすい費目です。請求書を支払証憑として処理するだけでなく、コスト管理データとして活用すれば、月次決算を待たずに費用増加の兆候を把握しやすくなります。
たとえば、請求書データに部門コード、拠点コード、契約番号、費用区分、前年同月金額を付与しておくと、拠点別・部門別の費用増加や重複契約を発見しやすくなります。
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請求書の受領方法や承認ルートが拠点ごとに異なると、請求書の到着遅れ、計上月のずれ、勘定科目の不統一、二重計上、計上漏れが発生しやすくなります。請求書の受領、内容確認、承認、仕訳、支払、保管までの流れを標準化することで、月次損益の精度を高められます。
請求書処理の標準化は、ROEを直接高める施策ではありません。しかし、費用増加や計上漏れを早期に見つけ、改善余地を正しく把握するための管理基盤になります。

ROEは、利益の増加以外の要因でも数値が変動します。ここでは、ROEを実態以上に高く見せる代表的な要因と、あわせて確認したい視点を4点で整理します。
ROEは、本業の利益が増えなくても、資金調達の方法を変えるだけで数値が動きます。次の2社は、総資産も当期純利益もまったく同じですが、自己資本の大きさが違うためROEに差が生まれます。
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項目 |
X社(無借金型) |
Y社(借入活用型) |
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総資産 |
1億円 |
1億円 |
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借入金 |
0円 |
5,000万円 |
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自己資本 |
1億円 |
5,000万円 |
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当期純利益 |
800万円 |
800万円 |
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ROA(利益÷総資産) |
8% |
8% |
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ROE(利益÷自己資本) |
8% |
16% |
Y社のROEはX社の2倍ですが、稼ぐ力そのものを示すROAは両社とも8%で同じです。つまりY社のROEの高さは、本業の収益力や資産効率が優れているからではなく、自己資本を借入金で置き換えて分母を小さくした結果にすぎません。この違いは、財務レバレッジによる押し上げと呼ばれます。
借入金の活用は、利益が伸びればROEを高める一方で、支払利息や返済負担、金利上昇リスクも増やします。ROEだけを見て「収益力が改善した」と早合点しないために、ROA、自己資本比率、D/Eレシオ、営業キャッシュフローをあわせて確認しましょう。ROEとROAを並べて見れば、数値の高さが「稼ぐ力」由来か「借入の効かせ方」由来かを切り分けられます。
自己株式を取得すると、自己資本(分母)が減るため、当期純利益が同じでもROEが上がる場合があります。たとえば当期純利益が同じでも、自己株式の取得で自己資本が1割減れば、ROEは計算上およそ1割高くなります。これは本業の収益力が改善した結果とは限りません。
自己株式の取得は、余剰資金を株主に還元し、1株当たり利益(EPS)を高める有効な資本政策になり得ます。一方で、資金が社外に流出するため、手元流動性や今後の投資余力への影響もあわせて確認する必要があります。ROEの増減を説明するときは、利益の増加によるものか、自己資本の減少によるものかを分けて示すことが重要です。
ROEは、本業とは関係のない一時的な損益によっても大きく変動します。たとえば、保有株式や不動産の売却益といった特別利益が出た年はROEが一時的に高くなり、反対に、減損損失や固定資産除却損、災害損失などが発生した年は一時的に低くなります。
これらは毎期発生するものではないため、単年度のROEだけで収益力を判断すると、実態を見誤るおそれがあります。継続的な稼ぐ力を評価するには、特別損益を除いた経常的な利益ベースで見たうえで、本業の利益率や資産効率が改善しているかを複数年で追うことが大切です。経理部門は、ROEが前年から大きく動いたときこそ、その要因が一過性のものか、構造的な変化かを切り分けて説明できるようにしておきましょう。
ROEは分子(利益)を増やすだけでなく、費用を抑えても数値が上がります。そのため、短期的にROEを高めようとして、人材投資、設備投資、研究開発、システム投資といった将来の成長に必要な支出まで削ってしまうと、中長期的な競争力が下がるおそれがあります。
たとえば、システム投資や業務改善の費用を先送りすれば、その年の利益は増えてROEは改善します。しかし、非効率な業務が温存され、数年後にかえって大きなコストや機会損失を招くことも少なくありません。費用削減は、売上、生産性、品質、従業員の定着への影響まで含めて判断することが大切です。ROEは「削って高める」ものではなく、「稼ぐ力と資産効率を高めた結果として上がる」ものと捉えましょう。
ROEは自己資本に対する利益率、ROAは総資産に対する利益率です。借入金の影響を見るには、ROEとROAをセットで確認することが重要です。
ROEを改善するには、利益率を高める、資産効率を改善する、財務レバレッジを適正化するという3つの方向があります。経理部門は、販管費、売掛金、在庫、固定資産、借入金を月次で確認します。
ROEが高いだけでは判断できません。借入金や自己株式取得によってROEが高く見える場合があるため、ROA、自己資本比率、キャッシュフローもあわせて確認する必要があります。
ROEは、自己資本を使ってどれだけ効率よく利益を生み出したかを示す指標です。計算式はシンプルですが、数値の高低だけで判断するのではなく、利益率、資産効率、財務レバレッジに分解して見ることが重要です。
なお、こうした「数字の背景まで読み解く力」は、経理の現場でも重視されはじめています。当社が経理担当者441名に実施した調査でも、管理者が若手に身につけてほしいスキルとして「業務の背景を理解する姿勢」や「自社の会計ルールの理解」が上位に挙がりました。ROEをはじめとする指標も、計算式を覚えるだけでなく、自社の事業構造や会計方針に照らして「なぜこの数値になったのか」を説明できることが、これからの経理に求められる力だといえます。
経理部門は、月次決算や請求書データを通じて、費用増加、売掛金の滞留、在庫や固定資産の非効率を早期に把握できます。ROEを経営指標として見るだけでなく、改善余地を見つけるための管理指標として活用しましょう。