更新日:2026.03.09

ー 目次 ー
リモートワークやデジタル化の進展に伴い、ZoomやSlackのようなクラウド型コミュニケーションツールの利用が企業で不可欠となる中で、通信費の仕訳に迷う場面が増えていませんか?
例えば、ビデオ会議そのものの通信費用と、ファイル共有やタスク管理などの業務機能が一体化したサブスクリプション費用の適切な区分けは、多くの経理担当者にとって課題です。また、複数拠点や多様な部門での利用に伴う大量の請求書処理において、どの勘定科目で計上すべきか判断に悩むことも少なくないでしょう。
本記事では、こうした経理処理で迷いが生じやすい具体的な理由を深掘りしつつ、ZoomやSlackの費用を「利用目的」「資産性」「契約形態」という三つの明確な基準で正しく判断するための方法を、具体的な事例を交えて徹底解説します。さらに、経理業務を効率化するための実践的な処理方法や、部門別配賦を適切に行うためのポイントもご紹介します。
こんな方におすすめ
この記事を読むと
現代のビジネスにおいて、ZoomやSlackのようなクラウド型コミュニケーションツールは、もはや単なる「通信手段」という枠を超え、多岐にわたる業務機能を備えています。
従来の通信費が主に電話料金やインターネット回線費用など「情報の伝達にかかるコスト」を指していたのに対し、これらのツールはチャットやビデオ通話に加え、ファイル共有、タスク管理、データ保存、外部連携といった業務遂行に不可欠な機能を統合しています。
この多機能性こそが、利用料を「通信費」として一律に処理して良いのか、それとも別の勘定科目で仕訳すべきなのか、多くの経理担当者が判断に迷う主な原因です。
そうした疑問を解消するため、まず従来の通信費の概念と現代のクラウドツールの特性を比較し、両者の違いと、それが経理処理にどう影響するのかを基本的な視点から整理します。これが、今後の適切な判断の土台となります。
ZoomやSlackなどのクラウド型コミュニケーションツールは、従来の電話やFAXとは異なり、利用目的や機能が多岐にわたります。経理担当者が費用をどの勘定科目に仕訳すべきか判断する際、迷いが生じやすい状況があります。
たとえば、同じ「Zoom」を使っていても、会議のために利用する場合と、研修動画の配信や録画データの保存など業務機能として活用する場合では、経費の性質が異なるため、通信費・業務システム費用のいずれで仕訳するか悩む原因となります。
また、利用明細や請求書の記載内容が複雑化していることも、判断を難しくしています。この章では、特に迷いやすい理由を2つの観点から詳述します。
ZoomやSlackは、単なる通話やチャットのためだけでなく、資料共有・ファイル管理・録画保存といった多様な機能を持っています。そのため、「会議のための通信」に使う場合は通信費として処理しやすい一方、業務効率化や情報共有システムとして利用する場面では、業務システム費用や情報処理費用に区分する必要が出てきます。
実際の処理では、同じサービスの利用料であっても、利用目的によって仕訳が異なるため、経理担当者は毎回利用実態を確認する手間が発生しやすくなります。
ZoomやSlackのようなクラウドサービスは、通信機能に加えて業務システムとしての役割も果たしています。そのため、どの範囲までを通信費として扱い、どこからを業務システム費用とするか、明確な基準を設けづらいのが現状です。
経理現場では、「会議に使った分は通信費」「ファイル管理や業務自動化に利用した分は業務システム費用」といった区分けが求められますが、サービスごとの利用明細が複雑な場合、判断が難航するケースも少なくありません。こうした線引きの曖昧さが、経理担当者が迷う大きな要因となっています。
ここ数年でZoomやSlackなどの利用が急増しましたが、実際に増えているのは通話やデータ通信そのものよりも、業務支援機能を含んだクラウド型ツールの利用料です。たとえば、Zoomの有料プランやSlackの拡張機能パッケージなどは、単に会話やメッセージのやりとりにとどまらず、録画保存や議事録作成、外部サービス連携といった業務プロセス全体を支える機能が含まれています。
このようなサービスは「通信費」に一律で分類するのが難しく、業務システム関連費用として処理すべきか迷う場面が増えています。結果として、経理担当者は利用目的や内容を個別に確認しなければならず、仕訳作業の負担が増しています。
もう一つの大きな要因が、請求書の記載内容やフォーマットが多様化したことです。ZoomやSlackをはじめとするクラウドサービスは、利用明細やプランごとに異なる項目で請求書を発行することが一般的です。
例えば、1枚の請求書に複数のサービス利用料が合算されていたり、国内外のサービスごとに通貨や税区分が異なっていたりします。そのため、経理担当者は毎月届く請求書1枚1枚を細かく確認し、通信費に該当する部分と業務機能の利用料を区別して仕訳する必要が生じています。
拠点ごと、部門ごとに請求が分かれている場合は、配賦作業も煩雑になりやすく、経理現場の手間が増加しています。
ZoomやSlackの経理仕訳で迷わないためには、三つの明確な基準を押さえることが重要です。まず、利用目的が通信そのものなのか、それとも業務機能に主眼が置かれているのかで判断軸が変わります。
