更新日:2026.03.10

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経理部門は、日々の取引処理から決算、法制度対応まで幅広い業務を担っています。
近年は、DXや業務効率化の必要性が叫ばれる中で、現場ではどのような悩みや課題が感じられているのでしょうか。
そこで今回は、株式会社インボイスが発行する「経理管理職のお悩み調査」をもとに、経理部門の現状を整理します。管理職がどのような点に悩み、どこに課題を感じているのかを知ることで、自社の経理体制を見直すヒントを探っていきます。
管理職として最も強く感じている悩みとして多く挙げられたのが「業務量の多さ」(25.6%)でした。日々の経理業務に追われ、余裕を持って業務改善や育成に取り組めていない状況がうかがえます。
次いで「業務の属人化」(20.5%)が多く、特定の担当者にしか分からない業務が存在することで、引き継ぎや効率化が進みにくくなっている可能性も考えられます。
また、「人間関係の板挟み」(15.4%)や「新人の育成」(11.5%)といった、人や組織に関わる悩みも一定数見られました。一方で「特にない」(17.3%)という回答もあり、課題の感じ方には部門や環境による差があることも分かります。
【 Q 管理職として最も強く感じているお悩みを教えて下さい。 】
属人化を感じる業務として最も多く挙げられたのは「年次・月次決算」(39.7%)でした。専門性が高く、経験や判断が求められるため、特定の担当者に業務が集中しやすいと考えられます。
次いで「支払業務」(34.0%)が多く、日常的に発生する業務でありながら、ミスの影響が大きいため、限られた人が対応しているケースも少なくないようです。
そのほか、「仕訳」(28.8%)や「受領請求書の処理」(28.8%)、「請求書の発行」(25.0%)、「税務申告」(25.0%)など、業務の種類や頻度を問わず、幅広い業務で属人化が起きている実態が見えてきました。
【 Q 現在、属人化を感じる業務を教えて下さい。 】
効率化したい分野として最も多く挙げられたのは「決算」(60.9%)でした。次いで「会計」(58.0%)、「経費精算」(56.5%)と続いており、作業量が多く、正確性が求められる業務ほど負担を感じやすいことが分かります。
また、「発行請求書」(49.3%)や「支払」(47.8%)といった取引に関わる業務も半数近くが効率化を望んでおり、日々の積み重ねが負担になっている様子がうかがえます。
この結果から、経理部門では特定の業務だけでなく、全体的に業務の見直しや効率化が求められている状況と言えそうです。
【 Q お勤め先の経理部門では、効率化したい分野はありますか? 】
DX・システム化への対応状況を見ると、取り組みが進んでいる企業と、そうでない企業で差があることが分かりました。「完全対応」(3.2%)と「概ね対応」(35.3%)を合わせると約4割が前向きに取り組んでいます。
一方で、「対応が遅れている」(27.6%)や「対応したいが出来ない」(8.3%)、「対応できていない」(13.5%)を合わせると約5割にのぼり、思うように進められていない企業も多い状況です。
「必要性を感じていない」(5.8%)は少数であり、DXの重要性は理解されているものの、実行に移す難しさが課題となっていることがうかがえます。
【 Q お勤め先の経理部門における、DX・システム化への対応状況を教えてください。 】
人材面で具体的に不安に感じている点として最も多かったのは「スキル偏在」(59%)でした。特定の担当者に業務や知識が集中していることが、部門運営のリスクになっていると考えられます。
次いで「若手不足」(58%)が高く、将来的な業務継承や体制維持への不安も強いことが分かります。さらに、「高齢化」(33%)や「採用困難」(27%)といった回答からは、年齢構成の偏りや採用の難しさが、経理部門の人材体制や持続性に影響している様子がうかがえます。
これらの結果から、経理部門では人材の量だけでなく、スキルや世代バランスといった質の面でも課題を抱えていることが見えてきました。
【 Q お勤め先の経理部門における人材について具体的にどのような事が不安に感じますか? 】
今回のアンケート結果から、経理管理職が抱える悩みは、業務量や属人化といった日常業務の負担に加え、人材不足やDX対応の遅れなど、部門全体の構造に関わる課題であることが分かりました。
多くの企業で効率化やDXの必要性は認識されているものの、人材や体制の問題から、思うように取り組めていないケースも少なくありません。また、特定の人に業務が集中している状況や、若手不足への不安は、将来的なリスクにもつながります。
経理業務に携わる方にとって、これらの課題は決して他人事ではありません。自社の業務がどこで属人化しているのか、どの業務に負担が集中しているのかを知ることが、改善への第一歩になります。
さらに、
などのテーマについて、調査結果をもとに詳しく整理しています。自社の経理体制や日々の業務を見直すヒントとして、ぜひダウンロードしてご活用ください。