更新日:2026.10.15

ー 目次 ー
営業利益とは、企業が本業によって得た利益を示す指標です。本業の収益性を把握するうえで重要ですが、損益計算書には複数の利益があるため、それぞれの違いや見方を正しく理解する必要があります。
本記事では、営業利益の意味や計算方法、売上総利益・経常利益・当期純利益などとの違いをわかりやすく解説します。
売上高営業利益率の計算・活用方法や営業利益を増やす方法、見る際のポイントも紹介するので、自社の収益性を分析する際の参考にしてください。
営業利益とは、企業が本業によって得た利益を示す指標です。売上高から売上原価を差し引いた売上総利益(粗利)から、販売費及び一般管理費を差し引いて算出します。
売上高から商品の仕入れや製造などにかかる売上原価を差し引き、さらに営業・管理部門の人件費や広告宣伝費、オフィスの賃料などの販売費及び一般管理費を差し引くため、本業でどの程度利益を生み出せているのかを把握できます。
営業利益は損益計算書(P/L)に記載される5つの利益の一つで、企業の本業における収益性を判断するうえで重要な指標です。
関連記事:販売費及び一般管理費(販管費)とは?売上原価との違いや内訳、削減方法をわかりやすく解説
損益計算書とは?見方や5つの利益・経営分析のポイントをわかりやすく解説
営業利益は、売上高から売上原価と販売費及び一般管理費を差し引いて計算します。計算式は以下のとおりです。
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営業利益=売上高-売上原価-販売費及び一般管理費 |
また、売上高から売上原価を差し引いた金額が売上総利益(粗利)であるため、以下の計算式でも求められます。
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営業利益=売上総利益(粗利)-販売費及び一般管理費 |
たとえば、売上高が1,000万円、売上原価が600万円、販売費及び一般管理費が300万円の場合、売上総利益は400万円、営業利益は100万円です。
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1,000万円-600万円-300万円=100万円 |
このように、売上原価だけでなく、商品・サービスの販売や企業運営にかかる費用まで差し引くことで、本業から得られた利益を算出できます。
関連記事:売上高とは?売上・年商・利益との違いと計算方法をわかりやすく解説
損益計算書には営業利益以外にも複数の利益があり、それぞれ計算に含める収益や費用、読み取れる内容が異なります。
営業利益との主な違いは以下のとおりです。
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利益の種類 |
計算式 |
主にわかること |
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売上総利益 |
売上高-売上原価 |
商品・サービス自体の収益性 |
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営業利益 |
売上総利益-販売費及び一般管理費 |
本業全体の収益性 |
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経常利益 |
営業利益+営業外収益-営業外費用 |
通常の企業活動全体の収益性 |
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税引前当期純利益 |
経常利益+特別利益-特別損失 |
税金控除前の最終的な利益 |
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当期純利益 |
税引前当期純利益-法人税等 |
最終的に残った利益 |
それぞれの違いを理解すると、企業がどの段階で利益を生み出しているのか、反対にどの費用が利益を圧迫しているのかを把握しやすくなります。ここでは、営業利益と各利益の違いを解説します。
営業利益と売上総利益(粗利)の違いは、販売費及び一般管理費を差し引いているかどうかです。
売上総利益は売上高から売上原価を差し引いて算出するのに対し、営業利益は売上総利益からさらに販売費及び一般管理費を差し引いて算出します。
それぞれの計算式は以下のとおりです。
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利益の種類 |
計算式 |
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売上総利益 |
売上高-売上原価 |
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営業利益 |
売上総利益-販売費及び一般管理費 |
売上総利益からは商品・サービス自体の収益性、営業利益からは人件費や広告宣伝費なども含めた本業全体の収益性を確認できます。そのため、粗利が十分にあっても販管費が大きければ、営業利益は少なくなる場合があります。
営業利益と経常利益の違いは、営業外収益・営業外費用を含めるかどうかです。営業利益が本業から得た利益を示すのに対し、経常利益は本業以外の経常的な損益まで反映した利益のことを指します。
