更新日:2026.10.02

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掛け払いとは、商品やサービスを先に提供し、あらかじめ定めた期日までに代金を支払ってもらう決済方法です。
企業間取引では、1か月分の取引をまとめて請求する「月末締め・翌月末払い」などの方法が広く用いられています。
この記事では、掛け払いの仕組みや後払いとの違い、メリット・デメリット、導入する際のポイントまでわかりやすく解説します。
本記事を読めば、掛け払いを導入すべきか、どのように運用すればよいかを判断できるようになるため、ぜひ参考にしてください。
掛け払いとは、商品やサービスを先に提供し、あらかじめ定めた期日までに代金を支払ってもらう仕組みのことです。企業間取引の決済方法のひとつとして、日本のビジネスシーンで広く利用されています。
掛け払いの代表例には、請求書払いが挙げられます。月末などの締め日に請求書を発行し、期日までに代金を支払ってもらう方法です。
掛け払いを利用する場合、商品を納品した時点や請求書を発行した時点では、実際の金銭のやり取りは発生しません。そのため、取引先企業の信用にもとづいて成り立つ決済方法といえます。
掛け払いと後払いは、どちらも商品やサービスの提供後に代金を支払う仕組みです。ただし、主に使われる取引や支払い方法の傾向に違いがあります。
ここでは、掛け払いと後払いの違いを2つの観点から解説します。
掛け払いは、主に企業間取引(BtoB)で使われる決済方法です。一方、後払いは、ECサイトなどの消費者向け取引(BtoC)で使われるケースが多くあります。
ただし、両者は取引相手だけで明確に区別されるわけではありません。いずれも、商品やサービスの提供後に代金を支払う点では共通しています。
掛け払いでは、「月末締め・翌月末払い」のように、一定期間の取引をまとめて請求する方法が一般的です。継続的な取引を前提に、あらかじめ締め日や支払日を決めて運用します。
一方、後払いの支払い方法はサービスによって異なります。「商品到着後14日以内」のように取引ごとに支払う場合もあれば、1か月分の利用額を翌月にまとめて支払う場合もあります。
そのため、掛け払いと後払いは支払いサイクルだけで明確に区別できるものではなく、主に使われる場面や運用方法に違いがあると理解するとよいでしょう。
掛け払いは、売り手・買い手の双方に以下のようなメリットのある決済方法です。
それぞれのメリットを詳しく解説します。
掛け払いの大きなメリットは、取引のたびに請求する場合と比べて、請求業務を効率化しやすい点です。
取引の都度、請求書を発行して支払いを受ける場合は、取引回数に比例して業務量が増えていきます。一方、掛け払いであれば、一定期間の取引をまとめて1回の請求・入金確認で済ませられるため、業務負担を大きく軽減できます。
掛け払いに対応すると、新しい取引先を獲得しやすくなります。
取引ごとの都度払いは、買い手にとって支払いの手間や資金管理の負担が大きくなります。そこで掛け払いに対応しておけば、買い手の負担を抑えられ、継続的な取引につなげやすくなるのです。
企業間取引では、掛け払いが広く利用されています。対応していないと取引の候補から外れる場合があることを理解しておきましょう。
掛け払いにおける買い手側のメリットは、予算管理がしやすくなることです。
取引の都度支払う場合は、支出のタイミングが分散し、資金計画を立てにくくなります。
一方、掛け払いでは支払日があらかじめ決まっており、締め日後には一定期間の支払額もまとめて把握できます。そのため、支払いのタイミングを見通しやすくなるのがメリットです。
また、支払いを月に一度まとめられることで、支払い業務の負担が軽減される点もメリットのひとつです。
掛け払いを利用すると、買い手側の資金繰りに余裕が生まれます。商品やサービスを受け取ってから実際に支払うまでに、一定の猶予期間があるためです。
たとえば月末締め・翌月末払いなら、支払いまで約1~2か月の猶予が生じます。手元の資金を確保したまま取引を進められるため、その間に売上代金を回収したり、ほかの支出に充てたりできます。
