株式会社公文教育研究会 様
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日本国内で展開する公文式教室は多くがフランチャイズ(FC)だが、研究目的あるいはFC教室引継ぎ時の暫定教室として、本社直営の教室も存在する。自分たちですべての経理処理を行う自営のFCに対し、直営教室は経理処理をブランチ経由で本社が取りまとめている。
直営教室は約100教室が常時稼働、暫定的な直営教室は100前後で推移し、都道府県に配されたブランチが運営管理を担う。公共料金(電気・ガス・水道)等直営教室にかかる経費は、原則的に各ブランチが支払手続きを行い、請求書や支払証明等の証憑を本社経理サポートチームに送付。紙の証憑は社内便による送付、Web請求書等デジタル証憑の場合は専用フォルダにPDF形式で送信・格納する。経理サポートチームは届いた証憑をもとに、各教室別に会計システムに入力し、紙の証憑はファイリングして10年間保管する。支払業務を軽減するため、指定銀行の口座振替(自動引き落とし)を推奨するが、利用できない地域がある。さらに、期間が流動的な暫定教室は、イレギュラーな請求・支払処理をせざるを得なかった。
経理サポートチームの実務担当者の悩みは大きかった。「口座振替は本社で入出金明細を確認しますが、それがどの教室のものか、請求書と突合しなければ会計システムに入力できません。請求書が届かないと業務が停滞します。証憑の確認でブランチとやりとりすることも含めてストレスでした」と渡邉氏は語る。同じく実務担当の瀬尾氏も、「口座振替でも、自治体や会社によって引き落とし日はバラバラ。それ以外の支払処理の証憑も全国のブランチからランダムに届き、毎日突合や会計システムへの入力作業に忙殺されていました。突合できない事案の積み残しは精神的に重荷です。締め日に間に合わせるため、推測で仕訳・入力することもあり、後日間違いが発覚して振替作業が生じたこともありました」と話す。渡邉氏はさらに、「ブランチ側も、リモートワーク中に証憑のためだけに出社したり、遠方の教室まで紙の請求書を取りに出掛けたりと、非効率な行動に課題感を訴えていました。出社日の減少で郵便物のチェックも滞りがちで、証憑の紛失も発生しました」と、働き方の変化に伴う会社全体の課題も指摘する。
■本社・経理サポートチーム側の課題 ・証憑未着による業務停滞 ・支払日がバラバラで、連日突合・確認に追われるなど高負荷 ・目視と手作業によるシステム入力で、転記ミスが発生 ・紙の請求書の保管作業にコストが発生 |
■ブランチ側の課題 ・リモートワーク中、証憑入手だけのために出社が必要 ・口座振替の開始手続きや証憑送付、フォルダ格納のための処理が煩雑 ・支払方法が統一されていないため、勘違いによる支払遅延が発生 ・証憑紛失リスク有 |
多くの課題を抱えながら、2023年にはインボイス制度への新たな対応も検討しなければならない状況に。経理サポートチームのリーダー平石氏は、「支払業務のペーパーレス化やインボイス制度の対応など、例年以上に多忙な2023年に、取引銀行からインボイス社の一括請求サービスを紹介されたのです」と、当社との出会いを語る。この話を聞いた実務メンバーは、公共料金の請求書を電子化・一本化するサービスの導入を強く希望した。年内の導入を前提にトライアルで利用し、①課題の根源にあった「請求や支払方法がバラバラ」問題が解消すること、②ペーパーレスが実現できること、③請求明細がポータルサイトからダウンロードできることで証憑送付にまつわる問題がなくなること、④ブランチ側の課題はほぼ解消できることなどを確認して、OneVoice公共の正式導入が決定、2023年12月から運用を開始した。
財務経理部 経理サポートチーム 平石リーダー、中田様、瀬尾様、渡邉様
OneVoice公共の導入で公共料金にかかわる業務が簡素化され、経理サポートチームとブランチ双方に、以下のような導入メリットがもたらされた。
■本社・経理サポートチーム側の導入メリット ・すべての証憑を確実に受領できるため、業務停滞やブランチへの督促等、ストレス要因がなくなり気持ちよく仕事ができる環境に ・シンプルな処理になり、作業負荷が軽減 ・明細データをダウンロードできるため、目視や手入力による転記ミス等のヒューマンエラーが激減 ・ペーパーレス化で紙請求書の保管業務や外部倉庫の保管コストを削減 |
