更新日:2026.09.29

ー 目次 ー
仕訳帳とは、日々の取引を発生した順番に仕訳の形で記録する帳簿です。簿記の主要簿のひとつですが、同じ主要簿である総勘定元帳との違いがわかりにくい方もいるでしょう。
この記事では、仕訳帳の意味や総勘定元帳との違い、記載項目、書き方・記入例、作成・保存義務についてわかりやすく解説します。
仕訳帳の基本を理解し、日々の取引を正しく記帳できるようになりたい方はぜひ参考にしてください。
仕訳帳とは、企業や個人事業主が行った取引を、発生した順番に仕訳の形式で記録する帳簿です。
仕訳帳と総勘定元帳は、簿記における「主要簿」に分類されます。仕訳帳では取引を時系列で確認でき、総勘定元帳では勘定科目ごとの増減や残高を確認できます。
仕訳とは、取引の内容を適切な勘定科目に分類し、借方と貸方に分けて金額を記録することです。たとえば、現金3,000円で事務用品を購入した場合は、次のように仕訳します。
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借方 |
貸方 |
||
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消耗品費 |
3,000円 |
現金 |
3,000円 |
仕訳帳の主な役割は、以下のとおりです。
仕訳帳を確認すると、「いつ、どのような取引を、どの勘定科目で処理したか」を追跡できます。決算や税務申告の基礎となるため、取引内容を正確に記録することが重要です。
仕訳帳と総勘定元帳は、どちらも主要簿ですが、取引を整理する視点が異なります。
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比較項目 |
仕訳帳 |
総勘定元帳 |
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主な目的 |
取引の発生日と内容を確認する |
科目ごとの増減と残高を確認する |
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記載内容 |
・借方・貸方の科目、金額、摘要など |
相手科目、借方・貸方金額、残高など |
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確認できること |
いつ、どのような取引があったか |
特定の科目がどのように増減したか |
仕訳帳はすべての取引を時系列で記録します。一方、総勘定元帳は、仕訳帳に記録した取引を現金、売上、仕入、消耗品費などの勘定科目ごとに整理する帳簿です。
仕訳帳と総勘定元帳は、次の流れで連動します。
たとえば、「消耗品費3,000円/現金3,000円」という仕訳は、総勘定元帳の消耗品費と現金の両方へ転記します。
会計ソフトでは、一度仕訳を入力すると、仕訳帳と総勘定元帳へ自動的に反映されるのが一般的です。
関連記事:総勘定元帳とは?仕訳帳との違い・書き方・保存期間をわかりやすく解説
仕訳帳には決められた様式はありませんが、一般的には以下の項目を記載します。
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記載項目 |
内容 |
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日付 |
取引が発生した年月日 |
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借方勘定科目 |
借方に記録する勘定科目 |
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借方金額 |
借方へ記録する金額 |
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貸方勘定科目 |
貸方に記録する勘定科目 |
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貸方金額 |
貸方へ記録する金額 |
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摘要 |
取引先、取引内容、支払目的など |
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元丁 |
転記先となる総勘定元帳のページや番号 |
元丁(もとちょう)は、主に手書きの帳簿で総勘定元帳への転記先を示すために使用します。会計ソフトでは、元丁が画面に表示されない場合もあります。
仕訳帳を作成するときは、取引内容を確認し、適切な勘定科目へ分類したうえで借方と貸方に記録します。
「4月1日に事務用品を現金3,000円で購入した」という取引を例に、記入方法を確認します。
記入する流れは、以下のとおりです。
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日付 |
摘要 |
借方科目 |
借方金額 |
貸方科目 |
貸方科目 |
|
4月1日 |
事務用品の購入 |
消耗品費 |
3,000円 |
現金 |
3,000円 |
複式簿記では、借方金額と貸方金額が必ず一致します。複数の勘定科目を使う複合仕訳でも、借方と貸方の合計額が一致しているか確認しましょう。
