更新日:2024.09.27
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経理業務の中でも、請求書の処理業務は特に手間がかかるケースが多く、改善の余地があります。請求書処理を効率化するには、まず請求書処理業務の流れを理解しうた上で、システム化すべきポイントを探しましょう。
請求書処理業務の効率化を怠ったまま業務を進めていると、業務がひっ迫し売掛金の未払いミスが発生し、担当者の業務負担の増加につながる恐れがあります。
本記事では、請求書処理業務の流れやよくある課題、その解決策としての一括請求サービスのメリットを分かりやすく解説します。
請求書を受領し支払を確定する請求書処理は、業務効率化できる場合があります。請求書の処理業務には、経理部門だけでなく購買部門や財務部門など、さまざまな部署が関わります。一例として以下のような業務フローを描くことができます。
請求書処理業務の流れや各分野がすべきことを整理し、業務効率化のポイントを探しましょう。ここでは、請求書を受け取ってから支払を完了させるまでの請求書処理の流れを、7つのステップに分けてみていきます。
まずは支払が必要な請求書を受領します。請求書の受領方法は郵送で届く場合や、電子メールで送付される場合、専用のWebサイトからダウンロードする方法など形式はさまざまです。
請求書を受領するのは主に顧客接触がある担当者が多く、その後経理部門の担当者に受け渡す流れになります。
請求書を受領したら請求内容に目を通し、誤りや不明な点がないかチェックします。チェックが必要なのは、主に以下の9項目です。
2023年10月1日から始まるインボイス制度に対応した適格請求書や、繰越金の記載がある請求書など、経理部門以外の事務員ではチェックするのが難しい請求書もあります。経理部門との情報共有をしっかりと行うことが大切です。
請求書の内容に問題がなければ、支払依頼書を作成します。支払依頼書とは、請求書に記載された買掛金などの支払について、経理部門に承認を求めるための書類です。請求書と似ていますが、取引先から発行を受ける請求書と違い、社内の承認プロセスで使用するための書類を支払依頼書と呼びます。
経理部門の担当者は、会計システムなどを活用し請求書に記載された項目を帳簿に記載しましょう。複数の振込を一つにまとめるファームバンキング(FB)を活用する場合は、Excelなどを使い全国銀行協会(全銀協)のフォーマットに沿ったFBデータを作成します。
支払依頼書を提出し、各部門の上長から支払の承認を受けたら、期限までに支払を実行します。内部不正の防止の観点から、請求書の支払は取引内容の記帳を行った担当者ではなく、別の人が行うことが望ましいです。経理部門の人員が不足している場合は、同じ担当者が支払を実行します。
請求書の支払が完了したら、会計システムなどの買掛金や未払金の残高と突き合わせ、完了分の消込を行います。この作業を支払消込と呼びます。支払消込の過程でミスがあると、支払の残高を適切に管理できなくなるため、以下の2点を意識することが大切です。
支払が完了した請求書は、必ず原本を保管する必要があります。また請求書の保存期間は、法律によって7年間と定められています。(※)
請求書処理のよくある課題は、大きく分けて4つあります。
特に解決すべき課題が、請求書の受領方式が紙、FAX、電子データ、Web請求書など複数の方法だった場合に取りまとめに時間がかかる点です。電子帳簿保存法の改正により、請求書の原本を保管するルールが変わったため、新しい方式に対応する必要もあります。請求書処理に関する課題を整理し、解決策を検討しましょう。
請求書を電子データで発行するサービスや、専用のWebサイトで交付するサービスが増えた結果、請求書の受領はさまざまな方法でできるようになりました。経理部門に届く請求書には、紙、FAX、電子データ、Web請求書など複数のフォーマットがあります。そのため、異なるフォーマットの請求書を取りまとめる手間が発生し、経理業務の効率化が進まない要因の一つになっています。
2022年1月に電子帳簿保存法が改正され、電子データで受け取った請求書は、一部条件下を除き(※1)、電子データを原本として保管することが義務付けられました。(※2)
電子データで交付された請求書を印刷し、紙で保管することは認められません。請求書のペーパーレス化が進んでいない場合は、紙と電子データの原本を二重に保管する手間がかかります。
※参考1:財務省.「電子取引データの出力書面等による保存措置の廃止(令和3年度税制改正)に関する宥恕措置について」
従来の請求書処理の流れでは、支払依頼書を発行し、各部門の上長から承認を貰う必要がありました。請求書や支払依頼書を紙で管理している場合は、承認を貰うたびに記名押印の手間がかかるため、承認プロセスに時間がかかります。
請求書のペーパーレス化に取り組み、電子署名などを用いて承認プロセスを電子化することで、請求書処理の効率化につながるでしょう。
請求書処理のフローが多いと、金額の計算や記入の抜け漏れが発生し、請求書の未払いにつながるリスクがあります。
請求業務全般の効率化や、抜け漏れ確認を徹底する方法については【請求業務を効率化する方法!業務の課題点に合わせて解決策を解説】でも解説しています。
