更新日:2026.08.24

ー 目次 ー
国債や社債を持っていても、決算のたびにすべてを時価へ評価し直すわけではありません。満期まで持ち切る前提で取得した債券は「満期保有目的債券」に区分され、期中に時価が上下しても、その変動を損益へ反映しないためです。
つまずきやすいのはその先です。額面1,000,000円の社債を980,000円で取得したとき、差額20,000円を取得時の利益にしてよいのか、満期まで放置してよいのか。ここで登場するのが償却原価法です。
本記事では、有価証券4区分での位置づけから、償却原価法の仕訳、期中取得の月割計算、貸借対照表の表示区分、減損の判定、会計と税務のズレまでを整理します。前半は仕訳の型、後半は決算・監査で問われる論点です。必要な見出しから読み進めてください。
満期保有目的債券とは、償還期限まで持ち続ける目的で保有する社債などの債券をいいます。判断のポイントは「満期保有」「取得時の判断」「償還債権」です。
満期保有目的に区分するには、償還期限まで保有し続けることが前提となります。
計上が認められないケースとしてこの2点です。
償還期限まで所有し続けるという意思と、それを実行できることが求められ、どちらか一方だけでは要件を満たしません。
保有期間の定め方として、漠然と「長期保有」とするだけでは足りず、取得日から償還期限までと明確に定めておくことが重要です。
満期保有目的への分類は、取得した時点でのみ決定できます。取得後に「今後は満期まで保有する」と社内で決議しても、さかのぼって区分を変えることはできません。時価が下がってから区分を変更し、評価損の計上を避けるような処理を防ぐためです。
なお、格付が極端に低い債券は、満期まで保有する方針を掲げていても償還前に売却する可能性が高いとみなされ、満期保有目的とは認められにくくなります。
満期保有目的債券は、満期と償還金額が定められているものが対象です。
株式には満期がないため、どれだけ長く持つ予定でも満期保有目的債券にはなりません。
逆に、債券であれば自動的に満期保有目的になるわけでもありません。同じ社債でも、短期売買で利益を狙うなら売買目的有価証券、いずれにも当てはまらないならその他有価証券として扱います。

有価証券は保有目的によって4つに区分され、決算時の評価方法が変わります。「何を持っているか」ではなく「なぜ持っているか」で処理が決まる点を押さえてください。
| 区分 | 主な保有目的 | 決算時の評価 | 評価差額の扱い |
|---|---|---|---|
| 売買目的有価証券 | 短期売買による利益獲得 | 時価 | 当期の損益に計上(翌期首に洗替え) |
| 満期保有目的債券 | 満期まで保有し元本と利息を受け取る | 取得原価。差額が金利調整と認められる場合は償却原価 | 時価変動による差額は認識しない |
| 子会社株式・関連会社株式 | 支配や影響力の行使 | 取得原価 | 時価評価しない |
| その他有価証券 | 上記以外(持合株式など) | 時価 | 純資産の部に「その他有価証券評価差額金」として計上 |
その他有価証券の評価差額は、全部純資産直入法によって純資産の部へ計上するのが原則です。評価差損だけを当期の損失とする部分純資産直入法も認められており、いずれの場合も税効果会計を適用します。
区分ごとの勘定科目や決算処理をまとめて確認したい方は、こちらもあわせてご覧ください。
参考:企業会計基準委員会(公益財団法人財務会計基準機構) 改正企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」等の公表
満期保有目的債券は、満期まで保有して償還金額と利息を受け取ることを目的とするため、原則として期末時価による評価替えを行いません。発行体が債務不履行に陥るなどの事情がない限り、保有期間中の市場価格の変動を毎期の損益には反映しないためです。
貸借対照表に計上する金額は、次のいずれかです。
つまり、額面金額と取得原価が同じ場合や、その差額が金利の調整と認められない場合は取得原価で評価します。一方、差額が金利の調整と認められる場合は、償却原価法を適用します。
ここでは、まず取得時に債券をいくらで計上するのかを確認します。
満期保有目的債券の取得価額は、購入代価に購入手数料などの付随費用を加えた金額です。額面金額1,000,000円の社債を980,000円で取得し、購入手数料が発生していない場合の仕訳は次のとおりです。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 満期保有目的債券 | 980,000円 | 普通預金 | 980,000円 |
額面金額と取得価額の差額20,000円を、取得時に利益として計上することはありません。差額が金利の調整と認められる場合は、償却原価法によって満期までの各期間に配分します。
また、購入手数料など取得に直接要した付随費用は取得価額に含めます。支払手数料として取得時に費用処理すると、取得価額が過少となり、その後の償却額の計算にも影響するため注意が必要です。
なお、前回の利払日から取得日までの経過利息を売主へ支払った場合、その金額は債券の取得価額に含めず、有価証券利息と区分して処理します。
