更新日:2026.01.20

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経理担当者は「請求書処理」「経費精算」「支払業務」などの日常業務に加え、「月次決算」や「税務対応」など幅広いタスクを同時にこなしています。締め切りが設定されている場合が多く、日常的なスケジュール管理が欠かせません。
では、経理担当者は実際にどのくらいスケジュール管理を意識しているのでしょうか。
今回は、株式会社インボイスが発行する「経理はどうやってスケジュールを守っているのか?」(対象:441人)の調査レポートをもとに、経理担当者がどのようにスケジュールを管理し、どんな課題や負担を抱えているのかを詳しく見ていきます。本コラムを通して、経理のスケジュール管理のヒントを学んでいきましょう。
まず、経理担当者がどのような業務を日常的に抱えているのかについて調査を行いました。担当業務の幅広さは、スケジュール管理に影響する大きな要因のひとつです。
経理担当者が担当している業務で最も多かったのは「請求書処理」(56.1%)でした。次に多いのが「経費精算」(51.2%)、「支払業務」(50.7%)で、「仕訳」(50.0%)や「月次決算」(44.4%)を担当している人も半数近くいます。
こうした結果から、日常の事務作業から月次・年度の対応まで、幅広いタスクを同時に抱えていることがわかります。
さらに、「売上管理」(39.6%)や「監査対応」(23.5%)、「税務申告」(23.3%)など、他部署とのやり取りや外部との調整が必要な業務も少なくありません。
経理の仕事は単に数字を扱うだけではなく、調整力や計画性も求められていることがうかがえます。
このように多くの業務を並行して進めることが、経理担当者のスケジュールを圧迫する原因のひとつになっています。特に繁忙期は締め切りが重なりやすく、限られた時間の中で正確に処理するためには、優先順位のつけ方やタスク管理に工夫が必要になります。
【 Q ご担当の業務を教えてください 】
業務をスケジュール通りに進めることへの意識についての調査では、「非常に強い」(37.9%)と「やや強い」(30.3%)を合わせると約7割にのぼり、日々の業務を期日通りに終わらせようという姿勢が経理部門に定着していることがうかがえます。
7割近くがスケジュールを強く意識しないといけない状態で「普通」(27.7%)と回答した層も一定数存在し、業務の繁忙期や突発的な対応により、計画通りの進行が難しい現実も見えてきます。「あまりない」(2.4%)、「まったくない」(1.7%)はごくわずかで、全体として期日遵守への意識は非常に高いといえます。
この結果から、経理担当者は業務処理の正確性に加え、スケジュール管理力も重要なスキルとして重視していることが明らかです。効率化ツールや業務分担の工夫によって、さらなる時間最適化が求められているといえるでしょう。
【Q 経理業務において遅延することなくスケジュール通りに進めることを意識していますか?】
強いスケジュール管理意識の裏には心理的負担も存在します。スケジュール通りに業務が進まなかった際のストレスを尋ねた調査では、「非常にストレスを感じる」(39.5%)、「やや感じる」(40.6%)を合わせると約8割に達し、期日を守ることへのプレッシャーが日常的に存在していることがわかります。
一方で、「少し気になるが許容範囲」(16.7%)と回答した人も一定数おり、多少のズレには柔軟に対応している様子もうかがえます。「あまり気にしない」(2.8%)や「ズレること前提で組んでいる」(0.4%)は少数派で、全体として経理担当者は高い責任感をもって業務に臨んでいるといえます。
この結果から、経理業務は期日厳守の文化が根強く、少しの遅れでも心理的負担につながりやすい実態が見て取れます。今後は、スケジュール管理の自動化やチームでの分担強化により、精神的な余裕を生み出す仕組みづくりが求められるでしょう。
【 Q スケジュール通りに進まなかったとき、どれくらいのストレスを感じますか? 】
経理担当者のスケジュール管理方法についての調査では、いまだアナログ手法が多く使われていることがわかりました。「紙の手帳やカレンダー」が35.2%で最も多く、次いで「ExcelやGoogleスプレッドシート」(30.8%)が続いています。日々の業務を自分の手で整理し、柔軟に調整するスタイルが根強いようです。
また、「自分の頭の中/経験と感覚で進めている」(27.9%)という回答も多く、形式的なツールに頼らず、経験則でスケジュールを組む担当者も少なくありません。「Outlook/Googleカレンダーなどの予定表ツール」(24.5%)や「会計システム・タスク管理ツール(freee、マネーフォワードなど)」(14.8%)の利用も一定数見られますが、デジタル化が浸透していない現状が見て取れます。
