更新日:2026.03.10

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バックオフィスは、会社の業務を支える重要な基盤ですが、効率化や改善への投資は後回しになりがちです。コストや社内の調整などの壁から、導入の検討がなかなか進まないケースも少なくありません。
この記事では、株式会社インボイスが発行する「バックオフィスの業務効率化"コストをかけられない"問題を徹底調査」(対象:275人)をもとに、業務効率化の現状や導入のハードル、投資判断の実態を整理しました。
限られた予算や社内の制約があっても、バックオフィスの効率化に向けた一歩を踏み出す参考として読んでいただければと思います。
企業のバックオフィスでは、効率化に向けた取り組みが少しずつ進んでいます。業務効率化の取り組み状況をみると、「積極的に取り組んでいる」(35.1%)と「一部取り組んでいる」(30.2%)を合わせると、6割以上の企業が効率化に向けた行動を始めていることがわかります。
ただし、「取り組みたいができていない」(15.3%)という企業もあり、必要性は感じているものの、実際の着手には至っていないケースも少なくありません。また、「特に何もしていないし、取り組みたいとも思っていない」(12.7%)という企業も一定数あり、効率化の重要性が十分に浸透していない状況も見て取れます。
バックオフィスは会社の事業を支える大事な基盤ですが、投資対象として後回しにされがちです。まずは効率化の必要性を整理し、着手しやすい領域から改善を進めていくことがポイントです。
【 Q 現在バックオフィスの業務を効率化するために取り組んでいることはありますか? 】

業務効率化のためのツールや仕組みの導入については、「頻繁にある」(21.6%)や「何度かある」(38.8%)が過半数を占め、さらに「ごくたまにだけある」(11.9%)を加えると、7割以上の企業が何らかの導入検討を行った経験があることがわかります。
しかし、実際に費用をかけて改善に取り組んだ企業は「よくある」(21.3%)や「何回かある」(41.4%)を合わせても6割にとどまり、約3割以上の企業はまだ投資に踏み切れていない状況です。一方で、「一度だけある」(5.6%)は少数で、投資している企業の多くは複数回にわたり改善に取り組んでおり、前向きな傾向がうかがえます。
また、ツール導入を「検討したことがない」企業は20.1%、「費用をかけたことはない」企業は23.1%で、バックオフィスが投資対象として後回しにされやすい実態も見えてきます。
こうした結果から、バックオフィス改善は課題として認識されているものの、投資にまで踏み切れる企業はまだ限定的です。少額から始められる取り組みや、費用対効果を見える化する工夫を通じて、着手のハードルを下げることが重要だといえます。
【Q バックオフィスの効率化に向けたツールや仕組みを導入検討したことはありますか? 】

【 Q バックオフィスの効率化に向けて、費用をかけて取り組んだことはありますか? 】

調査によると、「全て見送りになった」(8.2%)、「ほとんど見送りになった」(24.2%)、「おおよそ半分見送りになった」(27.8%)を合わせると、6割以上の企業で検討したツールの多くが採用に至っていないことがわかりました。
最も多かったのは「少し見送りになった」(30.4%)で、ある程度導入できている企業でも、すべてのツールを採用できるわけではない実態がうかがえます。これは、コスト制約や社内調整の難しさなど、バックオフィス特有のハードルが影響していると考えられます。
一方で、「全く見送りにならなかった」(6.7%)という企業は少数で、必要なツールをすべて導入できた例はごく限られています。
こうした結果から、バックオフィスでは"検討しても前に進まない"状況が常態化しており、効率化を妨げる課題が依然として存在していることがわかります。
【 Q バックオフィス効率化のために検討したツールや仕組みのうち、どの程度が導入見送りとなりましたか? 】

効率化施策が進まなかった理由として、まず大きな要因となっているのが金銭的ハードルです。「維持費用が見合わなかった」(54.0%)や「初期費用が高かった」(42.0%)といった声が目立ちます。
さらに、「稟議が通らなかった」(34.1%)や「社内の理解が得られなかった」(33.0%)など、意思決定プロセスの壁も影響しています。バックオフィスは利益に直結しづらく、投資の妥当性を示す説明が難しいことも要因の一つです。
加えて、「社内リソースが不足していた」(33.5%)や「忙しくて検討の時間がなかった」(18.8%)といった、人手や時間の制約も検討を妨げています。「効果が見えづらかった」(17.0%)という声もあり、費用対効果を把握しづらい点も課題です。
こうした金銭面・組織面・リソース面の壁が重なり、多くの企業で施策の導入に踏み切れない現状が見えてきました。
【 Q バックオフィスの効率化に向けたツールや仕組みの導入を見送った理由は何ですか? 】