満期保有目的債券の取得価額が額面金額と一致しない主な理由は、市場金利と表面利率(クーポン利率)の差にあります。固定利付債では、表面利率が一定であるため、市場金利との違いが購入価格に反映されます。
打歩取得は「うちぶしゅとく」と読みます。発行時に額面を超える価額で発行されるケースは「打歩発行」と呼ばれ、どちらも考え方は同じです。
なお、債券価格は市場金利だけで決まるものではなく、発行体の信用力、残存期間、流動性などの影響も受けます。

償却原価法を適用するのは、差額の性格が「金利の調整」と認められる場合に限られます。判断は次の3ステップで整理できます。
たとえば、信用力の低さを反映して大幅なディスカウントで取得した債券の差額は、金利調整差額とはいえません。この場合は償却原価法の対象外となります。
金利調整差額の考え方をもう少し詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
980,000円で購入し1,000,000円で償還される債券を例に考えてみます。差額は20,000円です。
投資の成果はクーポン利息だけではありません。差額20,000円も含めて初めて実際の利回りになります。
この20,000円は、実質的には保有期間を通じて稼いだ収益です。満期の1期だけに利益を集中させると、各期の損益が実態からかけ離れてしまいます。そこで差額を保有期間へ配分し、帳簿価額を満期時に額面と一致させる方法が償却原価法です。

償却原価法では、毎期の償却額を帳簿価額に加算(割引取得)または減算(打歩取得)していきます。売買目的有価証券のような洗替えは行いません。せっかく額面へ近づけた価額を翌期首に戻してしまっては、配分の意味がなくなるためです。
| 時点 | 当期償却額 | 期末帳簿価額 |
|---|---|---|
| 取得時 | - | 980,000円 |
| 1年目決算 | 4,000円 | 984,000円 |
| 2年目決算 | 4,000円 | 988,000円 |
| 3年目決算 | 4,000円 | 992,000円 |
| 4年目決算 | 4,000円 | 996,000円 |
| 5年目決算(満期) | 4,000円 | 1,000,000円 |
打歩取得の場合は逆方向に動きます。1,020,000円で取得したなら、毎期4,000円ずつ帳簿価額を減らし、満期時に1,000,000円へ着地させます。
なお上表は期首に取得した前提です。期中に取得した場合は月数按分が必要になります。
実際に仕訳にするとどうなるか見ていきましょう。
利息法では、実効利子率を使って実質的な利息収益を計算し、クーポン利息との差額を帳簿価額に加減します。
以下を前提にしたケースで見てみましょう。
利息収益と償却額はこうなります。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 60,000円 | 有価証券利息 | 69,350円 |
| 満期保有目的債券 | 9,350円 |
翌期は「950,000円+9,350円=959,350円」に実効利子率を掛けます。額面ではなく期首の帳簿価額に掛ける点が、最もつまずきやすいところです。利払いが年2回の場合は、実効利子率もクーポン利率も半期分に換算して計算します。
定額法は、償還期間まで毎期一定の金額で帳簿価格に反映させる方法です。
以下を前提にしたケースで見てみましょう。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 満期保有目的債券 | 4,000円 | 有価証券利息 | 4,000円 |
帳簿価額が980,000円から984,000円へ増え、同額の4,000円が当期の利息収益になります。クーポンを受け取ったときの仕訳は次のとおりです。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 20,000円 | 有価証券利息 | 20,000円 |
結果として、当期に認識する利息収益は24,000円(クーポン20,000円+償却額4,000円)となります。
同じ債券を1,020,000円で取得した場合は、仕訳の方向が逆になります。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 有価証券利息 | 4,000円 | 満期保有目的債券 | 4,000円 |
貸借を迷ったときは「帳簿価額を額面へ寄せる方向に動かす」と考えると間違えにくくなります。
定額法の償却額は、取得日から償還日までの月数で按分します。年割のまま計算すると、初年度の償却額を過大に計上してしまうため注意が必要です。
たとえば、期首から9か月経過した時点で取得した場合、初年度の償却額は次のように求めます。
20,000円 × 3か月 ÷ 60か月 = 1,000円
最終年度は端数を調整し、期末帳簿価額が額面と一致することを必ず確認してください。

会計基準上の原則は利息法ですが、継続して適用することを条件に、簡便法として定額法も認められています。実務では定額法を採用している企業が多く、それ自体が問題になるわけではありません。