■ブランチ側の導入メリット ・証憑処理のためだけの出社が不要に ・自動振替の手続きや、証憑の送付・送信処理がなくなり、わずらわしい業務から解放 ・ブランチに届く請求書はすべてブランチが支払うことが明確になり、支払ミスが減少 ・デジタル証憑を本社で入手できるため、証憑紛失リスクはゼロに |
渡邉氏は、「証憑待ちのイライラが解消されました。ブランチに督促するなど憂鬱なやりとりもなくなり、業務が停滞せず常に計画通り仕事が運ぶようになり、ストレスがなくなりました。法改正への対応など、日々発生する新たな業務にも無理なく対応できています」と、気持ちよく仕事ができる環境になったと喜ぶ。瀬尾氏も、「人員の入れ替えで一時的に人数が減ったり、インボイス制度への対応で急激に業務量が増えたりしましたが、OneVoice公共を導入したおかげで、実質3名で仕事がこなせています。業務のスリム化が無理なく図れました」と、状況の変化にも容易に対応できたと語る。導入にあたって社内フローの見直しを図った際も、「サポートのおかげもあり、導入に大きな混乱や苦労はありませんでした。最初に1回だけ、インボイス社に100を超える証憑を取りまとめて渡す作業が一番大変でしたが、その後はスムーズです」と中田氏。平石氏も「ペーパーレス化により、外部倉庫にかかるコストや、紙の保管作業にかけていたエネルギーも削減できます。紙の証憑整理に毎年約1週間は人的ソースが奪われていましたから、業務改善効果は小さくありません」と、今後の効果にも期待する。
さらに、OneVoice公共の導入は、会社が目指す取り組みにも寄与した。「今回、現場が抱えていたストレスがどれほどのものかを知り、実務にかかわる人たちが気持ちよく働ける環境を整えることの重要性を痛感しました。ブランチの人が働きやすいように、経理面でサポートするのが私たちの仕事なのに、経理面でストレスをかけていたのでは本末転倒。OneVoice公共の導入は、健康経営や働き方創造の推進についてあらためて意識する機会となりました」と平石氏。菊田氏も「弊社は、健康経営優良法人2023,2024の大規模法人部門で認定をいただきました。健康経営や働き方創造の推進には、私たちが目指すものを力強くサポートしてくれるツールを活用することが必須だと考えています。OneVoice公共もその一つ。紙の証憑があるが故の、本社とブランチ間の経理にかかわる業務を大幅に簡素化する仕組みで、リモートワークでの業務や証憑管理業務の削減に効果があります。もともと健康経営や働き方創造を意図して導入したわけではなかったのですが、結果的に大きく寄与しています。カバーする領域は限定的ではありますが、このような取り組みの積み重ねが、健康経営の推進につながっていくものだと思います」と評価する。
公文教育研究会が掲げる「健康経営」のイメージ
財務経理部 菊田次長
本社とブランチ間の経理にかかわる業務を、快適に効率化したOneVoice公共。しかし、公共料金以外の定常的な支払業務は、まだ煩雑な状態で数多く残っている。「インボイス社には一括請求できる領域を拡大してほしい」と、渡邉氏は期待を寄せる。経理サポートチームは、今後も日々更新される経理業務の効率化をさらに進め、ブランチがFC教室を含む公文式教室の発展に注力できる環境の提供を目指したいと、意欲的である。
公文教育研究会様のように、営業拠点や直営店舗を複数持つ本社の経理部門は、同様の課題で苦労されているのではないだろうか? 紙請求書を無くし電子請求書に一本化することで、ペーパーレスの実現のみならず、紙の証憑に起因する社員のストレスを軽減し、快適な仕事環境を整えることもできる。西本氏からも「ちょっと他にはない、良いサービス」との評価を頂いている通り、同社のように、毎月の公共料金の支払業務に課題を感じているなら、煩雑な処理業務をシンプルにする、インボイスの請求一括サービス「OneVoice公共」をお勧めしたい。
右から、西本執行役員、当社社長 加茂
名称 | 株式会社公文教育研究会 |
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代表者 | 田中 三教 |
本社 | 大阪府大阪市淀川区西中島5丁目6番6号 公文教育会館 |
サイト | https://www.kumon.ne.jp/index.html |