経常利益の計算式は以下のとおりです。
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経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用 |
営業外収益には受取利息や受取配当金など、営業外費用には借入金の支払利息などが含まれます。そのため、営業利益が高くても支払利息などの負担が大きければ、経常利益は営業利益より少なくなることがあります。
営業利益と税引前当期純利益の違いは、本業以外の経常的な損益や、一時的・臨時的な損益まで反映しているかどうかです。
営業利益は本業による利益ですが、税引前当期純利益は経常利益に特別利益・特別損失を反映して算出します。
税引前当期純利益の計算式は以下のとおりです。
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税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失 |
特別利益・特別損失には、固定資産の売却などによって発生する臨時的な損益が含まれます。そのため、本業が好調で営業利益が出ていても、大きな特別損失が発生すれば税引前当期純利益は減少する可能性があります。
両者を比較すると、本業以外の要因が当期の利益に与えた影響を確認することが可能です。
営業利益と当期純利益の違いは、営業外損益や特別損益、法人税等を反映しているかどうかです。営業利益が本業で生み出した利益を示すのに対し、当期純利益はこれらをすべて反映した最終的な利益を示します。
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当期純利益=税引前当期純利益-法人税等 |
営業利益が高くても、支払利息や特別損失などが大きければ、最終的な当期純利益は少なくなる場合があります。反対に、本業以外から大きな利益が生じれば、当期純利益が営業利益を上回ることもあります。
営業利益を確認すると、企業が本業でどの程度利益を生み出せているのかだけでなく、コストの状況や収益性の変化も把握できます。
主にわかることは、以下の2つです。
営業利益を売上高や売上総利益、各種費用などとあわせて確認することで、本業の収益構造や経営上の課題を分析しやすくなります。
営業利益を確認すると、企業が本業によって利益を生み出せているかを把握できます。営業利益は、売上高から売上原価や販売費及び一般管理費を差し引いた利益であり、商品・サービスの販売や提供によって得た収益性を示すものです。
営業利益がプラスであれば、基本的には本業から得た収益で原価や事業運営にかかる費用をまかない、利益を確保できていることを示します。一方、マイナスであれば本業で営業損失が発生している状態です。
営業利益を見ることで、売上原価や販売費及び一般管理費が利益を圧迫していないかを分析できます。売上高が増えていても、それ以上に原価や販管費が増加すれば、営業利益が減少する可能性があるためです。
たとえば、売上総利益は十分に確保できているのに営業利益が少ない場合、人件費や広告宣伝費、賃料などの販管費が大きくなっている可能性があります。一方、売上総利益の段階から少ない場合は、仕入価格や製造コスト、販売価格などを確認する必要があります。
売上高から営業利益までの各項目を順に確認すると、どのコストが利益に影響しているのかを把握しやすくなるでしょう。
売上高営業利益率とは、売上高に対して営業利益をどの程度確保できているかを示す指標です。本業の収益性や、売上から効率よく利益を生み出せているかを判断する際に用いられます。
売上高営業利益率について、以下の2つに分けて解説します。
営業利益の金額だけでは、売上規模が異なる企業同士の収益性を比較しにくいため、売上高営業利益率もあわせて確認することが重要です。計算方法と経営分析での活用方法を見ていきましょう。
売上高営業利益率の計算式は以下のとおりです。
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売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100 |
たとえば、売上高が1,000万円、営業利益が100万円の場合、売上高営業利益率は10%です。これは、売上高100円あたり10円の営業利益を生み出していることを意味します。
営業利益の金額だけでは、売上規模が異なる企業同士の収益性を単純に比較できません。そこで、売上高営業利益率を確認することで、売上規模を踏まえて本業からどの程度効率よく利益を生み出しているのかを把握できます。
売上高営業利益率は、自社の収益性の推移を把握したり、同業他社と比較したりする際に活用できます。
たとえば、売上高が増えていても売上高営業利益率が低下している場合、売上原価や人件費、広告宣伝費などの増加によって、本業の収益性が低下している可能性があります。反対に、利益率が上昇していれば、価格の見直しやコスト削減などによって収益性が改善している可能性があるでしょう。
ただし、適正な水準は業種や企業規模によって異なるため、一律の基準で判断しないことが重要です。
営業利益を増やすには、売上高を伸ばすだけでなく、売上原価や販売費及び一般管理費を適切に管理することが重要です。主な方法は以下の3つです。