| 項目 | 利息法 | 定額法 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 原則 | 容認(継続適用が条件) |
| 1期の計算方法 | 期首帳簿価額×実効利子率-クーポン利息 | (額面金額-取得価額)÷残存期間 ※期中取得は月割 |
| 処理のタイミング | 利払日ごと | 決算整理時 |
| 各期の償却額 | 毎期増加(割引取得の場合) | 毎期一定 |
| 実務上の負担 | 実効利子率の算定が必要なため重くなりがち | 表計算での管理が容易 |
いったん採用した方法は継続して適用します。期ごとに方法を変えると期間比較ができなくなるためです。
満期まで保有した場合、帳簿価額は額面と一致しているため、償還時に損益は生じません。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 1,000,000円 | 満期保有目的債券 | 1,000,000円 |
この「損益が出ない」状態が、償却原価法が正しく運用できた証拠となります。
ここからは、決算・監査対応を担う立場で確認しておきたい論点です。仕訳の型だけを確認したい方は、まとめまで読み飛ばしていただいても構いません。各項目の最後に「明日からできること」を添えたので、自社の状況確認にそのままお使いください。
満期保有目的に区分するには、満期まで保有する「意思」と「能力」の両方が必要です。決算・監査では、この2点を口頭ではなく書面で説明できる状態にしておくことが求められます。
次の書類に、取得日と「取得日から償還期限まで保有する」旨を明記しておきましょう。
あわせて、資金繰計画の面から満期まで保有し続けられるか、法令や契約上の制約がないかも確認します。近い将来に資金需要が見込まれる場合は、能力要件の観点から区分の妥当性を見直します。
保有する各銘柄について、取得目的を記した稟議・議事録が保存されているかを1銘柄ずつ確認し、不足分は取得時資料を早めに揃える。
正当な理由なく満期前に売却すると、その銘柄の損益処理だけでは終わりません。満期保有目的に分類した残りすべての債券について保有目的の変更があったものとみなされ、売買目的有価証券またはその他有価証券へ振り替える必要があります。
さらに、売却した事業年度とその翌事業年度の2事業年度は、新たに取得した債券を満期保有目的に分類できません。有価証券の保有額が大きい会社ほど、時価評価への切り替えによる損益・純資産への影響が大きくなります。
ただし、次のような場合はペナルティの対象外とされています。売却の前に、例外に当たるかを必ず確認しましょう。
判断に迷う場面では、売却を実行する前に監査法人や税理士へ相談しておくのが安全です。
期中に債券の売却・振替が発生していないかを確認し、該当があれば「残り全銘柄の振替」と「2年間の分類制限」に触れていないかを点検する。
決算では、当期の償却額と帳簿価額が計算表と一致しているか、そして貸借対照表の表示区分が正しいかを確認します。
まず、次の3点を計算表と突き合わせます。
次に、表示区分を見直します。表示は、決算日の翌日から満期までの期間で決まります。
帳簿上の勘定科目と決算書の表示科目は一致しないことがあり、取得から数年経った銘柄ほど組替えを見落としやすい箇所です。毎期、満期までの残存期間を確認して組み替えます。
保有銘柄の満期日を一覧化し、翌決算日から1年以内に満期が到来する銘柄を抽出して、流動資産への組替え候補として印を付ける。

満期保有目的債券は、原則として期末時価による評価替えを行いません。ただし、時価が著しく下落し、かつ回復する見込みがあると認められない場合は、減損処理が必要です。
この場合は時価を貸借対照表価額とし、帳簿価額との差額を当期の損失として処理します。
| 帳簿価額に対する時価の下落率 | 著しい下落の判定 | 実務対応 |
|---|---|---|
| おおむね30%未満 | 通常は「著しく下落した」とは判定しない | 原則として減損処理は不要。ただし、発行体の信用状態なども確認する |
| 30%以上50%未満 | 企業が設けた合理的な基準に基づき、「著しく下落した」かを判定する | 著しい下落に該当する場合は回復可能性を検討し、社内基準と判断根拠を文書化する |
| 50%程度以上 | 原則として「著しく下落した」と判定する | 回復する見込みがあることを示す合理的な根拠がなければ、減損処理を行う |
減損判定では、時価が下落した原因の確認が重要です。市場金利の上昇を主因とする下落は、満期までの期間や金利動向を踏まえて回復可能性を検討します。
一方、格付けの著しい低下や発行体の債務超過など、信用力の悪化を主因とする場合は、回復可能性をより慎重に判断します。
また、減損処理は切放しで行い、減損後の時価が翌期首の取得原価となります。あわせて減損処理後は償却原価法を適用しない点も押さえておきましょう。取得差額をもはや金利の調整とはみなせないためです。
期末時価が取得価額から30%以上下がっている銘柄がないかを確認し、該当があれば下落要因(金利か信用か)と回復可能性の検討メモを残す。
会計処理をそのまま税務に持ち込めるとは限りません。法人税では、各事業年度終了時に保有する有価証券のうち、その法人にとって償還期限と償還金額が確定しているものを「償還有価証券」として扱います。