掛け払いには、売り手側にとって以下のようなデメリット・リスクが生じます。
メリットとデメリットの両方を踏まえたうえで、掛け払いの有用性や運用方法を検討することが大切です。
掛け払いには、代金を回収できないリスクがあります。商品やサービスを先に提供し、代金を後から受け取る仕組みだからです。たとえば、取引先の経営が悪化して入金が遅れたり、倒産によって回収そのものが難しくなったりする場合があります。
代金を回収できなければ、売上として計上していても手元の資金は増えず、自社の資金繰りを圧迫しかねません。
掛け払いを導入すると、取引先ごとの与信管理業務が発生します。掛け払いは、代金をあとから受け取る仕組みになっているため、相手に支払い能力があるかを先に確認する必要があるからです。
具体的には、取引先の財務状況の確認、取引限度額(与信枠)の設定などの作業が生じます。取引先が増えるほど与信管理の手間も比例して増えるため、あらかじめ運用体制を整えておくことが重要です。
ここでは、掛け払いの導入方法を以下の2パターンに分けて解説します。
自社で掛け払いを運用する場合、与信から入金確認までの一連の業務に対応する必要があります。掛け払いに伴って発生する主な業務は、次のとおりです。
取引先が増えるほど業務量も増えていくため、与信調査や請求書の発行などに関して、あらかじめ運用フローを整えておくことが重要です。
掛け払いを導入する際は、代行サービスを利用するのもひとつの方法です。与信審査から請求書の発行、代金回収、督促まで専門業者に任せられます。
掛け払い代行サービスを利用すれば、請求業務の負担を減らせるほか、代金保証が付帯している場合は未回収リスクも抑えられます。
利用開始までの一般的な流れは、次のとおりです。
なお、代行サービスの対応範囲や利用条件は業者によって異なります。複数のサービスを比較して、自社に適したものを選択してください。
掛け払いで請求書を発行する場合は、インボイス制度への対応も確認しておく必要があります。原則として、買い手が消費税の仕入税額控除を受けるには、帳簿と適格請求書(インボイス)などを保存する必要があるためです。
売り手が適格請求書発行事業者である場合は、請求書に登録番号や適用税率、税率ごとに区分した消費税額などの必要事項を記載します。
なお、インボイス制度への対応が必要になるかどうかは、掛け払いという決済方法そのものではなく、取引内容や買い手側の仕入税額控除の要件によって異なります。
インボイス制度に対応した請求書のテンプレートは、以下のページからダウンロードできるため、実務にお役立てください。
最後に、掛け払いに関するよくある質問に回答します。
掛け払いは、主に企業間取引(BtoB)で使われる言葉です。「月末締め・翌月払い」といったように支払いサイクルが定められています。
一方、後払いは主に個人向け(BtoC)の取引で使われる言葉です。取引ごとに支払い期日を設定する点が掛け払いとの大きな違いといえます。
掛け払いを導入する際は、代金の未回収に備えることが重要です。主な対策は次のとおりです。
自社での管理が難しい場合は、代行サービスを利用することも検討しましょう。
掛け払いは決済方法、売掛金は勘定科目を指す点が異なります。掛け払いは代金を後日まとめて支払う仕組みそのものであり、売掛金はその代金を後日受け取る権利を表す会計上の科目です。
たとえば、商品を掛けで販売すると、取引の形態は掛け払い、帳簿上に計上するのは売掛金となります。
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掛け払いは、商品やサービスを先に提供し、あらかじめ定めた期日までに代金を支払ってもらう仕組みです。請求・入金管理業務の効率化をはじめとしたメリットがある一方、代金未回収のリスクにも注意しておく必要があります。掛け払いを導入する際は、取引規模や社内体制に応じて、代行サービスの利用も検討するとよいでしょう。
掛け払いをはじめとした経理業務の効率化については、以下の資料もご確認ください。