更新日:2023.10.23
ー 目次 ー
商品やサービスを提供したのち、納品物に対する対価を請求するため発行する請求書は、取引先に正確な請求情報を伝え、スムーズなやり取りを行うためにも重要な書類です。
今回は、請求書の概要と請求書が必要となる理由、また、請求書を発行する際に記載すべき項目や気をつけるべき点について紹介します。
請求書を発行することで、依頼主の支払い忘れの防止につながるだけでなく、請求した内容の証明にもなります。
もし未発行の場合は、取引先から請求書がないことを理由に入金を拒まれる場合もありますので、忘れずに発行することが重要です。
1. 取引先の支払い忘れや支払いトラブルの予防
2. 取引があったことの証明
以下、具体的に請求書が必要な2つの理由について説明します。
また、契約書では取り決めていなかったものの、両者間で口頭のみの合意となっていたこと(特急料金の上乗せ料金や値引きがあった場合など)を請求書の備考欄などに記載しておくことで、のちの支払いトラブルを予防することにもつながります。
なお、取引の内容によっては請求書の発行をうけられない場合がありますが、その際には領収書で代用できます。
ただし、領収書で代用する場合には「取引のあった日付」「取引先社名」「取引の内容」「取引金額」「取引相手の氏名」といった項目が記載されている必要がありますので注意しましょう。
それでは、実際に請求書を発行する際に記載すべき項目について確認をしていきましょう。
取引先とのスムーズなやりとりを可能にするために、請求書発行時に記載する項目としては、以下の7つが挙げられます。
1. 宛名
2. 請求書番号
3. 請求書の発行日
4. 請求者の情報
5. 請求内容と金額
6. 振込先情報
7. 支払期限
以下、具体的にこれら7つの請求書への記載項目について解説します。
請求書番号を記載することで、他の書類との照合がしやすくなったり、請求書の管理がしやすくなったりという利点がありますので、ぜひ請求書発行の際には記載しておくとよいでしょう。
その際には、取引の年月日や請求内容についても詳細に記載しておくと、のちの支払いトラブル等も防げます。
なお、消費税については、小数点以下の切り捨て、切り上げについて取引先と確認をとっておきましょう。
合計金額欄には、消費税額と税抜きの合計金額をあわせたものを記載しておきます。
口座名義についてはカタカナで記載しておくようとよいでしょう。
また、振込手数料の扱いについてもあらかじめ両者で確認し、どのような形とするのかについても記入しておきましょう。
支払期限は、取引先とも確認の上で決定し、一方的に自社のルールで決めないようにしましょう。
支払期限を記載することは必須ではないものの、自社側での入金確認が可能となるほか、取引先側の入金忘れ防止にもつながりますので、ぜひ記載しておきましょう。
なお、国税庁では、請求書発行時の記載項目として、以下5つの項目について請求書への記載を推奨しています。[注1]
上述した7つの請求書記載項目のうち、下に示した5つの記載項目については、最低限おさえておくべき項目として、請求書への記載を忘れないよう、改めて認識しておくとよいでしょう。
1. 書類作成者の氏名又は名称
2. 取引年月日
3. 取引内容
4. 税込対価の額(税率ごとに区分して合計したもの)
5. 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
[注1]国税庁|No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm
1. 宛先には略称を使わない
2. A4サイズで作成する
3. 作成した請求書には捺印を忘れない
4. 取引後に遅滞なく発行する
5. 振込手数料についてもきちんと取り決めをしておく
6. 送付時にはカバーレターをつけ、メール便は使わない
以下、具体的に請求書を発行する際に気をつけたい6つのポイントを解説します。
そのほか、同姓同名の人への送り間違いを避けるため、在籍部署や肩書などについては、より詳しい記載を心がけるようにしましょう。
請求書を電子化する場合は、印章を画像ファイルに変換した電子印鑑で捺印するとよいでしょう。
請求書の発行が遅れることで、取引先側の手を煩わせることにもつながりかねません。
スムーズなやりとりとなるよう、相手側への心配りも忘れないようにしましょう。
また、請求書は信書にあたるため、メール便ではなく、普通郵便で送りましょう。
ビジネスにおいて、請求書が必要な理由について改めて確認し、請求書発行の際に記載しておくべき事項や発行の際に気をつけたい注意点を念頭においたうえで、内容に問題のない請求書発行を行うように心がけましょう。