更新日:2026.01.21

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毎月、数十枚から数百枚にも及ぶ請求書の受領・確認・手入力・個別振込といった煩雑な業務に、多くの時間を費やしていませんか。こうした業務負荷は、経理担当者の残業増加やコア業務への集中を妨げるだけでなく、支払遅延やキャッシュフロー悪化といったリスクにもつながります。
こうした状況を背景に、近年「請求書カード払い」や「一括請求サービス」を導入する企業が増えています。しかし、どちらも支払業務を効率化できる一方で、仕組みや適した企業像は大きく異なり、「自社にはどちらが合っているのか分からない」と悩むケースも少なくありません。
本記事では、請求書カード払いと一括請求サービスの仕組み・メリット・違いを整理したうえで、自社にとって最適な選択ができるポイントを解説します。あわせて、導入によって得られる業務効率化やコスト面の効果、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応といった実務上の観点についても詳しく紹介します。
こんな方にオススメ
この記事を読むと···
請求書カード払いは、企業間の取引で発生した請求書の支払いを、銀行振込ではなくクレジットカードで行えるようにする仕組みです。支払企業がカード決済を選択すると、サービス提供会社が取引先への支払いを一時的に立て替え、後日カード会社を通じて精算されます。これにより、現金や振込手続きに頼らず、資金繰りの柔軟化や経理業務の効率化が期待できます。
この章では、請求書カード払いの基本的な仕組みや特徴、資金繰りへの効果、さらには取引先がカードに非対応の場合でも利用できる点や、振込作業や日々の実務におけるメリットまで、順を追って解説します。
請求書カード払い(BIPS:Business Invoice Payment Service)は、企業間の取引で発行された請求書に対し、支払い側がクレジットカードで決済を申し込むと、サービス提供会社がその金額を一時的に立て替えて取引先へ銀行振込を行う仕組みです。バイヤー側はカード決済手段を活用できるため、現金や銀行振込の制約から解放され、決済方法の選択肢が広がります。

また、支払データが一元管理できることから、管理面の簡素化や明細の可視化も進みます。BIPS事業者を介することで、取引先に新規のカード加盟店手続きを求める必要がない点も特徴です。
請求書カード払いの最大のメリットは、資金繰りの改善です。たとえば、クレジットカードの締め日から実際の引き落とし日までの期間を活用することで、最長で約2か月間、実際の資金流出を遅らせることが可能です。これにより、通常の請求書払いよりも支払いタイミングをさらに後ろにずらすことができ、資金繰りの余裕を持たせやすくなります。
運転資金の流動性を高めたい企業や、支払いタイミングを柔軟にコントロールしたい場合に有効な選択肢となります。
請求書カード払いは、取引先がカード決済に対応していなくても利用できる点が大きな利点です。これは、サービス提供会社が支払企業に代わって取引先へ銀行振込を実施するため、取引先側で新たにカード決済の仕組みを導入したり、システムを変更したりする必要がないからです。
従来はカード決済ができなかった取引先との支払いも、カード払いのメリットを享受しながら実現可能です。
請求書カード払いを導入することで、従来必要だった銀行振込の手続きを大幅に減らすことができ、経理担当者の作業負担を実感できるほど軽くできます。
たとえば、複数の取引先ごとに個別の振込処理や入金確認を行う必要がなくなり、カード会社への支払いに一本化できます。これにより支払処理の工数削減や、伝票の作成・承認フローの簡素化につながり、個別の振込漏れや入力ミスといったヒューマンエラーの発生を抑えやすくなります。
加えて、支払履歴がカード明細として自動で整理されるため、証憑管理や監査対応の業務も効率的に進行します。
一括請求サービスは、交通費、通信費、水道光熱費など複数の拠点や取引先から発生する請求書を、ひとつにまとめて処理するための仕組みです。毎月バラバラに届く請求書や領収書の確認、支払い、仕訳、保存といった一連の経理業務は、拠点や取引先が多い企業ほど負担が増大します。
こうした煩雑な作業を一元化し、経理担当者の手間やヒューマンエラーのリスクを減らすために、一括請求サービスの導入が進んでいます。この章では、一括請求サービスの基本的な仕組みと、経費精算・業務効率化のポイント、さらに実際に導入した場合の実務上のメリットについて詳しく解説します。