続いて、支出が将来にわたる価値を持つ資産性を伴うものか、単年度で完結するものかを見極める必要があります。さらに、継続的な契約による費用なのか、都度発生するスポット利用なのかによっても勘定科目の使い分けが必要です。
これら三つの視点を一つずつ確認することで、判断に迷う場面でも一貫した処理が可能になり、経理業務の効率化にもつながります。
ZoomやSlackの費用を仕訳する際、最初に見るべきは「この支出が何のためのものか」という利用目的です。例えば、社内外とのコミュニケーションや会議での音声・映像の送受信を主な目的としている場合は、その費用を通信費として扱うケースが多いです。
逆に、ファイルの共有やタスク管理、チャットボットなど、業務支援やシステム機能の活用が主な利用目的となっている場合は、通信費ではなく業務システム費用やソフトウェア利用料として計上することが一般的です。利用内容ごとに適切な区分を意識することで、仕訳の判断がぶれにくくなります。
次に着目すべきは、支出がその年度内だけで完結する消耗的なものか、それとも将来の利益創出に結びつく資産的な要素を持つかです。たとえば、ソフトウェアの長期ライセンスや設備投資的な機能拡張が含まれる場合、単なる通信費とは分けて処理する必要があります。
反対に、毎月の利用料や一時的なサービス課金など、継続的な資産価値を生まないものは、年度ごとの費用として計上します。この軸で判断することで、経費計上と資産計上のミスを防げます。
最後に、同じサービスでも契約形態によって仕訳の一貫性を保つことが重要です。ZoomやSlackのようなサブスクリプション型で毎月定額を支払う場合は、継続費用として通信費や業務システム費用のいずれかに固定して計上することが納得感を生みます。
一方で、単発の利用や特定イベント時のみの課金は、その都度の費用として他の勘定科目を選ぶことも考えられます。契約の形態ごとに科目を揃えておくことで、決算時や監査時の説明が容易になります。

ZoomやSlackのような業務用ツールは、通信機能と業務機能が一体化しているため、通信費の計上方法がツールごとに異なり、経理担当者が迷いやすいポイントとなります。特にサブスクリプション型サービスでは、費用の区分や仕訳方法を明確にしておくことが極めて重要です。
ここでは、主なクラウド型コミュニケーションツール別に、経理処理で押さえておきたいチェックポイントを表で整理します。これまで解説してきた「利用目的」「資産性」「契約形態」という三つの基準を念頭に置きつつ、各ツールの具体的な利用実態、請求書の内容、そして部門配賦の観点から、適切な勘定科目を判断するためのヒントをまとめました。複数ツールを利用している場合でも、効率的な管理体制を構築する参考にしてください。
|
ツール名 |
主な費用区分例 |
判断のポイント |
請求書・配賦の注意点 |
|---|---|---|---|
|
Zoom |
・通信費: ビデオ会議、音声通話が主な利用目的の場合 |
・利用目的: コミュニケーション主体か、業務機能主体かを見極める。 |
・有料プランや追加機能の種類によって、請求書上の明細が異なるため、詳細な確認が必須。 |
|
Slack |
・通信費: チャット、グループ通話が主な利用目的の場合 |
・利用目的: メッセージングや通話主体か、業務効率化や情報共有機能主体かを見極める。 |
・有料プランで提供される機能の範囲を把握し、自社の利用実態と照合する。 |
これらのチェックポイントを参考に、各ツールの特性と自社の利用状況に合わせて会計処理を行うことで、より正確かつ効率的な経理業務を実現できます。
ZoomやSlackなどのクラウド型コミュニケーションツールについて、通信費として計上してよいのか、また部門ごとの費用配分やサブスクリプション型サービスの仕訳判断については、計上や処理の判断が難しいケースがあります。
この章では、よくあるケースを取り上げ、判断基準や注意点を具体的に整理します。
ZoomやSlackの利用料をすべて通信費として処理できるかは、実際の利用内容によって判断が分かれます。例えば、ビデオ会議での利用が主な場合は通信費として認められるケースが多いですが、業務管理やファイル共有など通信以外の機能を主に利用している場合は、業務システム費用や情報処理費など他の科目で処理することも検討が必要です。
実際の運用では、請求書に記載された利用内容や社内ルールに基づいて判断することが求められます。
ZoomやSlackの利用料を部門ごとに配分する場合、利用明細や使用実績に基づき配分する方法が一般的です。たとえば、利用アカウントごとに各部門での利用割合や人数を把握し、それに応じて費用を割り振ることで、管理会計上も正確な原価把握が可能になります。
部門別配賦の作業は煩雑になりがちですが、明細データを整理しやすいサービスを導入することで、計上作業の負担を軽減できます。
ZoomやSlackのような月額定額型サービスについては、サービスの内容や利用目的により、通信費と業務システム費用のいずれかで仕訳することが必要です。ビデオ通話やチャットを中心とした機能だけでなく、プロジェクト管理やワークフロー機能を重視している場合は、通信費以外での計上が妥当となる場合もあります。
