更新日:2024.08.23
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請求書を作成する際、振込口座の書き方で戸惑うことはありませんか? 「金融機関名はどう書くべき?」「口座名義は漢字?カタカナ?」など、ちょっとした疑問が積み重なると、請求書の作成に時間がかかってしまいますよね。
書き方を間違えると、入金遅延や最悪の場合、入金されないといったトラブルに繋がる可能性も。
この記事では、請求書における振込口座の正しい書き方から、金融機関名、注意点までを徹底解説します。
この記事でわかる内容
請求書に正しく振込先を記載していない場合、期日までに入金がされず正常な会計処理ができなかったり、取引先を困惑させてしまったりすることになります。
スムーズな取り引きを行うためにも、請求書は次の4つのポイントをおさえて正しい形で発行しましょう。
振込先の情報のひとつが、振込先となる銀行などの金融機関名とその支店名です。
都市銀行や地方銀行の場合、通帳に支店名が記載されていることが一般的ですが、ゆうちょ銀行の場合は通帳に記載されている記号(5桁の数字)から支店名を割り出します。「〇〇八」や「〇〇九」など、記号の2~3桁目の数字に8または9を付けた3桁の数字が支店名となります。
金融機関コード(4桁の数字)や支店コード(3桁の数字)については必ず記載しなければならないという決まりはありません。しかし、インターネットバンキングや窓口を利用して振り込む際に、金融機関コードや支店コードを記載しておくことで取引先の振込がスムーズに行える可能性があるため、可能であれば記載しておいたほうが親切といえるでしょう。
金融機関コードや支店コードは、銀行名や支店名の代わりとして記載するのではなく、あくまでもあわせて記載する形にしましょう。銀行名や支店名に金融機関コードや支店コードを添えることで、混同しがちな銀行名や支店名があっても判別しやすくなるというメリットもあります。
なお、金融機関コードや支店コードは通帳などで確認できるほか、全国銀行協会のホームページからも確認できます。(※)
※出典:一般社団法人 全国銀行協会.「銀行の店舗を探す」.https://www.zenginkyo.or.jp/shop/,(入手日付:2023-01-26).
振込先の情報のなかでもとくに重要であり、間違えやすい項目が口座番号です。一般的に口座番号は7桁の数字で構成されているため、まずは7桁であることを確認しましょう。
しかし、ゆうちょ銀行などでは7桁ではないケースもあるため注意が必要です。ゆうちょ銀行の場合、8桁であれば末尾の1を除いた数字、7桁に満たないときは桁の最初に数字の0をつけて「0●●●●●●」や「00●●●●●」といった形で記載します。
口座の種類は「普通口座」または「当座預金口座」の2種類になります。口座の種類がどちらであるのかも記載しましょう。
口座の種類は、口座番号とともに「普通 ●●●●●●●」「普通)●●●●●●●」など、一列に記載されることが一般的です。
金融機関に登録されている振込先の口座名義をカタカナで記載します。
個人事業主が屋号で口座を開設している場合は屋号、または屋号+個人名を記載し、屋号がない個人事業主の場合は個人名を記載します。
窓口で手続きをする場合、振込先の名義が少しでも異なっていると振込手続きができません。ATMやインターネットバンキングから振込を行う場合は、選択した支店名と口座番号に誤りがなければ支店名や口座番号に紐づけられた振込先の名義が自動的に表示されます。
金融機関名の書き方は、書類の種類によって異なります。
振替納税や確定申告書など、国税庁が指定する書類の場合、金融機関名は正式名称または略称で記入します。 正式名称と略称が異なる場合があるので、事前に確認しておきましょう。例としては以下の通りです。
預金口座振替依頼書や請求書などの場合、金融機関名は正式名称で記入するのが一般的です。例としてはかの通りです。
振込口座先の書き方には、特に決まったルールはありませんが、以下の情報を漏れなく記載することが重要です。
これらの情報を、分かりやすく、誤解がないように記載しましょう。
例えば、以下のような書き方が代表的です。
ただ、ゆうちょ銀行の場合、支店名は「記号」から判断します。(例:記号12345→一二三店)。また、口座名義は、銀行に登録されている通りに正確に記載しましょう。誤字脱字がないか、必ず確認しましょう。
請求書には正式な書式が定められてはいないものの、スムーズに振込手続きを完了させるためには、先述した内容に加え、いくつかの注意点を踏まえたうえで作成する必要があります。ここからは、請求書に振込先を記載する場合の注意点を紹介します。
振込手続きの際には、銀行などの金融機関にて振込手数料が発生します。振込手数料は金融機関や支店、振込金額、振込方法などによってさまざまです。1回あたりの振込手数料が高額になることはありませんが、複数の取引先がある場合や、1年に何度も振込手続きがある場合は大きな出費にもなりかねません。
振込手数料の負担に関して、法律上明確に示されているわけではありません。しかし、原則として振込手数料は債務者となる発注側が負担することが一般的です。