バックオフィス効率化ツールの導入が見送りになる理由として、コスト面のハードルが大きいことが分かりました。では、なぜ多くの企業がバックオフィスにコストをかけられないのでしょうか。
バックオフィスの改善が進みにくい理由の調査では「効率化の優先順位が低い」(34.0%)が最も多く、日常業務に追われて改善が後回しになりやすい状況が見えてきました。
また、「IT知識が足りない」(30.1%)や「具体的な改善策が見つからない」(15.4%)など、スキルや知識の不足が検討を妨げる要因として挙げられています。
さらに、「社内にコストをかけたくない空気がある」(28.8%)や「他部門の協力が得られない」(21.8%)といった組織体制の壁も大きく、バックオフィスは成果が見えにくい分、効率化の必要性が伝わりにくい現状がうかがえます。
一方で、「特にない/わからない」(17.9%)という回答もあり、阻害要因が明確になっていないケースも散見されます。
こうしたことから、効率化を進めるにはコスト意識の見直しと、改善の優先順位を明確にすることが欠かせません。
【 Qバックオフィスの業務改善が進みにくい理由を教えてください 】

バックオフィス改善に対して、「今のままで問題ない」「大きな投資は必要ない」といった現状維持の空気が根強いことは、効率化が進まない大きな原因のひとつです。調査では、こうした空気を「とても感じる」(15.7%)、「やや感じる」(49.3%)と回答した企業が6割を超え、多くの職場でバックオフィスへの投資が後回しにされている実態が浮かび上がりました。
一方で、「あまり感じない」(19.4%)や「まったく感じない」(9.7%)と回答した企業も一定数あり、改善投資が前向きに議論されやすい環境との差ははっきりしています。さらに、こうした社内の空気が実際に業務改善の妨げになっていると感じるかの調査では、「少し感じる」(55.2%)と「強く感じる」(28.7%)を合わせると8割以上にのぼります。
バックオフィスは直接売上を生む部門ではないため、投資対効果が分かりにくいと考えられがちです。しかし、効率化が進まないままだと、日々のムダな作業や属人化が積み重なり、長期的にはコスト増や生産性低下につながります。「投資するほどではない」という空気に流されることで、改善の機会を逃してしまう点は、無視できない課題です。
【 Q 社内で「バックオフィスにコストをかけるくらいなら、現状維持でいい」という雰囲気を感じることはありますか? 】

【 Q 「バックオフィスにコストをかけるくらいなら、現状維持でいい」という社内の雰囲気が、業務改善を妨げていると感じることはありますか? 】

これまで見てきたように、バックオフィス改善にはコストや社内調整のハードルがあり、投資に踏み切れない企業も少なくありません。
では、法改正への対応をきっかけに予算はつきやすくなっているのでしょうか。
インボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正への対応が進む中でも、バックオフィスへの予算がつきやすくなったと感じる企業は、「かなり感じる」(12.3%)と「少し感じる」(34.0%)を合わせても全体の過半数には届きません。
一方で、「あまり変わらない」(29.9%)と答えた企業からは、従来と同じようにバックオフィスへの投資が後回しになりやすい状況が続いていることがうかがえます。さらに、「むしろ厳しくなった」(10.1%)と感じる企業もあり、法対応の必要性があっても、コストの壁は依然として重くのしかかっていることがわかります。
このことから、法改正をきっかけにしても、バックオフィスは依然として「コストをかけにくい領域」であるという課題が残っていることが見えてきます。
【 Qインボイス制度や電子帳簿保存法への対応で、予算が付きやすくなったと感じますか? 】

ここまでの調査から、バックオフィス改善には投資判断のハードルが高く、コストや組織の壁が効率化の妨げになっていることが分かりました。では、費用対効果が明確に見えている場合、企業はどのように導入判断をしているのでしょうか。
調査では導入費用以上のコスト削減効果が見込めても、「すぐ検討したい」(19.8%)と積極的な層は2割弱にとどまり、多くは「条件次第で検討する」(54.5%)と回答しており、導入判断には慎重さが強く残っています。
一方で、「あまり魅力を感じない」(10.1%)や「検討しないと思う」(7.5%)と、効果が明確でも投資に踏み切れない層も一定数存在します。これは、バックオフィスへの投資判断が保守的になりやすい現状を反映しています。
全体として、費用対効果が分かっていても、心理的・組織的なハードルが高く、バックオフィス投資が進みにくい実態が浮き彫りになっています。
【 Q バックオフィス業務において、導入費用よりもコスト削減効果が大きいと試算された場合そのツールの導入を検討しますか? 】

今回の調査から、バックオフィスでは改善に向けた取り組みが進みにくい現状が明らかになりました。業務効率化への取り組み自体は一定程度進められていますが、いまだ3割以上の企業は投資に踏み切れていない状況です。改善の必要性を認識しつつも、意思決定が慎重になりがちであることが分かります。
その背景には、コストや社内調整の難しさ、人手や時間の不足といったハードルが存在しています。さらに、社内に「今のままで問題ない」「大きな投資は必要ない」といった現状維持の空気が根強く、効率化の前進を妨げる要因となっているケースも少なくありません。こうした状況から、バックオフィスへの投資判断はどうしても保守的になりがちです。
バックオフィス改善を前に進めるためには、少額から始められる取り組みや費用対効果の可視化、優先順位の整理が重要です。現状維持の空気に流されず、現場の課題やムダを明確に示すことで、社内の理解や協力を得やすくなります。
本コラムでは、以下のポイントについても詳しく紹介しています。
限られた予算や社内の制約の中でも、効率化に向けた一歩を踏み出す参考として、ぜひご活用ください。