更新日:2026.10.19

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請求書払いとは、商品やサービスの提供後、請求書に記載された期日までに代金を支払う決済方法です。主に企業間取引で利用されており、掛け払いや後払いとも呼ばれます。
請求書払いは取引ごとの決済をまとめられる一方、未入金や支払い忘れのリスクがあるため、適切な管理が必要です。
本記事では、請求書払いの仕組みや取引の流れ、掛け払いとの違い、主な支払い方法を解説します。請求する側・支払う側それぞれのメリット・デメリットや導入時の注意点も紹介します。
請求書払いとは、商品やサービスの提供後に売り手が請求書を発行し、買い手が記載された期日までに代金を支払う決済方法です。主に企業間取引で利用され、継続的な仕入れや業務委託などで採用されています。
たとえば、「月末締め・翌月末払い」の場合、売り手は1か月分の取引を月末に集計して請求書を発行します。買い手は請求内容を確認し、翌月末までに銀行振込や口座振替などで代金を支払います。
取引のたびに精算する必要がなく、一定期間の取引をまとめて処理できる点が特徴です。ただし、請求書の発行から入金までに時間が空くため、売り手は未入金、買い手は支払い忘れに注意する必要があります。
請求書払いと関連する言葉には、掛け払い・後払い・都度払い・前払いがあります。それぞれ着目する点が異なるため、次のように整理できます。
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支払い方法 |
概要 |
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掛け払い |
信用をもとに代金を後日精算する取引 |
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後払い |
商品・サービスの提供後に支払う方法の総称 |
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都度払い |
取引のたびに代金を精算する方法 |
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前払い |
商品・サービスの提供前に支払う方法 |
それぞれの違いを詳しく確認しましょう。
請求書払いと掛け払いは、企業間取引ではほぼ同じ意味で使われます。ただし、請求書払いが「請求書に基づいて支払う方法」に着目した言葉であるのに対し、掛け払いは「商品やサービスを先に受け取り、信用をもとに代金を後日支払う取引」を指します。
掛け払いでは、「月末締め・翌月末払い」などの条件を設定し、一定期間の取引をまとめて請求するのが一般的です。その際に発行された請求書をもとに支払う方法が、請求書払いにあたります。
関連記事:掛け払いとは?仕組みや後払いとの違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説
後払いとは、商品やサービスの提供を受けたあとに代金を支払う方法の総称です。請求書払いも後払いの一種ですが、必ずしもすべての後払いで請求書が使用されるわけではありません。
また、請求書払いは主に企業間取引で使われるのに対し、後払いは企業間取引だけでなく、個人向け通販の後払い決済などでも使われます。後払いのほうが、請求書払いよりも広い範囲を指す言葉といえます。
都度払いとは、一定期間の取引をまとめず、取引のたびに代金を精算する方法です。
請求書払いでは複数の取引をまとめて請求することが多いため、請求・支払業務の回数を減らせます。一方、都度払いは取引ごとに精算するため、未精算の取引を残しにくい点が特徴です。
なお、都度払いは精算の頻度を表す言葉です。取引ごとに請求書を発行して後払いする場合もあるため、請求書払いと完全に対立する概念ではありません。
前払いとは、商品やサービスの提供を受ける前に、代金の一部または全部を支払う方法です。提供後に支払う請求書払いとは、支払いのタイミングが異なります。
前払いでは、売り手が代金を先に受け取れるため、未回収リスクを抑えられます。一方、買い手には、代金を支払ったあとに商品が届かない、または予定どおりサービスを受けられないリスクがあります。
新規取引や高額な受注生産品では、代金の全額を前払いとするほか、一部を前受金として先に受け取り、残額を納品後に請求する方法もあります。