企業活動において欠かせない請求書処理。しかし、どの部署が担当すべきか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ここでは、請求書処理を担う部署の候補を解説してきます。
経理部は、企業の財務状況を管理し、資金の流れを把握する専門部署です。
請求書処理は、企業の支出を把握し、適切な会計処理を行う上で非常に重要な業務です。経理部が担当することで、専門知識と経験を活かした正確な会計処理、内部統制の強化、そして請求書の電子化やワークフローシステムの導入による効率化が期待できます。
購買部は、企業が必要とする物品やサービスを調達する部署です。請求書処理は、購買部が注文した物品やサービスに対する支払いを確認し、適切な処理を行う上で重要な業務となります。
購買部が請求書処理を担当するメリットは、発注内容と請求書の内容を照合できる点、契約書に記載された支払条件と請求書の支払条件が一致しているかを確認できる点、そして請求書に記載された物品やサービスが実際に納品されたかを確認できる点です。
総務/事務部は、企業の庶務業務全般を担当する部署です。請求書処理は、総務/事務部が受け取った請求書を適切な部署に転送し、処理状況を追跡する上で重要な業務となります。
総務/事務部が請求書処理を担当するメリットは、郵送やメールで届いた請求書を受け取り、適切な部署に転送できる点、請求書の処理状況を追跡し、支払期限までに処理が完了するように管理できる点、そして処理が完了した請求書をファイリングし、適切に保管できる点です。
営業部は、企業の製品やサービスを顧客に販売する部署です。請求書処理は、営業部が顧客に発行した請求書の内容を確認し、入金状況を追跡する上で重要な業務となります。
営業部が請求書処理を担当するメリットは、顧客に発行した請求書の内容が正しいかを確認できる点、顧客からの入金状況を追跡し、未入金の場合には督促を行うことができる点、そして顧客とのコミュニケーション機会を増やし、関係を強化できる点です。
請求書処理を各部署に分散して任せることは、一見するとそれぞれの部署の専門性を活かせるように思えます。しかし、実際にはいくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解し、自社にとって最適な請求書処理体制を構築することが重要です。
請求書処理を各部署に任せる場合、担当者によって処理方法や進捗管理が異なる可能性があります。これは、業務の属人化に繋がり、特定の担当者が不在になった場合に業務が滞ってしまうリスクを高めます。
例えば、経理部とは異なる処理方法を用いている購買部の担当者が急遽休暇を取った場合、他の社員がスムーズに請求書処理を引き継げないかもしれません。
各部署が個別に請求書処理を行うと、処理に関する情報が部署内に留まり、他の部署との情報共有が不足しがちです。
例えば、営業部が顧客への入金確認を怠り請求書を発行し、経理部がその請求書に基づいて支払処理をしてしまうと、二重支払いが発生する可能性があります。
各部署がそれぞれで請求書処理を行うと、同じような作業を重複して行うことになり、非効率な処理に繋がります。
例えば、各部署がそれぞれ紙の請求書を保管していると、保管スペースが増えるだけでなく、必要な請求書を探す手間も増えてしまいます。
請求書処理の効率化をしたいなら、電気、水道、ガスなどの公共料金の請求書や通信系の会社から届く請求書を一本化し、毎月1回決まったタイミングで受け取れる株式会社インボイスの一括請求サービス「OneVoice公共」 の利用がおすすめです。
株式会社インボイスが提供する一括請求サービス「OneVoice公共」を利用するメリットは大きく分けて3つあります。
「OneVoice公共」のメリットを一つずつみていきましょう。
一括請求サービスを利用すれば、さまざまなサービスから届く請求書のフォーマットが統一され、見やすくなります。2023年10月から始まるインボイス制度に伴い、最新法令に対応した適格請求書のフォーマットで請求書をダウンロードすることが可能です。
請求書を紙で管理している場合、記名押印に基づく承認プロセスに時間がかかるという問題点を説明しました。また、紙の請求書と電子データの請求書が混在していると、紙と電子データの原本を二重に保管する手間もかかります。
一括請求サービスを利用すれば、全ての請求書がペーパーレス化されるため、請求書の原本を一つにまとめて管理することができます。
一括請求サービスの利用手続きは、直近1~2カ月分の請求書をインボイスに預けるだけです。支払先の事業者に対し、連絡や手続きを行う必要はありません。また、請求書のペーパーレス化にあたって、自社にシステムを導入する必要もありません。
インボイスから送られてくる請求書を待つだけで、請求書の移行手続きが完了するため、手軽にサービスを利用できます。煩雑な請求処理業務に悩んでいる企業や、請求書のペーパーレス化に取り組みたい企業は、インボイスの一括請求サービスをご活用ください。
請求書の処理業務は、請求書の受領から消込までに多くの作業が発生します。特に手間がかかり、ミスをしやすいところでは各契約先から受領する請求書の取りまとめです。請求書の受領方式が紙や電子データなど複数の方式の場合は、さらに取りまとめに時間がかかってしまいがちです。
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