一括請求サービスの大きな特徴は、企業とサービス事業者が包括契約を結び、毎月発生する複数の請求書を1枚にまとめて発行・支払う点です。従来は各拠点や取引先ごとに個別の請求書が発行されていたため、受領・確認・仕訳・支払い・保存のそれぞれの作業が重複し、工数が膨らむ傾向にありました。
一括請求サービスを利用すると、こうした業務が月1回の電子請求書で集約されます。部署や拠点単位で集計データの出力や、利用状況の把握も可能となり、請求管理の標準化と効率化が同時に実現します。
さらに電子化による証憑の標準化や内部統制、監査対応のしやすさも大きな利点です。
請求書の枚数が多い企業にとって、一括請求サービスの効果は特に大きく現れます。請求書や領収書の内容確認から支払依頼書の作成、承認、支払いまでの一連の流れが大幅に簡略化されるため、締め日前の作業集中や差戻し対応に追われることも減ります。
また、電子請求書の発行によって紙の管理が不要になり、証憑不備や紛失のリスクも抑制されます。部署ごとのコスト配賦や利用実績の集計もデータ連携で自動化され、会計システムとの連動も容易です。
結果として、経費精算フロー全体の工数削減と業務の品質向上が期待できます。
一括請求サービスを導入した企業では、請求書枚数や支払回数が減るだけでなく、承認フローや会計システムへの連携もスムーズになります。例えば、タクシー経費精算の現場では、請求書や領収書の管理にかかる工数が従来の8割削減できたという事例も存在します。
通信費や水道光熱費の一括管理も同様に、拠点ごとに届く請求書を1枚にまとめることで、作業負担やヒューマンエラーが減り、支払漏れを防止できた声もあります。
さらに、電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しやすくなるため、法令対応の負担も軽くなります。こうした実務上のメリットは、コスト削減や本来業務への集中時間創出に直結します。
請求処理の効率化を考える際、「請求書カード払い」と「一括請求サービス」のどちらを選ぶべきかは、企業が抱える課題や目的によって大きく異なります。両者は似ているようで役割や利用シーンに違いがあり、それぞれに最適な活用方法があります。
ここでは、サービス選定の基準や目的別のポイント、選択時の注意事項、事前準備として整理しておくべき項目について整理します。自社の請求処理の現状や、資金繰り・工数削減のどちらを重視したいかに応じて最適な選択ができるよう、比較検討のヒントをまとめます。
「請求書カード払い」は、支払日をカードの締め日や引き落とし日まで後ろ倒しできるため、最大で約2か月分の支払猶予を得られる点が特徴です。資金繰りの改善を最優先したい場合や、支払履歴を一元管理したい企業に向いています。
たとえば、スタートアップや資金繰りに一定の余裕を持たせたい中小企業では、この仕組みを活用することで現預金の流出タイミングを調整しやすくなります。
一方、「一括請求サービス」は、毎月拠点や取引先ごとにバラバラに届く請求書を1枚にまとめ、支払いや仕訳、保存などの手間を大幅に削減できるのが最大のメリットです。請求書の枚数や処理回数が多い企業、特に通信費・水道光熱費といった毎月発生する科目が多拠点で発生する場合は、業務負担軽減やヒューマンエラー防止につながります。
経費精算業務の標準化や電子帳簿保存法・インボイス制度への対応も進めたい場合に適しています。
サービス選定時には、それぞれの仕組みによる制約や対象範囲にも注意が必要です。請求書カード払いでは、カードの利用限度額に上限が設定されており、一定金額を超えると利用が制限されるため、支払総額が大きい場合は事前に限度額の確認が重要です。
また、一括請求サービスは科目ごとに対象が限定される傾向があり、通信費や水道光熱費、交通費など毎月発生する特定の費用が主な対象となります。自社の請求内容や支払先の業種・規模に合わせて、どちらのサービスが実務に適しているかを見極めることが大切です。
請求書カード払いと一括請求サービスの主な違いをまとめたのでご参考ください。
| 観点 | 請求書カード払い | 一括請求サービス |
| 主目的 | 支払サイト延長・資金繰り改善/振込作業削減 | 請求書枚数削減・支払処理の一本化/管理標準化 |
| 対象 | 銀行振込指定の請求書(サービスにより条件差) | 通信費・公共料金・回線料金など"分散しがちな請求"が中心 |
| 資金繰り効果 | 最大~60日程度の後ろ倒しが可能とされる | 目的は工数削減が中心 |
| 制約 | カード限度額に依存・締日で支払日が変動 | 対象費目が限定される場合あり(交通費・通信・公共など) |