さらに「特にない」(10.4%)という回答もあり、一部ではスケジュール管理そのものが明確に行われていないケースもあるようです。経理業務の精度と効率を高めるためには、ツールの活用や情報共有の仕組みづくりが、今後ますます重要な課題となるでしょう。
【 Q あなた自身は、経理業務のスケジュールをどのように管理していますか? 】
経理業務のチーム内でのスケジュール共有についての調査では、「共有していない/一部の人しか知らない」と答えた方が35.2%で最も多く、情報が個人や限られたメンバーにとどまっている現状が明らかになりました。チーム全体で統一されたスケジュール管理ができていないことが、業務の属人化や引き継ぎの難しさにつながる要因となっている可能性があります。
スケジュール共有の手段としては、「Excelやチェックリストを全体に共有している」(23.3%)、「OutlookやGoogleカレンダーで予定を登録している」(22.8%)、「月次ミーティング・朝会などで口頭で伝えている」(20.1%)などが挙げられ、各社で方法が分散していることがわかります。
一方で、「会計システム・ワークフローシステムに組み込んでいる」(18.4%)や「チャットやメールでその都度リマインドしている」(17.7%)といったデジタル連携も少しずつ進んでいます。しかし全体としては、共有の仕組みが統一されていないのが実情です。今後は、システム連携や自動通知の活用など、チーム全体でスケジュールを可視化する体制づくりが求められるでしょう。
【 Q 経理業務のスケジュールをチーム内や他部署・拠点に共有・発信する方法はなんですか? 】
スケジュール発信の責任者についての調査では、「明確な役割は決まっていない」と答えた方が36.4%と最も多く、責任者の不在が目立つ結果となりました。これは共有の遅れや情報の抜け漏れが発生しやすい体制であり、スケジュール管理の属人化が進むリスクがあります。
一方で、「経理部長・課長」(24.0%)や「各担当者が自律的に管理」(20.4%)といったケースもあり、組織ごとに運用体制に差があることがわかります。また、「締め管理の専門担当者がいる」(13.3%)というケースもあり、専任体制による精度向上が進んでいる企業も見られます。
「総務・本社が主導」(5.6%)は少数派であり、経理スケジュールの管理・発信は基本的に現場主導で行われているといえます。業務効率化やミス防止の観点からは、責任の所在を明確にし、全社的にスケジュールを可視化・共有できる仕組みを整えることが重要です。
【 Q スケジュールの「発信責任者」は誰になっていますか? 】
月次業務などのスケジュールで遅れが発生しやすい業務として最も多かったのは「請求書の受領」(30.8%)で、次いで「経費の集計・チェック」(30.6%)が続きました。いずれも他部署や取引先からのデータ提出が関わる工程であり、社内外の連携遅れがスケジュール全体に影響していることがうかがえます。
また、「仕訳の入力」(21.8%)や「拠点・部門からの情報収集」(21.8%)といった業務も遅延要因として挙げられており、入力作業や情報整理の負荷が高いことがわかります。「振込の承認」(10.0%)や「監査対応・資料提出」(9.7%)なども一定の遅延リスクを抱えており、承認フローや外部対応のスピードが課題といえます。
一方で「遅延が発生したことは無い」(28.9%)と答えた担当者も3割近く存在し、安定した運用体制を確立している企業も少なくありません。全体としては、他部署との連携が必要な工程や手作業の多い業務で遅延が起こりやすく、今後はデータ共有の迅速化とプロセスの自動化が鍵となりそうです。
【 Q 月次業務などのスケジュールで、遅れが発生しやすい業務はどこですか? 】
今回の調査から、経理担当者は日々の業務においてスケジュール管理を非常に意識している一方で、遅れが発生すると大きな心理的負担を感じることが明らかになりました。スケジュール管理の方法はまだアナログ中心で、チーム内や他部署への共有や発信責任者の明確化も十分とはいえないのが現状です。こうしたことから、経理業務には期日を守る文化が根付いている一方で、効率化や情報共有の仕組みには課題が残っていることがうかがえます。
今後は、スケジュール管理の自動化やデジタルツールの活用、業務分担の工夫によって、個人に負荷が集中しない体制を整えることが求められます。また、スケジュールの共有方法や発信責任者を明確にし、チーム全体で情報を可視化することで、突発的な対応や他部署との連携遅れにも柔軟に対応できる仕組みづくりが重要です。
まずは、スケジュールをチーム全体で見える化し、共有することが重要な第一歩となるでしょう。
さらに、
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