償還金額と税務上の帳簿価額との差額は、調整差益または調整差損として各事業年度の益金または損金に算入します。そのため、会計上は利息法、税務上は定額法によって計算し、当期計上額が異なる場合は、その差額について申告調整が必要です。
会計上も定額法を採用すれば計算方法をそろえられ、申告調整や税効果会計に伴う実務負担を抑えやすくなります。
税務上は、コマーシャル・ペーパーや譲渡性預金証書も償還有価証券に含まれます。
確定した償還期限のない永久債は、原則として償還有価証券に該当しません。ただし、発行者による償還の可能性が極めて高く、償還時期と償還金額を合理的に予測できるものは例外です。
外貨建ての償還有価証券では、外国通貨表示で算出した調整差損益を円換算します。円換算に用いる為替相場は、税務上認められた方法のうち、企業が選択した方法を継続して適用する必要があります。
会計の償却方法(利息法か定額法か)を確認し、税務が定額法と異なる場合は、申告調整が必要な銘柄をリスト化しておく。
参考:
国税庁 法人税基本通達 2-1-32(償還有価証券に係る調整差損益の計上)・2-1-33(償還有価証券の範囲)
e-Gov法令検索 法人税法施行令(第139条の2 償還有価証券の調整差益又は調整差損の益金又は損金算入
満期保有目的債券は、仕訳だけでなく保有目的や減損判定、税務対応まで確認が必要です。決算前に次の項目をチェックしておくと、監査対応やレビュー時の指摘を防ぎやすくなります。
| 確認項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 保有目的と継続保有能力 | 取得時の稟議書や運用規程と整合しており、満期まで保有する意思と能力が維持されているか確認する。 |
| 金利調整差額の判定 | 取得価額と額面金額の差額が、金利調整差額として償却原価法の対象になるか確認する。 |
| 償却方法の継続適用 | 定額法または利息法について、前期と同じ方法を継続して適用しているか確認する。 |
| 期中取得・償還の計算 | 期中取得や期中償還がある場合、償却額を月割で正しく計算しているか確認する。 |
| 帳簿価額と利息収益 | 当期償却額、有価証券利息、期末帳簿価額が計算表と一致しているか照合する。 |
| 表示区分の見直し | 満期まで1年以内となった債券を流動資産へ組み替えているか確認する。 |
| 減損の要否 | 時価下落率や下落要因を確認し、減損の要否と判断根拠を記録しているか確認する。 |
| 税務対応 | 会計処理と税務処理の差異を確認し、必要な申告調整を行っているか確認する。 |
計算根拠が担当者個人の表計算ファイルにしかない状態は、引き継ぎのたびに処理がぶれる原因になります。
次の項目を台帳として整備しておくと、決算前のレビューを「銘柄ごとの確認」に固定できます。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 銘柄の基本情報 | 銘柄名/取得日/満期日/額面金額 |
| 取得時の情報 | 取得価額/付随費用/クーポン利率/利払日 |
| 償却の情報 | 償却方法/実効利子率/当期償却額/期末帳簿価額 |
| 決算・監査の情報 | 表示区分/期末時価/下落率/保有目的の根拠資料 |
金融資産の減損について、国際的な会計基準との整合性を図る観点から、企業会計基準委員会が2025年10月に公開草案を公表しています。この中では、満期保有目的の債券を予想信用損失モデルの対象とする方向で検討が進められています。
2026年8月時点では公開草案の段階であり、確定した基準ではありません。ただし、適用されれば債券の減損に関する実務は大きく変わります。今のうちから銘柄ごとの信用情報を台帳で管理しておくと、移行時の負担を抑えられるでしょう。
参考:企業会計基準委員会(公益財団法人財務会計基準機構) 企業会計基準公開草案第89号「金融商品に関する会計基準(案)」等の公表
原則として行いません。取得価額と額面の差額が金利調整と認められる場合に、償却原価法を適用するだけです。
ただし時価が著しく下落した場合の減損は、別途検討が必要になります。
決算日の翌日から満期までが1年以内なら流動資産の「有価証券」、1年超なら投資その他の資産の「投資有価証券」です。毎期見直してください。
原則は利息法ですが、継続して適用することを条件に定額法も認められています。期ごとに方法を変えることはできません。
満期保有目的債券は、途中で売らないことを前提とするため時価評価を行いません。区分を判定できるのは取得した時点だけで、後から変更することはできない点も重要です。
取得価額と額面金額に差額があり、それが金利の調整と認められる場合にだけ償却原価法を適用します。償却方法は原則が利息法、継続適用を条件に定額法も認められ、期中取得の年度は月割で計算します。
決算では、仕訳を切って終わりではありません。保有目的の証跡、中途売却時の確認、計算結果と表示区分、減損の検討、税務との差異という5つの確認が必要です。銘柄ごとの管理台帳とチェックリストを整えておけば、担当者が替わっても処理と説明の品質を保てます。
参考:金融庁 企業会計審議会