更新日:2025.03.28
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インボイス制度と聞いたことはあっても、どのような制度なのかよくわかっていない方は多いかもしれません。 インボイス制度は、請求書などに記載する税率をわかりやすくするための制度です。 本稿ではインボイス制度が始まる時期と、始まる前に準備しておくべきことを解説します。
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インボイス制度(適格請求書保存方式)が本格的に始まるのは、2023年(令和5年)の10月1日からです。 2019年10月から2023年の9月までは準備期間として設けられています。 準備期間に「適格請求書事業者の登録」をするなど余裕を持ってインボイス制度の準備を進めるといいでしょう。
※出典:特集 インボイス制度(国税庁) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm
インボイス制度が始まると「請求書の様式が変わる」「消費税の申告が複雑になる」「課税売上高1,000万円以下の フリーランスは仕事が減る可能性がある」以上の3点が大きく変わる事柄となります。
インボイス制度が始まるとこれまでの請求書に以下の3つの項目を追加しなければいけません。 ● インボイス制度の登録番号 ● 適用税率 ● 適用税率ごとの消費税の合計 2018年(平成30年)10月1日に消費税率が10%に改正されました。 インボイス制度導入前は税率ごとの税込み価格を記載すれば認められていましたが、インボイス制度導入後は 「適用税率」と「適用税率の合計」も記載する必要があります。 つまり消費税がどれくらいかかったのかをより明瞭に記載することになります。
インボイス制度では、課税事業者との取引のみ仕入税額控除を受けられます。 課税事業者ではなく「免税事業者」、または「消費者」などと取引した際は控除を受けられません。 そのため取引先が控除を受けられるのか、取引ごとに管理する必要があります。
課税売上高1,000万円以下は課税事業者ではなく免税事業者となるため、課税売上高1,000万円以下のフリーランスは「適格請求書発行事業者登録番号」を発行できないため、取引先は控除を受けられません。 つまり取引先は免税事業者に依頼する場合、課税事業者に依頼するときよりも多く費用がかかってしまいます。 そのため費用がかからない課税事業者に依頼する企業が増える可能性があります。
インボイス制度が始まる前にしておくべきことは3つです。 ● 税務署に「適格請求書発行事業者」の登録申請をしておく ● 会計ソフトとワークフローを見直す ● 免税事業者のフリーランスは課税事業者になることを検討する インボイス制度が始まるまでに準備期間が約4年間設けられているので、その間を利用して 準備を整えると良いでしょう。
インボイス制度が始まる際に最初にするべきことは「適格請求書発行事業者」の登録申請です。 2023年(令和5年)10月1日からすぐにインボイス制度に対応できるようにするなら、2023年3月31日までに 税務署に「適格請求書発行事業者」を提出する必要があります。 インボイス制度の開始が近づくと税務署は混雑しますし、年度末は確定申告の時期でもあります。 そのため、スムーズに申請するためにも。2023年1月頃までを目安として税務署に申請できるようにすると 良いでしょう。
請求書などの会計作業をパソコンの会計ソフトで管理している場合は、会計ソフトがインボイス制度に対応しているか確認しておきましょう。クラウド型の会計ソフトであれば定期的にアップデートされているため、対応していることも多いです。 しかし古くから利用している会計ソフトや自社用に独自設計してもらった会計システムは、インボイス制度に対応していない場合があるため、確認しておきましょう。 もしインボイス制度に対応していない場合は、別の会計ソフトに変更する必要があるかもしれないので、インボイス制度が始める前に準備しておくことが大切です。
仕入税額控除は課税事業者と取引した場合のみ受けられる控除です。 免税事業者と取引した場合は控除が受けられません。 課税事業者の条件は課税売上高が1,000万円を超える必要がありますが、実は課税売上高が1,000万円以下の事業者でも「消費税課税事業者選択届出書」を提出すれば、課税事業者になることが可能です。 ただし当然ではありますが、課税事業者になったら消費税申告と納税、そして帳簿付けの義務が発生するため労力がかかってしまいます。課税事業者になることも方法の一つですが、課税事業者に受注した場合と同じくらいの費用になるように受注費用を下げる方法もあります。
インボイス制度は2023年(令和5年)10月から始まる制度です。 領収書や請求書の税率をわかりやすくするための制度ですが、領収書や請求書の書き方が変わりますし、フリーランスの方は仕事量に影響ができるかもしれません。 準備期間が設けられているので、その間にインボイス制度に対してどのような対応をとるのか、また手続きが必要な場合は申請をしておくことをおすすめします。
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