更新日:2026.09.30

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Amazonで事業用の備品や消耗品を購入したとき、「注文履歴から取得できる領収書を保存しておけば、インボイス制度にも対応できる」と考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、Amazonで取得できる「領収書」と「適格請求書」は別の書類です。仕入税額控除を受けるためには、販売元が適格請求書発行事業者である場合に交付される「適格請求書」を確認・保存する必要があります。
また、AmazonではAmazon.co.jp自身が販売する商品だけでなく、マーケットプレイスの出品者が販売する商品もあり、販売元の登録状況によって適格請求書が交付されるかどうかが変わります。
この記事では、Amazonで取得できる書類の違い、販売元別のインボイス対応、個人向けAmazon・Amazonビジネスでの取得方法、少額特例、2026年10月以降の経過措置、電子帳簿保存法に沿った保存方法まで解説します。
Amazonでは、注文内容や支払方法、利用するアカウントによって複数の書類が発行されます。
名称が似ているため混同しやすいですが、仕入税額控除を受ける場合は、その書類が適格請求書として交付されたものかを確認することが重要です。
| 書類 | 仕入税額控除 | 主な用途・注意点 |
|---|---|---|
| 適格請求書 | 利用できる | 販売元が適格請求書発行事業者である場合などに交付される。登録番号、税率、消費税額等を確認する |
| 支払い明細書 | 原則として全額控除には利用できない | 販売元がインボイス未登録の場合などに交付される。一定の経過措置を利用できる場合がある |
| 領収書/購入明細書 | 通常はインボイスとして利用しない | 支払い・注文内容の確認や社内経費精算などに利用する |
| Amazonビジネスの請求書払いで発行される請求書 | 現在は利用可能 | 2024年12月以降、Amazonビジネスの請求書払いで発行される請求書はインボイスとして利用できる |
| 納品書 | 通常は単体では利用しない | 商品の納品内容を確認するための書類 |
Amazonで経理処理するときは、書類の名前だけでなく「適格請求書として交付された書類か」を確認することが重要です。「領収書を保存したからインボイス対応も完了」というわけではありません。
Amazonには、Amazon自身が販売する商品と、マーケットプレイスの販売事業者が販売する商品があります。
適格請求書を取得できるかどうかは、基本的に販売事業者が適格請求書発行事業者として登録しているかで決まります。
| 販売元・購入方法 | 適格請求書 | 登録番号 | 扱い |
|---|---|---|---|
| Amazon.co.jpが販売する商品 | 発行される | アマゾンジャパン合同会社 | 要件を満たせば全額控除 |
| 登録済み出品者の商品をAmazonビジネスで購入 | 発行される | 媒介者交付特例により、原則としてアマゾンジャパン合同会社の登録番号を記載したインボイスが交付される | 要件を満たせば全額控除 |
| 登録済み出品者の商品を個人向けAmazonで購入 | 発行される | 販売事業者自身の登録番号 | 要件を満たせば全額控除 |
| 未登録の出品者の商品 | 発行されない | ― | 少額特例または未登録事業者からの仕入れに係る経過措置を確認 |
| Kindleストア等の一定のデジタル商品 | 対象商品では発行される | Amazon Services International LLCなど、販売事業者の登録番号 | 書類上の販売元・登録番号を確認する |
販売元がAmazon.co.jpの商品については、アマゾンジャパン合同会社が適格請求書を交付します。
商品ページには「出荷元」「販売元」が表示されるため、購入前に誰が販売者なのか確認しておくとよいでしょう。
マーケットプレイスの販売事業者が適格請求書発行事業者として登録し、Amazonへ登録番号を設定している場合は、適格請求書を取得できます。
ただし、登録番号の表示方法は利用するAmazonアカウントによって異なります。
Amazonビジネス:媒介者交付特例により、Amazonの登録番号を記載したインボイスを交付
個人向けAmazon:販売事業者自身の登録番号を記載したインボイスを交付
販売事業者が適格請求書発行事業者として登録していない場合、適格請求書は発行されません。
この場合は、Amazonから交付される支払い明細書等を取引内容の確認資料として保存し、少額特例またはインボイス未登録事業者からの仕入れに係る経過措置を利用できるか確認します。
