更新日:2025.06.24
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電子帳簿保存法は、税金関係の帳簿や電子取引で使用した書類をデータで保存する際のルールを定めた法律です。電子帳簿保存法では、インターネットを介して送信・受領した書類はデータでの保存が求められています。
電子データを保存するストレージを探しているのであれば、Googleドライブがおすすめです。GoogleドライブはGoogleが提供するインターネット上でデータを保管できるサービスであり、利用することで複数のメンバーでも書類のやりとりができます。
そんなGoogleドライブは電子帳簿保存法に対応した機能を兼ね備えています。しかし、ルールに則って保存するためには、対象の機能が使用できるプランを選び、設定をおこなう必要があるため注意が必要です。
本記事では、電子帳簿保存法にGoogleドライブで対応する方法やプランについて解説します。
Googleドライブは、Googleが提供するGoogle Workspaceに含まれる、インターネット上でデータを保管・共有できるサービスです。このサービスは、保存したファイルを他者と共有でき、ビジネスにおいても利用できます。
Google Workspaceは、電子帳簿保存法の要件を満たしていることを示す証明である、「JIIMA認証」を取得しています。
ほかにも、Googleドライブではスキャナ保存の要件であるタイムスタンプの代わりになるVault機能の使用が可能です。Vault機能を活用すれば書類の訂正・削除の履歴や内容を確認できるため、制度への対応が可能です。
電子帳簿保存法への対応を目的としてGoogleドライブを使用する際は、プランの選択やフォルダの作成方法などの手順があります。手順を理解しないまま導入すると、必要な機能が使用できない可能性もあるため注意が必要です。
ここからは、電子帳簿保存法への対応を目的としてGoogleドライブを使用する手順を解説します。
Googleドライブには、ドライブ内のデータを検索・保存できるVault機能が備わっています。Vault機能とは、ドライブ内のデータが削除された場合にも、Vault内には保存されたままになり、データの紛失・削除・改ざんを防げる機能です。
電子帳簿保存法は、保存したデータを訂正・削除した際の履歴を確認する手段が必要です。このことから、Googleドライブを利用する際はVault機能を設定することで電子帳簿保存法に対応できます。
ただし、Vault機能は限られたGoogle Workspaceのプランのみが利用できるため、誤ったプランに登録しないよう注意しましょう。
Vault機能を使用できるプランは、下記のとおりです。
プランの登録ができたら、Googleドライブの共有ドライブ内に電子帳簿保存用のフォルダを作成しましょう。共有ドライブを使用することで、複数のメンバーでファイルを管理しやすくなります。
メンバー内で管理者を設定しておき、ファイルを管理できる範囲を制限することで、誤操作による削除・訂正が避けられます。管理者以外でも請求書や領収書などのデータをアップロードすることは可能なため、書類の共有には問題ありません。
電子帳簿保存用フォルダのなかには、「2025年1月」や「2025年2月」のように年月単位のフォルダを作成しましょう。年月単位のフォルダを作成することでデータが整理でき、必要な際に探しやすくなります。
データが増えてからフォルダを作成しては、振り分ける手間が増えるため、運用開始時に整えておくと後々の負担を減らせます。
Googleドライブを電子帳簿保存法に対応させるためには、Vault機能の設定が欠かせません。Vault機能を使用する際は、管理画面からカスタムルールの設定をおこない、保存期間を7年にしましょう。
この7年間は法人と青色申告者の個人事業主に当てはまり、白色申告者の個人事業主の場合は5年の保存期間で問題ありません。
なお、Vault機能を設定できるのは管理者のみです。
電子帳簿保存法では、検索機能を確保するための要件が定められています。制度に対応する際は、下記3つの条件で検索を可能にしておきましょう。
たとえば、ファイル名に「日付」「取引先名称」「金額」を含めることで、検索時にスムーズにデータが見つけやすくなります。もしくは、Excelやスプレッドシートを活用して、索引簿を作成する方法もあります。
Googleドライブで電子帳簿保存法に対応することで、複数人でデータが共有でき、経理部門のテレワーク化が実現できるなどのメリットがあります。メリットを理解しないまま運用をはじめると、正しく使用できない可能性があるため注意が必要です。
ここからは、Googleドライブで電子帳簿保存法に対応するメリットを解説します。
Googleドライブは、インターネット環境があればアクセスできるため、出張先や自宅からでも領収書や請求書をすぐにアップロードできます。郵送や持参の必要もなく、営業所が複数ある企業でも紛失リスクや輸送にかかる手間を削減できます。
アップロードしたデータはインターネット上のクラウドに保管され、経理担当者が業務をおこなうタイミングでいつでも確認が可能です。
Googleドライブはインターネット環境が整っていれば、どこでも閲覧できるため、経理部門のテレワーク化が実現します。業務フローを整えた後であれば、複数の経理担当者が常に情報を共有でき、担当者不在による確認の漏れや遅れを防げます。
経理部門のテレワーク化が実現することで従業員の働き方が柔軟になり、ワークライフバランスを保てるでしょう。
本記事では、電子帳簿保存法にGoogleドライブで対応する方法やプランについて解説しました。
電子帳簿保存法を目的にGoogleドライブを使用するなら、Vault機能が使用できるプランにする必要があります。そのうえで、電子帳簿保存用のフォルダを作り、年月ごとのフォルダにデータをわけることで管理が容易になるでしょう。
Googleドライブを使用することは、データ共有の容易さや経理部門のテレワーク化が可能などのメリットもあります。どのようにすればGoogleドライブで電子帳簿保存法に対応できるのか悩む際は、本記事を参考に準備を進めましょう。