更新日:2026.03.10

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企業活動を支えるバックオフィス部門において、昇給や昇格はどの程度実感されているのでしょうか。営業や開発のように成果が数値として可視化されやすい部門とは異なり、バックオフィスは組織運営を下支えする役割が中心となります。そのため、貢献度が評価にどのように反映されているのかについて、疑問や不安を抱く声も少なくありません。
では、バックオフィスの担当者は、いまの評価制度をどのように受け止めているのでしょうか。
本記事では、株式会社インボイスが発行する「バックオフィスの昇給と昇格に関する実態調査」(n=330)をもとに、昇給や昇格の状況についてご紹介します。
データから見えてきた現状を通じて、バックオフィスの評価のあり方を考える視点を整理します。
ここ1〜2年の年収変化についての調査では、「はっきり上がった」(9.0%)と「少し上がった」(48.3%)を合わせると、半数以上が昇給を実感している結果となりました。
一方で、「変わらない」(32.7%)と回答した層も約3割にのぼり、「下がった」(5.9%)という回答も少数ながら見られます。
昇給を実感している人が過半数を占めるものの、変化を感じていない層も一定数存在しており、バックオフィスにおける賃金の実感にはばらつきがあることがうかがえます。
【 Q ここ1〜2年で、年収が上がった実感はありますか? 】
年収が「はっきり上がった」「少し上がった」と回答した人に昇給額を尋ねたところ、「1〜3万円未満」(40.8%)が最も多く、「3〜10万円未満」(30.4%)が続きました。
また、「〜1万円未満」(12.0%)と「10万円以上」(12.0%)は同割合となっています。
昇給を実感している層の中では、「1〜3万円未満」が最多となりました。10万円未満の増額が大半を占めており、昇給額は比較的小幅なケースが中心であることがうかがえます。
【 Q 昇給の金額(年額ベース)を教えてください。 】
他部門(営業・開発など)と比較した自部門の評価水準については、「同程度」(45.5%)が最も多い結果となりました。
一方で、「やや低い」(24.0%)と「明らかに低い」(8.7%)を合わせると、低いと感じている層は3割を超えています。
また、「むしろ高い」(10.6%)と感じている層も少数ながら存在しています。
全体としては同程度と認識する声が多いものの、自部門の評価に課題を感じている層も少なくないことが分かります。
【 Q 他部門(営業・開発など)と比較して、自部門の評価水準(昇給含む)はどのように感じますか 】
これまでに昇格(役職が上がる/管理職になる)を経験したことがあるかについての調査では、「ある」(61.4%)が6割を超える結果となりました。一方で、「ない」(35.8%)は約3割強となっています。
バックオフィスにおいて昇格の機会自体は、経験したことのある層が多数派という結果となりました。一方で、3割以上が昇格を経験していないと回答しており、キャリアの進展には差がある状況が示されています。
【 Q これまでに昇格(役職が上がる/管理職になる)を経験したことはありますか? 】
最初の昇格までにかかった期間については、「1〜3年」(47.7%)が最も多く、次いで「4〜6年」(26.4%)、「7年以上」(17.3%)が続きました。
「1年未満」(6.6%)は少数にとどまり、短期間での昇格は限定的であることが分かります。
1〜3年が中心ではあるものの、4年以上を要した層も4割以上にのぼり、昇格までの道のりには企業や人によって差があることがうかがえます。
【 Q 昇格にかかった期間(最初の昇格まで)はどれくらいでしたか? 】
昇格に関する評価で軽視されていると感じた要素としては、「属人化している業務を回していること」(34.0%)が最も多い結果となりました。次いで「多部門とのやりとりの調整」(29.6%)、「メンバー育成」(28.3%)が挙げられました。
さらに、「日常業務の正確性/月次・決算の安定運用」(21.2%)、「情報管理・リスク対応」(20.9%)、「業務フローの改善」(16.8%)も2割前後を占めています。
組織運営を支える調整業務や属人的な対応、育成といった役割が、評価に十分反映されていないと感じる層が一定数存在していることが分かります。一方で、特に軽視を感じていない層も2割強を占めており、認識にはばらつきがある状況が示されています。
【 Q 昇格に関する評価で、「軽視されている」と感じた要素があれば教えてください。 】
今回の調査から、バックオフィスにおいて昇給や昇格の機会があると感じている層は、半数以上にのぼることが分かりました。
一方で、他部門と比べて自部門の評価が低いと感じている層も3割以上存在しており、この点は制度運用や情報共有のあり方を考えるうえで重要な示唆といえます。
また、評価において軽視されていると感じる業務として、属人化した業務の維持や他部門との調整、メンバー育成など、成果として可視化しにくい役割が挙げられました。組織運営に不可欠でありながら、評価に十分反映されにくい可能性がうかがえます。
賃金や役職の有無だけでなく、評価基準やプロセスがどれだけ共有されているかが、納得感を左右していると考えられます。バックオフィスの役割をどのように評価し、どのように可視化していくかは、今後の制度設計を検討するうえで重要な視点となるでしょう。
さらに、
・昇格に明確な評価基準やルールが設定されているか
・昇格・昇進に関して「今の会社でこれ以上は難しいかも」と感じているか
・昇格や昇給が"もっと見えるように"なるために、どのような情報や仕組みが求められているのか
など、より詳しい内容を掲載しています。調査結果を通じて、自社の評価制度を見直すヒントを得ていただければ幸いです。
ぜひダウンロードのうえ、ご確認ください。