Amazonビジネスでは、インボイス発行対象の商品に「適格請求書発行対象」と表示されます。
また、検索結果を適格請求書発行対象の商品に絞り込んだり、インボイスを発行できない商品に対して管理者メッセージや承認ワークフローを設定したりする購買ルールも利用できます。
経費購入をAmazonビジネスへ集約している企業では、購入前に発行対象商品だけを選べるようにしておくと、経理部門での確認作業を減らしやすくなります。
個人向けAmazonアカウントでも、対象となる注文について適格請求書を取得できます。
1|Amazonへログインし、「注文履歴」を開く
2|該当する注文の「領収書等」を開く
3|適格請求書の対象となる書類を表示・ダウンロードする
4|「適格請求書」の表示、登録番号、税率、消費税額等を確認する
販売元が未登録の場合は適格請求書を取得できず、支払い明細書等が表示されます。
Amazonの画面名称や操作手順は変更されることがあるため、実際の注文履歴に表示されるメニューを確認してください。
Amazonビジネスでは、注文履歴画面や購買データ画面からインボイスを取得できます。
個人向けAmazonにはない、購買データ画面からのインボイス一括ダウンロードにも対応しています。
また、Amazonビジネスでは適格請求書発行対象の商品の絞り込みや購買ルールも利用できるため、購入段階から「インボイスを取得できる商品だけを買う」という統制をかけることもできます。
Amazonビジネスの請求書払いについては、2024年12月に仕様が変更されました。
現在は、請求書払いでAmazonビジネスから発行される請求書をインボイスとして利用できます。
以前は「請求書払いの請求書はインボイスとして利用できない」という仕様でした。2024年12月以降は取扱いが変わっているため、過去の記事や社内マニュアルを参照している場合は更新してください。
請求書払い以外の支払方法を利用している場合は、注文履歴または購買データ画面から対象のインボイスを取得します。
参照:Amazonビジネス「インボイス制度導入に関するAmazonビジネスでの対応」
事業用のAmazon購入が多い場合は、個人向けアカウントよりもAmazonビジネスの方がインボイス対応を管理しやすくなります。
| 項目 | 個人向けAmazon | Amazonビジネス |
|---|---|---|
| 適格請求書の取得 | 注文履歴から個別に取得 | 注文履歴・購買データから取得。一括ダウンロードにも対応 |
| 購入前の確認 | 販売元等を確認する | 「適格請求書発行対象」の表示や絞り込み機能を利用できる |
| 購買ルール | なし | インボイス発行対象外商品の制限・承認フローなどを設定できる |
| マーケットプレイス商品のインボイス | 販売事業者の登録番号を記載 | 媒介者交付特例によりAmazonの登録番号で交付される |
| 請求書払い | 利用不可 | 審査等の条件を満たせば利用可能。現在は発行される請求書をインボイスとして利用できる |
購入件数が多い会社では、従業員が個人アカウントで購入し、個別に経費精算するよりも、Amazonビジネスへ購買を集約した方がインボイスの取得漏れを防ぎやすくなります。
基準期間の課税売上高が1億円以下、または特定期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者には、インボイス制度の「少額特例」があります。
2023年10月1日から2029年9月30日までに行う税込1万円未満の課税仕入れについては、一定事項を記載した帳簿だけを保存することで仕入税額控除できます。
Amazonで購入した文房具や消耗品なども、要件を満たせば対象です。
少額特例は、販売元がインボイス発行事業者かどうかに関係なく利用できます。登録済みのAmazon販売商品であっても、未登録出品者の商品であっても、対象事業者・金額・期間の要件を満たせば適用可能です。
1万円未満かどうかは、一つの商品ごとではなく「一回の取引」に係る税込金額で判定します。
Amazonでは一つの注文番号の中でも販売元や発送単位が分かれることがあるため、実際に交付される帳票上の取引単位を確認して判定するとよいでしょう。
少額特例の対象にならない課税仕入れで、販売元が適格請求書発行事業者ではない場合は、インボイス未登録事業者からの仕入れに係る経過措置を確認します。
| 期間 | 控除できる割合 |
|---|---|
| 2023年10月1日〜2026年9月30日 | 80% |
| 2026年10月1日〜2028年9月30日 | 70% |
| 2028年10月1日〜2030年9月30日 | 50% |