請求書払いでは、商品やサービスの提供後に請求書を発行し、買い手が指定された期日までに代金を支払います。
一般的な取引の流れは次のとおりです。
継続的な取引では、「月末締め・翌月末払い」などの条件を設定し、一定期間の取引をまとめて請求することが一般的です。
たとえば、4月1日から4月30日までの取引を4月末に締め、5月31日を支払期日とする場合、買い手は5月末までに代金を支払います。
ただし、実際の支払条件は契約によって異なります。請求する側・支払う側の双方が締め日と支払期日を把握し、請求漏れや支払い遅延を防ぐことが重要です。
請求書払いの支払手段には、銀行振込や口座振替、クレジットカードなどがあります。
支払方法によって、手続きの手間や手数料、資金が引き落とされるタイミングが異なります。主な3つの方法を確認しましょう。
銀行振込は、請求書に記載された振込先口座へ代金を送金する方法です。
買い手は請求金額や支払期日を確認し、インターネットバンキングなどから振り込みます。企業間取引で広く利用されており、取引先が指定する口座へ直接支払える点が特徴です。
ただし、振込手数料がかかる場合があります。また、振込先の誤入力や支払い忘れを防ぐため、請求内容の確認や承認手続きを適切に行うことが重要です。
口座振替は、あらかじめ登録した銀行口座から、指定日に代金が自動で引き落とされる方法です。
買い手が請求書を受け取るたびに振込手続きを行う必要がないため、継続的な取引での支払い管理を効率化できます。
ただし、利用開始には口座登録などの手続きが必要です。また、引落日に口座残高が不足していると決済できない場合があるため、事前に資金を確保しておく必要があります。
請求書払いでは、クレジットカードを利用できる場合もあります。
売り手がカード決済に対応している場合は、指定された方法で決済します。対応していない場合でも、請求書カード払いサービスを利用して支払えることがあります。
請求書カード払いは、買い手がサービス提供会社にカードで支払い、サービス提供会社が取引先に銀行振込する仕組みです。
買い手はカードの引落日まで資金の支払いを繰り延べられます。ただし、サービス利用手数料が発生するため、資金繰りへの効果とコストを比較して利用を判断しましょう。
請求書払いには、請求業務や支払業務を効率化できるメリットがあります。
ただし、請求する側と支払う側では、得られるメリットが異なります。それぞれの立場から確認しましょう。
請求する側のメリットは、複数の取引をまとめて請求できるため、経理業務の負担を減らせることです。
たとえば、同じ取引先と1か月に10回取引する場合、都度払いでは取引ごとに精算処理が必要になります。一方、月末締めの請求書払いであれば、10回分の代金をまとめて請求できます。
請求書の発行や入金確認をまとめて行えるため、経理担当者の業務効率化につながります。また、後払いに対応することで、買い手が取引しやすくなる可能性もあります。
支払う側のメリットは、支払業務をまとめられることと、支払期日までの期間に資金を確保できることです。
取引ごとに代金を支払う必要がなく、一定期間の請求をまとめて処理できるため、振込作業や承認手続きの負担を減らせます。
また、商品やサービスの提供後に代金を支払うため、支払期日まで資金を手元に残せます。ただし、支払期日には代金を用意する必要があるため、資金繰りの管理が重要です。
請求書払いには、代金の未回収や支払い忘れなどのリスクがあります。
取引から代金の回収までに時間差が生じるため、請求する側・支払う側の双方が適切に管理しなければなりません。
請求する側のデメリットは、代金を回収できないリスクがあることです。
請求書払いでは、商品やサービスを先に提供するため、取引先の資金不足や経営悪化によって入金が遅れる可能性があります。未入金が長期化すると、自社の資金繰りにも影響します。
また、取引先ごとの支払期日や入金状況を管理する業務も必要です。
未回収リスクを抑えるには、取引開始前の与信確認や取引限度額の設定、定期的な入金確認などを行いましょう。
支払う側のデメリットは、請求書の確認や支払期日を管理する必要があることです。
複数の取引先から請求書を受け取る場合、請求金額や支払期日、振込先などを確認し、それぞれの期限までに支払わなければなりません
支払いを忘れると、取引先との信頼関係が悪化するおそれがあります。また、支払いが特定の時期に集中すると、一時的に資金が不足する可能性もあります。
