更新日:2026.09.28

ー 目次 ー
記帳代行とは、日々の取引を帳簿に記録する業務を、専門業者や税理士などへ委託するサービスです。経理担当者の確保が難しい中小企業や個人事業主にとって、経理業務の負担を軽減する選択肢となります。
この記事では、記帳代行の業務内容や経理代行との違い、依頼先、料金相場、メリット・デメリット、税理士法上の注意点までわかりやすく解説します。
記帳代行とは、領収書や請求書、通帳の明細などをもとに取引を仕訳し、会計ソフトや帳簿へ記録する業務を外部へ委託するサービスです。
経理担当者を雇用するほどの業務量ではない場合や、経営者・担当者が記帳に時間を取られている場合などに活用されています。
記帳代行へ依頼できる主な業務は、以下のとおりです。
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業務 |
主な内容 |
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証憑の管理 |
領収書・請求書などを日付や取引内容ごとに整理する |
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仕訳入力 |
取引内容に応じて勘定科目や金額を記録する |
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会計ソフトへの入力 |
指定された会計ソフトへ仕訳データを登録する |
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帳簿の作成 |
仕訳帳や総勘定元帳などを作成する |
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試算表の作成 |
入力したデータをもとに月次試算表などを作成する |
対応範囲は依頼先やプランによって異なります。証憑の整理を含まない場合や、試算表の作成がオプションになっている場合もあるため、契約前に確認しましょう。
記帳代行では、取引内容を確認できる次のような資料を依頼先へ共有します。
紙の資料を郵送する方法のほか、スキャンデータやクラウドストレージ、会計ソフトの連携機能などを使って共有する方法があります。
記帳代行と経理代行の違いは、主に対応する業務範囲です。
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比較項目 |
記帳代行 |
経理代行 |
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主な業務 |
仕訳・帳簿作成 |
経理業務全般 |
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業務例 |
・証憑整理 ・仕訳入力 ・帳簿作成 |
・記帳 ・請求書発行 ・経費精算 ・入出金管理 ・給与計算など |
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向いているケース |
記帳作業だけを外注したい |
経理部門の業務をまとめて外注したい |
記帳代行は、日々の取引を帳簿へ記録する業務が中心です。一方、経理代行は、記帳に加えて請求書発行や経費精算、支払管理などを含むサービスとして使われるのが一般的です。
ただし、サービス名や対応範囲に統一された定義はありません。同じ経理代行でも、給与計算や振込まで対応する場合と、記帳に近い業務だけを扱う場合があります。名称だけで判断せず、委託する業務を明確にすることが大切です。
関連記事:経理の仕事内容を一覧で解説|日次・月次・年次業務と年間スケジュール
記帳代行の主な依頼先には、記帳代行専門業者と税理士事務所・税理士法人があります。
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依頼先 |
特徴 |
向いているケース |
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記帳代行専門業者 |
記帳業務に特化したサービスが多い |
記帳作業を中心に外注したい |
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税理士事務所・税理士法人 |
税務申告や税務相談まで依頼できる |
記帳から決算・申告までまとめて任せたい |
記帳代行専門業者は、証憑の整理や仕訳入力、帳簿作成などに特化しています。取引件数に応じた料金プランを設けている場合があり、記帳作業だけを外注したい企業に向いています。
ただし、記帳代行専門業者が税務相談や税務申告まで対応できるとは限りません。必要な場合は、提携税理士の有無や業務の分担を確認しましょう。
税理士事務所や税理士法人では、サービス内容に応じて、記帳代行に加えて決算書・税務申告書の作成や税務相談なども依頼できます。
記帳から決算・申告までを一貫して任せたい場合に適していますが、決算や税務申告、税務相談まで依頼すると、記帳代行だけを依頼する場合より費用が増える可能性がある点に注意が必要です。また、記帳代行が税務顧問契約のオプションとして提供されているケースもあります。
記帳代行の料金は、月間の仕訳数や資料の状態、依頼する業務範囲によって異なります。料金を比較するときは、月額だけでなく、基本料金に含まれる作業も確認することが重要です。
記帳代行の月額料金は次の範囲が目安です。
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月間の仕訳数 |
月額料金の目安 |
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50程度 |
5,500~18,700円程度 |
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100程度 |
8,800~28,600円程度 |
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200程度 |
