更新日:2024.12.27
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請求書のルールは法律も関係するものであることから、正確にすべてを理解している方は多くありません。ただ、理解しておかなければ、取引先とのトラブルに発展しかねません。
取引先に請求書をFAXで送信する際も同様で、注意点を理解しておくことで、トラブルが発生する可能性を低くできます。さらに、請求書をFAXで送信した場合は送信後にもやるべき業務があるため、あわせて理解しておきましょう。
本記事では、請求書をFAXで送って問題ないのか、送るときの注意点を解説します。機種ごとに異なる請求書の保管方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
事前に許可を取っていれば、請求書をFAXで送ることはビジネスマナー上、問題ありません。
ただし、FAXで請求書を送ることは一般的ではないため、事前の金額確認として取引先から求められたときのみにしましょう。自社都合で請求書をFAXで送ると、取引先からあまり良い印象を持たれない可能性があります。
また、法律では請求書の原本は法人では7年間、個人事業主では5年間の保管が義務となっており、FAXで送るだけでは不鮮明なものが取引先に残る可能性があります。取引先にFAXで請求書を送ったとしても、後から郵送や電子データで送り直しておくと取引先に税務調査が入ったときも安心です。
請求書をFAXで送るときは、以下4つの点に注意しましょう。
注意点を理解しないまま請求書をFAXで送ると、マナー違反と見られ取引先を不快にする可能性があります。
請求書をFAXで送るときは、紛失や破棄を避けるために送付状を添えましょう。送付状に担当者や宛先を記載しておくことで、受け取った人が別の社員でも、担当者へスムーズに請求書を引き継げます。
請求書をFAXで送るときの送付状には、下記の内容を記載しましょう。
送付枚数は「送付状含め〇枚」と記載しておくと全体の枚数が明確になり、取引先が確認しやすくなります。
FAXで請求書を送ったあとは、取引先に原本を郵送するか電子データを送りましょう。郵送か電子データで希望があれば、取引先に確認しておくと二度手間を防げます。
2024年1月1日以降、複合機でFAXを送受信した請求書は電子取引として扱われ、原則として電子データでの保存が義務付けられています。しかし、FAXは文字が不鮮明になる可能性もあり、税務調査が入ったとき先方に迷惑をかける可能性があるため、メールで電子データをあわせて送っておくと安心です。
取引先が紙を読み取って送るタイプのFAXを使用している場合は、郵送で原本を送るか確認しましょう。また、原本を取引先に郵送するときは自社の控えを忘れずにとりましょう。
FAXは電話番号やFAX番号を入力して相手に送りますが、番号を間違えるとほかの人に書類が送信されます。誤って送信すれば情報漏洩になり、信頼関係が悪化しかねません。
FAXで請求書を送るときは、送信前に電話番号やFAX番号を確認しましょう。毎月同じ取引先へ請求書をFAXで送るときは、電話帳に番号を登録しておくと、ミスが防げます。
また、初めてFAXを送る取引先であれば、一旦テスト用紙のみ送信して、無事に届いたことを電話で確認してから請求書を送る方法もおすすめです。
取引先へFAXを送信したら、無事に届いたか電話で確認しましょう。FAXは電話回線を使用するため、取引先が通話中の場合には送信できません。また、取引先のFAXに問題があれば、こちらにミスがなくても届かない可能性があります。
FAX送信後に電話しても相手につながらないときは、請求書を確認したら連絡が欲しい旨を伝言に残しましょう。もしくは、同じ内容をメールで送信しておくと、手が空いた際に返信ができる可能性が高まります。
FAXで請求書を送るときは、送付状を一緒に送りましょう。送付状を添えることで宛先の確認ができ、請求書を誰に渡して欲しいのか、受け取った人が担当者でなくても一目でわかります。
送付状 〇〇株式会社 〇〇部〇〇 〇〇様 送信日:令和〇年〇月〇日 株式会社×× 自社の住所 連絡先電話番号 FAX番号 △△部 △△ △△ 拝啓 貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 下記の書類を送付致します。ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。 敬具 記 送付書類:〇月分請求書 1通 送信枚数:2枚(送付状含む) 以上 |
送付状を作成するときは、紙面の一番上にタイトルとして「送付状」と記載しておくと、受け取り手がすぐに内容を理解できます。
また、送付状には送信元として自社の住所や電話番号を記載しておきましょう。取引先が連絡をとりたいときや、万が一誤って送信したときに、受け取った人が誤送信を連絡してくれる場合があります。
なるべく文章は簡潔に記載し、読み手の手間を減らしましょう。
FAXで送受信した請求書は、複合機を使用しているか、紙の文書を読み取って送るタイプの機種かによって、保管の方法が異なります。
複合機を使用している場合は、請求書を電子データでやりとりしている扱いになるため、電子帳簿保存法における保存要件が適用されます。一方で、紙の文書を読み取るタイプのFAXは電子帳簿保存法にあてはまらないため、受け取った用紙のまま保管が可能です。
ただし、紙の文書を読み取るタイプのFAXで届いた書類は不鮮明な場合も多いため、なるべく郵送で原本のやりとりをしましょう。
本記事では、請求書をFAXで送って問題ないのか、送るときの注意点を解説しました。
ビジネスマナーでは、事前に先方から求められていれば、請求書をFAXで送ることは問題ありません。その際、FAX送信後は原本が取引先に渡るよう手配しましょう。
請求書の原本は法律上、法人であれば7年間、個人事業主であれば5年間の保管が義務付けられています。請求書の原本が取引先の手元にないと、税務調査が入ったとき相手に迷惑をかける恐れがあります。
また、FAXで請求書を送る場合は取引先が使用している機種で紙と電子データ、どちらの原本が必要か異なります。送信時にあわせて確認しておくと、スムーズにやりとりできるでしょう。