支払予定表や会計システムなどを活用し、請求書の受領から支払いまでを一元管理することが大切です。
請求書払いを導入する際は、未回収や支払い遅延を防ぐための管理体制を整えることが重要です。
特に、次の3点を確認しましょう。
請求書払いを始める際は、取引先に代金を支払う能力があるか確認することが重要です。
新規取引先の場合は、企業情報や財務状況、過去の取引実績などを可能な範囲で確認しましょう。取引額に応じて与信限度額を設定する方法もあります。
ただし、与信審査によってすべての未回収リスクを防げるわけではありません。取引開始後も、入金状況などを定期的に確認することが大切です。
請求書払いでは、取引開始前に締め日や支払期日、支払方法などを明確にしておきましょう。
主に確認したい項目は次のとおりです。
たとえば、「月末締め・翌月末払い」と定めておけば、請求対象となる期間と支払期限を双方で把握しやすくなります。
なお、取引内容によっては、法令で支払期日に関するルールが定められています。
たとえば、2026年1月に施行された中小受託取引適正化法(取適法)では、対象取引について、物品等の受領日から60日以内のできる限り短い期間内に支払期日を定める必要があります。フリーランス法でも、対象となる業務委託について、原則として給付を受領した日から60日以内に報酬を支払う義務があります。
支払条件を設定する際は、契約内容だけでなく、適用される法令も確認しましょう。
請求書払いを円滑に運用するには、請求書の発行から入金確認までを適切に管理する必要があります。
請求する側は、請求書の発行漏れや請求金額の誤りを防ぎ、支払期日までに入金されたか確認しましょう。
また、支払う側は、請求書の受領・承認・支払い状況を管理し、支払い漏れや二重払いを防ぐことが重要です。
請求書の件数が多い場合は、請求書管理システムや会計システムを活用することで、確認・承認作業や入金消込などの効率化につながります。
スマホ決済アプリにも「請求書払い」と呼ばれる機能があります。
これは、公共料金や税金などの払込票に印刷されたバーコード・QRコードを読み取り、アプリから支払う方法です。企業間取引で利用される請求書払いとは意味が異なります。
たとえば、PayPay・d払い・au PAY・楽天ペイなどのアプリでは、対応する払込票を使って支払える場合があります。
ただし、すべての払込票に対応しているわけではありません。利用するアプリや請求元によって、対象となる料金や支払方法が異なります。
また、スマホ決済では紙の領収書が発行されない場合があるため、必要な方は支払う前に請求元へ確認しましょう。
ここでは、請求書払いに関してよくある質問に回答します。
請求書払いと銀行振込は同じ意味ではありません。
請求書払いは、請求書に基づいて代金を後払いする決済方法です。一方、銀行振込は、指定された銀行口座へお金を送金する支払手段を指します。
請求書払いでは銀行振込が広く利用されていますが、契約やサービスによっては口座振替やクレジットカードを利用できる場合もあります。
請求書払いの支払期限を過ぎた場合は、速やかに取引先へ連絡し、支払いについて相談しましょう。
支払いが遅れると、契約内容や法令に応じて遅延損害金が発生する場合があります。また、取引の停止や今後の取引条件の変更につながる可能性もあります。
支払期日を過ぎたことに気づいた場合は、放置せず、支払い予定日を含めて取引先に連絡することが重要です。
請求書払いは、個人事業主でも利用できます。
法人間の取引だけでなく、法人と個人事業主の取引や、個人事業主同士の取引でも採用される決済方法です。
ただし、請求書払いを利用できるかどうかは、取引相手の方針や契約条件によって異なります。
特に新規取引では、与信確認や支払条件の取り決めが必要になる場合があるため、事前に確認しましょう。
請求書払いとは、商品やサービスの提供後、請求書に基づいて代金を後払いする決済方法です。主に企業間取引で利用され、銀行振込や口座振替などで支払います。
請求書払いには、請求・支払業務をまとめて効率化できるメリットがあります。一方、未回収や支払い忘れのリスクがあるため、与信確認や支払期日、入金状況の管理が重要です。
請求書払いを円滑に運用するためには、請求書の発行から入金確認までの業務を整備しましょう。
請求書発行や支払い管理の業務を効率化したい方は、以下の資料もご確認ください。