| 経理効果 | 明細で支払履歴を一元化しやすい | 請求データ提供・仕訳自動化等の機能をうたう例あり |
最適なサービスを選ぶためには、事前に自社の請求業務の現状を整理する作業が欠かせません。具体的には、「請求の多い費用項目」「毎月届く請求書の枚数」「現状のキャッシュフローや支払サイクル」などを把握しておくことで、どちらのサービスが自社の課題解決に直結するか判断しやすくなります。
請求書の受領・保存方法や、会計システムとの連携状況も確認しておくと、導入時のスムーズな移行や効率化の度合いをより明確にイメージできます。目的や利用用途を明確にしたうえで、サービス事業者に相談することが成功への第一歩となります。
経理業務の効率化や資金繰りの改善を目指す企業にとって、どの支払サービスを選択するかは大きなテーマです。請求書カード払いと一括請求サービスは、それぞれ異なる特長とメリットがあり、導入の目的や業務フローによって適した選択が変わります。
ここでは両サービスの代表的な事例を紹介し、実際の導入イメージを具体的につかんでいただけるよう構成しました。なお、通信費や水道光熱費をはじめとする請求書処理の煩雑さや、支払遅延のリスク、部門別の経費集計などの課題を感じている場合、各サービスの導入がどのような解決策となるかを理解できる内容となっています。
自社の課題や目的を明確にしたうえで、次のアクションとしてサービス提供会社への相談や資料請求を検討する際の判断材料としてご活用ください。
請求書カード払いサービスは、企業が受け取った請求書の支払いを、従来の銀行振込ではなくクレジットカード決済で完了できるようにするサービスです。代表的なサービスとして、SBペイメントサービスの「SBPS請求書カード払い」や、マネーフォワードの「マネーフォワード 請求書カード払い」、デジタルガレージの「DGFT請求書カード払い」などがあります。
これらのサービスは、最大60日程度の支払猶予を設けることで資金繰りの改善に寄与し、取引先がカード決済に対応していなくても利用できるのが特長です。利用者は請求書情報とカード情報を入力するだけで支払いが完了するため、銀行での振込作業が不要となり、手間の削減が期待できます。
カード会社の締め日と引落日まで実際の支払いを繰り延べできるため、キャッシュフローの調整を重視する企業に向いています。サービスごとに手数料や利用上限額、セキュリティ機能が異なるため、導入前には各社の詳細を比較検討すると良いでしょう。
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サービス名
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提供会社 |
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SBペイメントサービス
(ソフトバンクグループ) |
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マネーフォワード
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DGフィナンシャルテクノロジー
(デジタルガレージG) |
一括請求サービスは、複数の取引先や拠点から届く請求書をまとめて受け取り、事業者が立替払いを行い、月に1度の請求書として企業に集約して請求する仕組みです。代表例としては、タクシー配車アプリの「GO BUSINESS」や、弊社が提供する通信費・水道光熱費の一括請求サービス「Gi通信」「One Voice公共」が挙げられます。
GO BUSINESSでは、タクシー利用に伴う領収書の収集や個別精算の手間が不要となり、利用実績も管理画面で一元管理できます。インボイス社のサービスでは、通信会社や電気・ガス・水道事業者からの請求書をまとめて電子化し、月1回の電子請求書で支払うことが可能です。
部門別の費用集計や管理会計の効率化も実現できるうえ、電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しています。実際に、請求書枚数の削減や支払回数の統一、業務工数の大幅な圧縮といった効果が、多拠点展開企業や公共料金の請求が多い業種で報告されています。日々の請求処理負担を減らし、法令対応や経費集計も効率化したい場合におすすめです。
