更新日:2023.03.07
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収入印紙は、契約書や領収書などの文書に貼り付けるもので、200円から60万円と金額もさまざまです。
収入印紙が必要なケースや貼り方などはルールがあり、知らないと恥ずかしい思いをするかもしれません。
そこで、今回は収入印紙について、貼付が必要なケースや印紙の金額など知っておきたいことを
まとめて解説します。
契約書や請求書にも収入印紙を貼る必要があります。
なぜなら、このような文書を書面で作成した場合、印紙税が発生するからです。
その税金を納めるために収入印紙を購入して添付する必要があります。
収入印紙の添付が必要な主なケースは次の通りです。
● 仕事の完成と引き換えに対価を支払う契約書(第2号文書:請負に関する契約書)
● 特定の相手と継続的に生じる取引の基本となる契約書(第7号文書:継続的継続的取引の基本となる契約書)
● 金銭・有価証券の受取事実を証明する文書(第17号文書:金銭又は有価証券の受取書)
ケース別にもう少し詳しい書類の種類や、収入印紙の金額について解説します。
● 工事請負契約書
● 工事注文請負書
● 物品加工注文請書
● 請負金額変更契約書
● 映画俳優専属契約書
● 広告契約書
建設工事などの有形のものから、サーバーシステム構築や警備・清掃など無形サービスに関する契約書も対象となります。このケースでの収入印紙の金額(印紙税額)は、契約金額によって変わります。
契約金額 | 印紙税額 |
契約金額の記載がない | 200円 |
1万円未満 | 非課税(添付不要) |
1万円以上 100万円以下 | 200円 |
100万円超え 200万円以下 | 400円 |
200万円超え 300万円以下 | 1,000円 |
300万円超え 500万円以下 | 2,000円 |
500万円超え 1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円超え 5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超え 1億円以下 | 6万円 |
収入印紙の額は契約金額に関係なく、一律1通あたり4,000円になります。
ただし、次の場合は非課税になります。
● 契約期間が3ヵ月以内のもの
● 更新の定めのない契約書
● 不動産賃貸料の受取書
● 商品販売代金の受取書
● 請負代金の受取書
● 広告料の受取書
などが挙げられます。
このケースでは、添付する収入印紙の金額(印紙税額)が売上代金にかかる受取書(領収書)か、売上代金以外の
受取書かによって異なります。
領収書に添付する場合の印紙税額は次の通りです。
契約金額 | 印紙税額 |
5万円未満 | 非課税 |
5万円以上 100万円以下 | 200円 |
100万円超え 200万円以下 | 400円 |
200万円超え 300万円以下 | 600円 |
300万円超え 500万円以下 | 1,000円 |
500万円超え 1,000万円以下 | 2,000円 |
5万円以上は収入印紙の添付が必要ですが、本体価格が5万円未満の場合は領収書に本体価格が5万円以下であることが明記されていれば、印紙税は非課税となります。
また、保険金や借入金の受領、損害賠償金の受領など対価性のない金銭や有価証券の受取書の場合には、5万円以上が一律200円の収入印紙の添付が必要です。5万円未満の場合は非課税となり、印紙の添付は不要です。
紙として発行すると印紙税がかかりますが、メールやWebサイト上での発行ならば収入印紙は不要となります。
また、対面販売でもクレジットカードやキャッシュレス決済をした場合は、領収書にクレジットカードなどキャッシュレス決済の利用とわかる記載がされていれば、収入印紙は不要です。
なぜなら、クレジットカードやキャッシュレス決済の場合、お店はその場で金銭を受領していない(金銭受け取りの事実がない)ためです。
200円の収入印紙を貼り忘れた場合は、3倍の600円の印紙税が必要です。
ただし、税務調査前に自主的に貼り忘れを申告した場合は1.1倍に軽減されます。
しかし、発行元が気づかないままだと発行元は違反行為を犯してしまうわけですから、気づいた時に指摘した方が
無難でしょう。
ただし、コンビニで購入できるのは200円の収入印紙のみというケースがほとんどで、特に1万円を超える印紙は
在庫がないことも多いため、注意が必要です。
収入印紙を2枚以上貼るときは、上下または左右に並べて貼るのが一般的です。
失敗してしまったときは、国税庁か近くの税務署に問い合わせてみることをおすすめします。
紙をまたいで押印するため、印影は多少かすれる部分もあるかと思いますが、誰が消印をしたのかはっきりわかる
程度で、通常の方法では消印を取り消せない状態であれば問題ありません。
契約書は当事者双方が調印に用いた印章によって押印する習慣がありますが、法律上・税法上はどちらかの押印が
あれば不備にはなりません。
収入印紙と領収書など印紙を貼った書類にまたいで消印を押します。
消印をする場所は、収入印紙の上下左右どこでも構いません。
印鑑がない場合はサインが代わりになりますが、ボールペンや万年筆など消えないもので記載する必要があります。
鉛筆や熱で消えてしまうインクのペンなどで書いても無効になるため、注意してください。
収入印紙は、書面に貼り付けて消印をした状態ではじめて印紙税を納めたことになります。
キャッシュレス決済や電子契約では印紙税は課税されないため、収入印紙は不要です。
収入印紙は、書面に貼り付けて消印をした状態でないと印紙税を納付したことにはならず、過怠税(通常の印紙税の3倍の金額)が徴収されますので注意が必要です。