自社の営業利益が伸び悩んでいる原因を分析し、売上・原価・販管費のうち、改善余地の大きい部分から取り組みましょう。それぞれの方法を詳しく解説します。
営業利益を増やす方法のひとつは、売上原価や販管費の増加を抑えながら売上高を伸ばすことです。
売上高を増やすには、新規顧客の獲得や既存顧客のリピート率向上、商品・サービスの単価の見直しなどが考えられます。また、利益率の高い商品・サービスの販売を強化する方法も有効です。
施策を実施する際は売上高だけを目標にせず、追加で発生する広告宣伝費や人件費なども考慮し、営業利益がどの程度増えるのかを確認しましょう。
売上原価を抑えることも、営業利益を増やす方法のひとつです。売上高が変わらなくても、商品の仕入れや製造にかかるコストを削減できれば、売上総利益が増え、営業利益の改善につながります。
具体的には、仕入先や仕入価格の見直し、発注量・在庫量の適正化、製造工程の効率化、材料の廃棄やロスの削減などが挙げられます。商品・サービスごとの原価や粗利を把握し、コストが高くなっている部分を特定することも重要です。
ただし、過度な原価削減は品質低下につながる可能性があるため、顧客満足度への影響も考慮しながら取り組みましょう。
販売費及び一般管理費を見直すことで、売上総利益を変えずに営業利益を増やせる可能性があります。販管費には、人件費や広告宣伝費、賃料、通信費など、販売活動や企業運営にかかるさまざまな費用が含まれます。
たとえば、利用していないサービスや重複する契約の解約、業務フローの効率化、広告施策ごとの費用対効果の検証などを検討しましょう。単に支出額の大きい費用を削減するのではなく、効果に対してコストが見合っているかを確認することが大切です。
営業利益から本業の収益性を正しく判断するには、金額だけを見るのではなく、複数の視点から分析することが重要です。特に、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
営業利益の変化や売上高との関係などを確認することで、本業の収益性や経営上の課題をより正確に把握できます。
営業利益を見る際は、金額だけでなく売上高営業利益率もあわせて確認することが大切です。営業利益の金額だけでは、売上規模に対して効率よく利益を生み出せているかを判断しにくいためです。
たとえば、営業利益が前期より増えていても、それ以上に売上高が増加していれば、売上高営業利益率は低下している場合があります。この場合、利益額は増えていても、本業の収益性は低下している可能性があります。
営業利益の金額と売上高営業利益率の両方を確認し、利益の規模だけでなく、売上高に対する収益性も分析しましょう。
営業利益は単年度の数値だけで判断せず、複数年度の推移を確認することが重要です。一時的な売上の増減や原材料価格、人件費、広告宣伝費などの変化によって、特定の年度だけ営業利益が大きく変動する場合があります。
たとえば、営業利益が継続的に増加していれば、本業の収益力が高まっている可能性があります。一方、減少傾向にある場合は、売上高の減少や売上原価・販管費の増加などが影響している可能性も考えられるでしょう。
複数年度の売上高や費用もあわせて比較し、営業利益が変化した原因まで確認することが大切です。
営業利益や売上高営業利益率を評価する際は、同業種・同規模の企業と比較することが大切です。業種や企業規模によって、売上原価や人件費などの費用構造や一般的な利益率が異なるためです。
たとえば、売上高営業利益率が低く見えても、その業種では一般的な水準である可能性があります。反対に、自社では十分な利益率だと考えていても、同業他社と比べると収益性が低い場合もあります。
業界平均や事業内容・規模が近い企業と比較することで、自社の本業における収益性の強みや課題を把握しやすくなるでしょう。
営業利益に関してよくある質問に回答します。
経常利益と営業利益のどちらか一方が重要というわけではなく、確認する目的によって異なります。
営業利益は本業の収益性、経常利益は本業に加えて受取利息や支払利息などを含む経常的な収益性を示します。本業の稼ぐ力を見る場合は営業利益、企業全体の経常的な収益力を見る場合は経常利益を確認しましょう。
営業利益がマイナスの場合、本業で営業損失が発生している状態です。
売上総利益で販売費及び一般管理費をまかなえていないため、売上高の減少や売上原価・販管費の増加など、原因を確認する必要があります。特に営業損失が継続している場合は、収益構造の見直しが重要です。
一般的には、営業利益率が高いほど本業の収益性が高いと判断できます。
ただし、適正な水準は業種や企業規模によって異なるため、数値の高さだけで判断するのは適切ではありません。自社の過去の推移や、同業種・同規模の企業と比較して評価することが大切です。
営業利益とは、売上高から売上原価と販売費及び一般管理費を差し引いた、本業によって得た利益です。企業が商品・サービスの販売を通じて、どの程度利益を生み出せているのかを把握する重要な指標です。
営業利益を分析する際は、金額だけでなく売上高営業利益率や複数年度の推移、同業種・同規模の企業との比較なども行いましょう。
また、営業利益を改善するには、売上を伸ばすだけでなく、売上原価や販売費及び一般管理費などのコストを適切に見直すことも重要です。
コスト削減に取り組む企業の実態や課題について詳しく知りたい方は、以下の資料をぜひご活用ください。