事前に取り決めがある場合は、その取り決めに沿って対応するため、トラブルを防ぐためにもあらかじめ正式に取り決めておくとよいでしょう。また、請求書には振込手数料の負担に関する記載をしておくとよりわかりやすいでしょう。
請求書に記載する名義は、手続きを正常に行ううえでもとくに注意すべき項目です。口座名義が法人の場合、名義には略称を使用してください。ここでいう略称とは具体的に次のような記載方法を指します。
種類の例 |
略称を使用した場合
|
株式会社 | (株) |
有限会社 | (有) |
合名会社 | (名) |
合資会社 | (資) |
合同会社 | (同) |
学校法人 | (学) |
一般社団法人・公益財団法人 |
(一社)・(公財)
|
医療法人・医療法人社団・医療法人財団・社会医療法人 | (医) |
営業所 | (営) |
略称にはさまざまな種類があります。不明な場合は金融機関に対して登録してある口座名義の確認を行いましょう。
法律上は押印の有無によって請求書の効力が変わることはなく、請求書に押印がない場合でも発注側が代金の支払いを拒否したり、支払いを滞らせたりすることはできません。
しかし商取引において、文書が本物であることを証明するためには押印が行われることが一般的であり、請求書についても同様です。これは日本の商取引における文化・慣習的な側面が大きいと考えられます。押印のない請求書よりも、押印のある請求書のほうが受け取る相手に安心感を与えやすいのです。
近年はペーパーレス化の流れから請求書や見積書の押印を省略する企業や自治体なども増えている一方、法律的には問題はなくとも、「押印がない=不正や改ざんをしやすい」などという理由から、押印のない請求書を受け付けないとしている企業も存在します。
そのため押印ができる状況であれば、押印のある請求書を作成したほうが無難であるといえるでしょう。
オンライン化やペーパーレス化によって、従来の郵送による書類送付ではなく、メールやクラウド上で書類をデータで送付をするケースが増えている昨今。メールやクラウド上で請求書を送付する場合でも、押印が求められることがあります。
この場合、メールやクラウド上で使用するのが電子印鑑です。電子印鑑には主に次の2種類があります。
印影を単純に画像データにしただけの電子印鑑は、実際の印影をスキャンしたものであるため、比較的簡単に利用できるというメリットがあります。しかし、複製することが容易なことから、不正や改ざんがされやすい点は大きなデメリットです。
一方、タイムスタンプが付与された電子印鑑は、使用時に電子印鑑の所有者や作成者などの識別情報がデータとして残るため、不正や改ざんがされにくいというメリットがあります。法務局へ申請することによって法的効力を持たせることも可能です。
ただし、印影を単純に画像データにした電子印鑑とは異なり、作成には費用と時間がかかるというデメリットがあるのも事実です。
請求書に電子印鑑を使用する場合は、取引先がどのような電子印鑑の使用を認めているのかを事前に確認しましょう。
源泉所得税とは、特定の所得に対して報酬から一定の税額を事前に徴収する制度のことです。この制度では、報酬を支払う側が所得税額を算出して、報酬から徴収した所得税を国へ納めます。
源泉所得税については請求書に必ず記載すべきものではありません。しかし、請求書に記載することによって、取引先の確定申告の手続きがスムーズになったり、源泉徴収税の回収漏れを防ぐことができたりします。
請求書には正式なフォーマットがあるわけではありませんが、振込先以外に次の項目も記載する必要があります。
また、2023年10月からはインボイス制度がスタートします。仕入税額控除を受けるための適格請求書の要件を満たすためには、以下の記載も必要です。
なお、請求書やインボイス制度については以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。(※)(※)
※出典:請求ABC.「請求書とは?必要な理由や確認すべきポイントを解説」. https://media.invoice.ne.jp/column/Invoices-and-receipts/with-invoice.html,(入手日付:2023/2/3).
※出典:請求ABC.「インボイス制度とは?対応するための必要な準備について簡単に解説」. https://media.invoice.ne.jp/column/invoices/with-invoice-system.html,(入手日付:2023/2/3).
商取引をするうえでは欠かすことのできない請求書。しかし、少しの記載ミスや書いてない項目などにより、大きなトラブルに発展する可能性もあります。今回ご紹介した内容を参考に、正しい書き方でスムーズな取り引きができる請求書を発行しましょう。
また、今後は電子帳簿保存法やインボイス制度に対応した電子請求書の依頼が増えることも予想されます。発行業務をより正確なものにしつつも業務のスリム化を図るなら、帳票発行の自動システム化をおすすめします。
帳票発行の自動クラウド型システム「OneVoice明細」では、シンプルな管理画面からの簡単な操作で、請求書をはじめとするさまざまな帳票の発行が可能です。面倒な発行業務を大幅に削減し、郵送費用などのコストも削減。再発行の手間もかかりません。
無料トライアルもご利用いただけますので、請求書の発行でお困りなら、是非お気軽にご相談ください。