| 2030年10月1日〜2031年9月30日 | 30% |
| 2031年10月1日以降 | 控除不可 |
経過措置を利用する場合は、区分記載請求書等と同様の事項を確認できる支払い明細書等を保存し、帳簿にも経過措置の対象であることが分かるように記載します。
Amazonの注文履歴やAmazonビジネスからPDFなどの電子データとして取得した適格請求書・領収書等は、電子帳簿保存法上の「電子取引」に該当します。
そのため、原則として電子データのまま保存しなければなりません。
| 保存上のポイント | 対応例 |
|---|---|
| 電子データで保存 | Amazonから取得したPDF等は、印刷した紙だけではなく元の電子データを保存する |
| 改ざん防止 | 訂正・削除履歴が残るシステム、タイムスタンプ、訂正削除防止に関する事務処理規程など、認められた方法で対応する |
| 検索できる状態にする | 対象事業者は取引年月日、取引金額、取引先で検索できるようにする。検索要件が不要になる特例もある |
| 保存期間 | インボイス制度上必要となる保存期間を満たすよう管理する。適格請求書等は原則として7年間保存する |
Amazonビジネスでは、アマゾンジャパン合同会社が発行するインボイスや請求書等の各種帳票を10年間ダウンロードできると案内されています。
ただし、Amazon上で閲覧できることだけを理由に、自社の電子帳簿保存法対応が自動的に完了すると考えるのは避けましょう。
アカウントの利用停止、社内権限の変更、Amazon側のサービス仕様変更などにも備え、自社の保存ルールに沿ってPDF等を保存しておくと管理しやすくなります。
消費税の仕入税額控除という観点では、必要事項を満たした適格請求書を保存していれば、それとは別にAmazonの領収書を必ず保存しなければならないわけではありません。
ただし、社内の経費精算規程で領収書の提出・保存を求めている場合や、支払いの事実を確認する資料として必要な場合は、あわせて保存しておくとよいでしょう。
小売業など一定の事業では、受領者の氏名・名称を省略できる適格簡易請求書を交付できます。
したがって、Amazonから交付された書類が適格簡易請求書として必要事項を満たしている場合は、購入者の名称が記載されていなくても仕入税額控除に利用できます。
書類の空欄へ自分で宛名や登録番号などを書き加えて、インボイスの記載事項を補うことは避けてください。
現在はインボイスとして利用できます。
Amazonビジネスでは、2024年12月から請求書払いで発行される請求書をインボイスとして利用できるようになりました。
それ以前のAmazon公式案内や古い記事には「請求書払いの請求書はインボイスとして使えない」と記載されている場合があるため、情報の更新日に注意してください。
対象となるKindleストアの商品では、適格請求書を取得できます。
Kindleストアの商品はAmazon Services International LLCが販売元となるものがあり、同社の登録番号を記載したインボイスが発行されます。
通常の商品と同様に、実際に取得した適格請求書の発行者・登録番号を確認してください。
適格請求書を取得できるかどうかは、基本的に支払方法ではなく販売元の登録状況によって決まります。
コンビニ払いやATM払いなどでは、Amazonの領収書とは別にコンビニ・金融機関等から支払証明となる書類を受け取る場合があります。
仕入税額控除については、販売元が適格請求書発行事業者であれば、Amazon上で取得できる適格請求書を確認してください。
Amazonで事業用の商品を購入した場合、注文履歴から取得できる領収書や購入明細書だけでインボイス対応が完了するとは限りません。
仕入税額控除を受ける場合は、販売元が適格請求書発行事業者であることを確認し、Amazon上で交付される適格請求書を保存します。
マーケットプレイス商品では販売事業者の登録状況によって適格請求書の有無が変わります。また、Amazonビジネスでは媒介者交付特例が利用されるため、個人向けAmazonとはインボイス上の登録番号の扱いも異なります。
インボイス未登録の出品者から購入した場合でも、税込1万円未満の少額特例や、2026年10月から70%となる未登録事業者からの仕入れに係る経過措置を利用できる場合があります。
また、AmazonからPDF等で取得した適格請求書は電子取引データに該当するため、電子帳簿保存法に沿って電子データのまま保存してください。
購入件数が多い企業では、Amazonビジネスの適格請求書発行対象商品の絞り込み、購買ルール、購買データからの一括取得などを活用すると、経理業務を効率化しやすくなります。