仕訳帳を正確に作成するために、次の点に注意しましょう。
特に、現金取引は預金取引のように金融機関の履歴が残らないため、記帳漏れが起こりやすくなります。領収書と現金出納帳、仕訳帳の内容を定期的に照合しましょう。
関連記事:【記入例あり】現金出納帳の書き方|記載項目・仕訳例・残高が合わない時の対処法
仕訳帳が必要かどうかは、法人・個人事業主の区分や申告方法によって異なります。
法人や正規の簿記で記帳する青色申告者では仕訳帳が用いられますが、白色申告者などは仕訳帳の形式で作成することが一律に求められているわけではありません。
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事業者の区分 |
仕訳帳の取り扱い |
主な保存期間 |
|
法人 |
帳簿の一つとして作成・保存する |
原則7年 |
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55万円・65万円の青色申告特別控除を受ける個人事業主 |
正規の簿記による記帳が必要 |
7年 |
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10万円の青色申告特別控除を受ける個人事業主 |
簡易な記帳も認められる |
原則7年 |
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白色申告の個人事業主 |
簡易な帳簿でもよく、仕訳帳は一律に必須ではない |
法定帳簿は7年 |
法人は、取引を記録した帳簿を備え付け、原則として確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する必要があります。一定の欠損金額や災害損失金額が生じた事業年度では、保存期間が10年になる場合があります。
個人事業主が55万円・65万円の青色申告特別控除を受けるには、正規の簿記の原則に沿った記帳が必要です。
一方、青色申告10万円控除や白色申告では簡易な方法による記帳も認められており、仕訳帳の形式が一律に求められるわけではありません。
仕訳帳は、手書きだけでなく、Excelなどの表計算ソフトや会計ソフトでも作成できます。
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作成方法 |
メリット |
デメリット |
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手書き |
導入費用が少なく、操作を覚える必要がない |
集計や転記に手間がかかる |
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Excel |
自社に合った形式へ調整しやすい |
数式の破損や入力・転記ミスが起こる可能性がある |
|
会計ソフト |
元帳への転記や集計を自動化できる |
利用料金や初期設定が必要になる |
Excelで仕訳帳を作成する場合は、あらかじめ次の列を設けたテンプレートを用意します。
勘定科目をプルダウンから選択できるようにしたり、借方・貸方の合計額を数式で確認したりすると、入力ミスを防ぎやすくなります。
一方、行の削除や数式の上書きによって記録が失われる可能性もあるため、入力ルールを定め、定期的にバックアップを取りましょう。
Excelで作成した仕訳帳を紙に出力せず、法定帳簿として電子データのまま保存する場合は、電子帳簿保存法の保存要件を確認する必要があります。
会計ソフトで仕訳帳を作成する場合は、取引を一度入力すれば、仕訳帳や総勘定元帳、試算表などへ自動的に反映できます。
銀行口座やクレジットカードとの連携に対応したソフトでは、取引明細を取り込み、仕訳候補を自動作成することも可能です。転記や集計の手間を減らせるため、取引量が多い事業者や記帳作業に負担を感じている場合に適しています。
ただし、自動作成された仕訳が必ず正しいとは限りません。勘定科目や税区分、取引日などを確認してから登録しましょう。
ここでは、仕訳帳と総勘定元帳の違いや、仕訳帳の作成義務・記載項目など、仕訳帳についてよくある疑問に回答します。
仕訳帳は、取引を発生した順番に記録する帳簿です。一方、総勘定元帳は、仕訳帳の内容を勘定科目ごとに整理し、科目ごとの増減や残高を確認するために使用します。
法人には帳簿を備え付け、取引を記録・保存する義務があり、仕訳帳はその代表例です。
個人事業主にも記帳・保存義務がありますが、仕訳帳が必要かどうかは申告方法などによって異なります。55万円・65万円の青色申告特別控除を受ける場合は、一般的に複式簿記による記帳が必要です。
一般的には、取引日、借方・貸方の勘定科目と金額、摘要などを記入します。手書きの帳簿では、総勘定元帳への転記先を示す元丁を記載する場合もあります。
仕訳帳とは、日々の取引を発生順に仕訳の形で記録する帳簿です。取引を勘定科目ごとに整理する総勘定元帳とは役割が異なり、両者は連動して使用されます。
仕訳帳を作成するときは、取引日、借方・貸方の勘定科目と金額、摘要などを正確に記録し、領収書や請求書などの証憑と照合することが大切です。
Excelによる管理に負担を感じる場合は、仕訳帳や総勘定元帳を自動作成できる会計ソフトの活用も検討しましょう。
日々の仕訳・記帳を効率化したい方は、以下の資料もご確認ください。