通信費や水道・電気・ガスなど、毎月多くの請求書が発生する企業では、請求書の受領から支払い・保存までに膨大な手間とコストがかかっています。複数の拠点や部署を持つ場合、請求書がバラバラに届き、仕訳や部門別配賦、経費集計といった業務の煩雑さが大きな課題となります。このような背景から、一括請求サービスは請求書の統合や支払業務の効率化、法令対応の強化といった点で注目されています。
ここでは、インボイスが提供する通信費・水道光熱費の一括請求サービスの仕組みと具体的なメリットについて詳しく解説します。
インボイスの一括請求サービスは、通信会社や電気・ガス・水道事業者から届く請求書を一度インボイス社が受け取り、立替払いをしたうえで、利用企業ごとに、月に1回、まとめて電子請求書を発行する仕組みです。これにより、企業側が毎月対応していた複数枚の請求書処理が1通に集約され、支払いも月1回に統一されます。

また、部門や拠点ごとに利用量や明細をデータ化したファイルとして受け取ることができるため、部門別配賦や管理会計用の集計も容易になります。
さらに、法令対応面でも優れた特徴があり、インボイス制度に準拠した適格請求書や、電帳法に対応可能な電子請求書が発行されます。水道・電気・ガスの請求については、立替金精算書の形で対応されるため、監査や会計システムへの連動もスムーズです。
請求書の受領・開封・仕訳・支払い・保存といった一連の作業が効率化され、受領漏れや入力ミス、支払遅延といったリスクも低減され、多拠点展開企業にとっては、拠点ごとに届く紙や電子の請求書を一元管理できる点が、コスト削減や業務効率化に直結します。実際に導入した企業では、店舗単位の請求書仕分けや支払業務の工数が大幅に減少し、ペーパーレス化やヒューマンエラーの抑制にもつながっています。
このように、インボイスの一括請求サービスは、請求処理の標準化・効率化、法令対応の強化、管理コストの削減を実現し、多拠点企業の経理部門が直面する課題解決に貢献します。
通信費・水道光熱費をはじめ、約3,800の事業者からの請求書をまとめて管理でき、地方の水道局やプロパンガスなどにも対応しています。
さらに、国内の全ての通信事業者の請求書を一括管理できる点も特徴です。実際の導入にあたっては、申込後に請求書の送付先変更手続きなども代行されるため、導入の手間は大きくありません。
サービスを利用すると、支払方法や支払日が統一され、毎月1回の支払いで済みます。
紙や電子など様々な形式で届く請求書も、まとめて電子請求書に変換されるため、受領や管理の負担が軽減されます。
さらに、水道・電気・ガスの請求書原本が必要な場合でも、利用者向けの専用ポータルからダウンロードが可能です。
また、請求書や利用明細もすべてデータ化されるため、管理台帳や費用集計も効率よく行えます。
部門別や用途別に配賦されたデータをCSVやExcelで受け取れるため、会計システムへのインポートもスムーズです。
電子請求書にはタイムスタンプも付与でき、電子帳簿保存法の要件にも対応しています。
インボイス制度にも準拠しており、通信費は適格請求書、水道光熱費の請求は立替金精算書として発行され、法令対応の確認作業も一括して管理できます。
これにより、経理担当者の負担軽減と法令遵守の両立が実現します。
請求書カード払いと一括請求サービスは、ともに支払業務の効率化や資金繰り改善を実現できる手段ですが、目的や自社の課題によって選ぶ基準が異なります。請求書カード払いは、カード決済を活用することで実質的な支払期日の繰り延べが可能となり、資金繰りに課題を感じている場合に適しています。一方、一括請求サービスは、拠点や部署ごとにバラバラに届く請求書や領収書をまとめて処理できるため、請求書の枚数や処理工数削減、ペーパーレス化を重視したい企業に最適です。
特に通信費や水道光熱費など、毎月大量の請求書が発生し、その都度の処理や管理が煩雑になりがちな場合、一括請求サービスの導入によって大幅な業務効率化とヒューマンエラーの削減が期待できます。実際に、多拠点展開企業や複数部門を持つ企業では、請求書処理の手間や支払漏れリスクが減り、経理・総務部門の負担軽減に大きく貢献しています。
どちらのサービスを選ぶべきか迷った際は、まず自社の請求内容を整理し、請求書の多い科目や枚数、現状の業務負担を明確に把握することが重要です。目的や課題感に合ったサービスを検討することで、最大限のメリットを享受できます。
もし通信費や水道光熱費の請求書が多く、管理や処理に課題を感じている場合は、月に1回の電子請求書で一元管理できる一括請求サービスの導入をおすすめします。業務効率化やコスト削減、法令対応までまとめて解決したい方は、ぜひ弊社へ一度ご相談ください。ご要望や現状のお悩みに合わせて、最適な解決策をご提案いたします。