毎月同じサービスを継続して利用している場合は、同一科目で統一して処理することで、会計上の一貫性を保つことができます。

ZoomやSlackをはじめとした通信関連費用の経理処理では、費用の内容や利用目的によって仕訳科目が分かれるため、判断が難しくなる場面が多くあります。電話会議やビデオ会議の費用、インターネット回線の料金、郵便料金、クラウドサービスの利用料、会計システムにかかる費用など、実務で迷いやすい具体的な事例を整理し、それぞれの分類ポイントを明確にします。
経理担当者が日々直面する「どこまで通信費に含めるべきか」「業務システム費用との線引きは何か」などの疑問にも対応し、経理処理の根拠を持った判断ができるように解説します。通信費の請求書が拠点ごとに多数届いて仕訳や配賦作業が煩雑になりやすい現状に対応するため、効率化のヒントも紹介します。業務負担を減らしながら、正しい処理を進めるための基準を押さえておきましょう。
電話会議やビデオ会議にかかる費用は、通常は通信費として計上されるケースが一般的です。例えば、ZoomやTeamsの通話機能だけを利用している場合や、その利用料が主に通信サービスとしての性質を持つ場合は、通信費として処理するのが標準的です。
一方で、録画や議事録作成などの業務支援機能を主に利用する場合や、追加機能の利用料については、通信費ではなく業務システム費用やソフトウェア利用料として仕訳することもあります。利用内容ごとに費用の性質を見極めることが重要です。
ZoomやSlackの利用に必要なインターネット回線の月額料金や利用料は、通常、通信費として処理されます。ここで注意したいのは、契約時に発生する初期費用や工事費については、基本的には通信費として計上されることが多いですが、内容によっては資産計上や修繕費など、別の勘定科目を適用する場合もあります。
月額費用と初期費用を分けて仕訳し、目的や内容によって適切に判断することが求められます。
郵便料金や宅配便など、実際の物品のやり取りにかかる費用は、通信費とは別の勘定科目で処理するのが基本です。たとえば、購入した郵便切手やレターパックは、未使用であれば貯蔵品として資産計上し、実際に使用した時点で通信費(または消耗品費)に振り替えます。一方、宅配便や運送便など荷物の輸送にかかる費用は、「運賃」や「荷造運賃」として区分します。
電子的な通信と実際の配送・輸送を区別し、それぞれに適した勘定科目を選ぶことが大切です。
クラウド型業務支援サービスや専門的なITツールの利用料は、通信機能自体ではなく業務遂行の機能提供が主目的であれば「通信費」には該当しません。たとえば、クラウド会計ソフトやワークフローシステムなどは、「業務システム費用」や「ソフトウェア利用料」として処理するのが適切です。
通信インフラと業務機能の区別をつけて仕訳することで、会計の透明性が高まります。
会計システムや経費精算システムなど、業務の効率化や経理処理に直接関係するシステムの費用は、「業務システム費用」として区分することが推奨されます。これらは通信回線を介してサービスを利用する場合でも、通信そのものではなくシステム利用の対価であるため、通信費とは分けて処理します。
請求書の内訳や契約書の内容をよく確認し、分類の根拠を記録しておくことが大切です。
多拠点企業の場合は通信費の請求書が大量に届き、仕訳や配賦の手間が増えている場合は、請求書の一元化や電子化による効率化が有効です。通信費の分類や配賦を正確かつ迅速に進めるためにも、煩雑な請求業務を整理できる仕組みを取り入れることで、経理部門の負担軽減と会計処理の質向上につながります。
毎月受け取る通信費の請求書枚数を入力するだけで、削減できる請求書の枚数とコストの目安を無料で試算できます。興味のある方は、コストシミュレーションを活用してみてはいかがでしょうか。
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ZoomやSlackなどのクラウド型コミュニケーションツールは、用途や契約形態によって経理処理の仕訳判断が複雑になりがちです。今回解説した三つの基準、すなわち「利用目的が通信か業務機能か」「資産性や将来効果があるか」「継続課金か単発か」という観点で仕訳を整理することで、判断の迷いが減り、経理業務全体の効率化につなげることができます。
実際、多拠点展開や部門ごとの利用が増える中、請求書管理や配賦作業の負担も大きくなっています。特に請求書の枚数増加や仕訳・支払処理の煩雑さに直面している場合、管理の仕組みそのものを見直すことで大きな業務改善が期待できるでしょう。判断が難しい場合は、税理士や専門機関に相談することをお勧めします。
ZoomやSlackのようなクラウド型ツールの費用に加えて、固定電話、携帯電話、インターネット回線などの通信事業者からの請求書もまた、経理担当者を悩ませる大きな要因です。特に多拠点展開している企業では、各キャリアからの大量の請求書処理、部門ごとの複雑な配賦作業が、経理業務の負担を著しく増加させています。これはZoomやSlackの仕訳とはまた異なる、従来の通信費が抱える課題の一つです。
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