更新日:2025.01.30
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現代では、多くの企業においてPCが必須のアイテムとなっていますが、導入にはかなりの費用がかかってしまいます。費用を抑えるには一括請求書払い(購入)とリースのどちらが有利といえるのでしょうか。
本記事では請求書払い(購入)やリース、レンタルの違いやメリット・デメリットのほか、新たな手法として注目されているPC-LCMなどについても説明します。
まずは以下でリース・レンタル・請求書払い(購入)の違いについて説明します。
リースとは、借り受ける側企業の要望をもとに提供元リース会社がPCを購入して借受企業へ提供するものです。PC自体の所有権はリース会社にありますがPC自体は借受側が管理する必要があり、メンテナンスの手間はかかります。
リースにあたっては、PCの購入価格にリース料率をかけた金額をリース期間の月数に振り分けます。これがリース料として毎月支払わなければならない金額です。契約終了後には返却や再契約、買取などを行います。期間は半年から10年と比較的長期です。
レンタルとリースはどのように違うのでしょうか。レンタルの場合、所有権はレンタル会社にあります。いくらレンタル期間が長くなっても、借受企業に所有権が移ることはなく、レンタル会社に保守修繕義務があります。
期間はリースと比べて短く、1日からのレンタルもあることが大きな違いです。
リースやレンタル、購入は会計上どのような違いがあるのでしょうか。それぞれについて説明します。
まず購入について説明します。PCを購入した場合、10万円未満ならば消耗品費として経費処理ができます。一方で、10万円以上の場合は資産として計上します。そして通常PCの場合は4年、サーバーの場合は5年の法定耐用期間で減価償却が行われます。
次にリースについてですが、リースは会計処理がやや複雑です。リースには「所有権移転ファイナンス・リース取引」「所有権移転外ファイナンス・リース取引」「オペレーティング・リース取引」と呼ばれる3つの取引があり、それぞれで会計処理が異なることが理由として挙げられます。
所有権移転ファイナンス・リース取引は、リース期間が終わると所有権が借り受ける企業へ移転するものです。この場合の会計処理は購入(10万円以上)の場合と同じで、導入時に資産として計上し、4年または5年で減価償却されます。
所有権移転外ファイナンス・リース取引は、リース期間が終わっても所有権は借受企業へ移転しないもので、リース取引といえば、この所有権移転外ファイナンス・リース取引が一般的です。導入時は所有権移転ファイナンス・リース取引と同じく資産として計上します。しかしその後は、リース期間定額法に従って償却します。所有権移転ファイナンス・リース取引の減価償却が法定耐用年数で行われるのに対して、リース期間定額法はリース期間に従って償却が行われます。
最後にオペレーティング・リース取引は、所有権移転ファイナンス・リース取引、所有権移転外ファイナンス・リース取引のどちらにも属さないもののことです。この場合は取引リース料として毎月経費処理します。
レンタルの場合は、オペレーティング・リース取引のように毎月のレンタル料を賃貸料で経費として計上します。
リースとレンタルは、どちらも物を借りて使うという点では同じですが、法律上は異なる扱いを受けます。主な違いは以下の点が挙げられます。
購入やリースなどのメリットとデメリットを説明します。
まず購入のメリットですが、調達費用がトータルでは安くなる点が挙げられます。リースでは購入費用にリース料率が上乗せされますし、レンタルはリースよりも高額です。そのため長期的に調達費用を考えると購入がもっとも安くなります。
デメリットとしては初期費用が必要なことです。とくに企業でまとまった台数を購入する場合は、かなりの金額が必要になってしまいます。
リースのメリットは、借受企業の希望するPCを新品で使えること、購入のような初期費用が不要であること、リース料が一定であることからランニングコストを把握しやすいことが挙げられます。
デメリットとしては、トータルでみると購入より高くなってしまうこと、中途解約ができないこと、保守修繕義務は借受側にあることなどです。
レンタルのメリットは短期で契約できることです。また、中途解約がいつでもできることや保守修繕義務がないことも挙げられます。
デメリットとしてはレンタル料がリース料と比べて割高になってしまうことです。また好きな機種を選べないことも挙げられます。借受側が希望する機能がレンタル会社のラインナップにない場合、レンタルを選べません。
PC-LCMのメリットは、IT運用という全体的な視点でみた場合の運用コストが削減できるという点です。とくに運用管理や保守修繕を任せられるというのは大きなメリットで、これにより予算や人材を本業に集中させることができます。
また、パソコンの設定を統一し、品質のばらつきを抑えることやPCやソフトを一括管理できるのも魅力です。廃棄時もデータ消去などをあわせて行ってくれますから、セキュリティ面からも安心できます。
一方で、デメリットとしては借受企業内にIT技術に関するノウハウが蓄積できないという点があります。
現代社会ではPCなどのIT機器は必須ですが、費用が高額になってしまうのがネックです。請求書払い(購入)やリースのメリット・デメリットをもとに、それぞれの企業に適した導入をすすめていってください。
またセキュリティ対策などが年々複雑化していることなどから、ITの運用管理が本業をひっ迫しているのも事実です。費用だけではなく、トータルで企業にとってメリットのある運用手法を考えなくてはならず、PC-LCMはそのための一手段として有効なものといえます。この記事を参考にしていただき、PC-LCMの導入などといったIT運用手法についてもあわせて考えてみてはいかがでしょうか。