17,600~51,700円程度 |
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300程度 |
26,400円~ |
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500以上 |
個別見積もりとなる場合がある |
※料金はすべて税込です。
上記は、2026年9月時点で公開されている複数の記帳代行サービスの料金を参考にした目安です。実際の料金は、仕訳数、資料の状態、納期、依頼内容などによって異なります。
料金に影響する主な要因は、以下のとおりです。
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要因 |
高くなりやすいケース |
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仕訳数 |
毎月の取引件数が多い |
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資料の状態 |
紙の領収書を未整理のまま渡す |
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納期 |
短期間での入力・納品を依頼する |
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業務範囲 |
証憑整理や試算表作成なども依頼する |
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取引内容 |
海外取引、部門別管理、製造原価計算などがある |
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会計ソフト |
指定ソフトへの入力や初期設定が必要 |
見積もりを依頼する際は、月間の仕訳数だけでなく、資料の形式や希望納期、必要な成果物まで伝えましょう。
記帳代行を利用すると、経理業務の負担を軽減できる一方、費用や情報共有などの面で注意点も生じます。メリットとデメリットの両方を理解したうえで、利用を検討することが大切です。
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メリット |
デメリット |
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・記帳にかかる時間を削減できる ・経理実務の知識・経験を活用できる ・経理担当者の採用・教育負担を抑えられる ・経理業務の属人化を防ぎやすい |
・継続的に外注費が発生する ・社内に経理ノウハウが蓄積しにくい ・情報共有に時間がかかる場合がある ・機密情報を外部に共有する必要がある |
記帳代行を利用する主なメリットは、以下のとおりです。
領収書の整理や仕訳入力を外部へ任せることで、経営者や担当者は本業や優先度の高い業務に時間を充てられます。また、経理実務の経験を持つ事業者へ依頼すれば、入力ミスの抑制や処理品質の安定も期待できます。
自社で経理担当者を採用・教育する負担を軽減できるため、経理業務の量が限られている中小企業や個人事業主にも適しています。
記帳代行を利用する際に注意したいデメリットは、以下のとおりです。
記帳業務をすべて外部へ任せると、仕訳や帳簿作成に関する知識が社内に残りにくくなります。また、資料の提出や確認に時間がかかると、最新の経営数値を把握できる時期が遅れる可能性もあります。
依頼前に料金体系や納品頻度、情報管理体制を確認し、自社に残す業務と外部へ委託する業務を明確にしておきましょう。
記帳代行を依頼する際は、料金だけでなく、業務範囲や納期、情報管理体制なども確認することが重要です。契約前に確認したい主な項目は、以下のとおりです。
これらの条件が曖昧なまま契約すると、追加料金や納期、対応範囲をめぐるトラブルにつながる可能性があります。
自社が依頼したい業務を事前に整理し、複数の事業者から見積もりを取ったうえで、料金とサービス内容の両面から依頼先を選びましょう。
関連記事:【2026年度版】会計ソフト比較一覧|企業規模別の違いと失敗しない選び方【請求書処理まで解説】
領収書や請求書をもとに仕訳を入力し、会計帳簿を作成する記帳代行そのものに、税理士資格は必須ではありません。
一方、次の業務は税理士の独占業務です。
一般の記帳代行業者が顧客に代わって税務申告書を作成したり、個別の事情に基づいて具体的な税務相談へ回答したりすることはできません。税務相談や申告まで依頼したい場合は、税理士・税理士法人などが対応するサービスかを確認しましょう。
ここでは、記帳代行で依頼できる業務の範囲や料金、必要な資格など、記帳代行についてよくある疑問に回答します。
一般的に、記帳代行には、証憑の整理、仕訳入力、会計ソフトへの登録、帳簿作成などを依頼できます。
試算表作成や経費精算、請求書発行などは、依頼先やプランによって対応が異なります。契約前に、基本料金に含まれる業務と追加料金が必要な業務を確認しましょう。
月額料金は仕訳数や資料の状態によって異なります。目安として、月50仕訳程度で5,500~18,700円程度、100仕訳程度で8,800~28,600円程度です。
紙の証憑整理や短納期での対応などを依頼すると、追加料金が発生する場合があります。
記帳作業そのものに必須の資格はありません。ただし、税務代理、税務書類の作成、税務相談は税理士の独占業務です。
記帳だけでなく税務申告や税務相談も依頼したい場合は、税理士資格の有無や提携先を確認しましょう。
記帳代行とは、領収書や請求書などをもとに仕訳を行い、会計帳簿へ記録する業務を外部へ委託するサービスです。記帳作業が中心の記帳代行に対し、経理代行は請求書発行や経費精算など、より広い業務を扱う傾向があります。
依頼先や料金を比較するときは、仕訳数だけでなく、資料整理や試算表作成などが基本料金に含まれているかを確認しましょう。税務相談や申告まで依頼する場合は、税理士などの有資格者が対応するかどうかも重要です。
記帳代行の検討とあわせて、日々の請求書発行・経費管理を効率化したい方は、以下の資料もあわせてご覧ください。