更新日:2024.12.27
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領収書は現金における金銭授受の証明として発行します。この領収書は経費計上において必要となる書類で、企業の利益に大きく関わってきます。また、領収書は一定期間保管が義務付けられており、各企業は厳重に保管しています。
しかし、常に完璧な保管ができるわけではありません。領収書を紛失してしまうこともあるでしょう。では、領収書を紛失した場合どのような方法を取れば良いのでしょうか。また、領収書の再発行を依頼された場合はどうしたら良いのでしょうか。
そこで本記事では、領収書の再発行について詳しく解説します。領収書の再発行依頼や紛失について困っている企業の経理担当者の方はぜひ参考にしてください。
領収書は、取引における真実性を証明するための書類です。主に金銭取引において二重請求や過払いを防ぐ役割を持ち、金銭の授受があった際の事実証明として発行されます。商品やサービスを提供する側は金銭を受け取った証明として、購入や利用する側は領収書を受け取ることで金銭を支払った証明となります。
領収書は法人税法上において保存期間が7年となっています。また、領収書には再発行義務はないため、領収書を取り扱う場合は紛失のないよう厳重に保管する必要があります。領収書には決められたフォーマットが存在しませんが、以下の事項が記載されていることで効力が認められます。
領収書は本来再発行する義務はありませんが、取引先から再発行を依頼されるケースがあります。この場合どういった対応を取れば良いでしょうか。この章では、領収書の再発行を依頼された際の対応を3つ紹介します。
領収書は金銭授受において双方の取引を示す証憑になります。受領する側は一定期間保存する義務が生じ、厳重に保管しなければなりません。一方発行する側は、一度発行すれば不手際などがない限りは再発行の義務はありません。
また、領収書の再発行には大きなリスクがあります。例えば、紛失を理由に50万円分の領収書の再発行を求められたとします。このケースで発行する側は、1つの取引において領収書の二重発行をすることになります。仮に紛失が虚偽であれば、架空計上を許すことになってしまいます。
再発行した領収書の不正利用があれば、受領する側はもちろん発行した側も罪に問われます。このように、領収書の再発行は経費の架空計上や不正利用に使用される恐れがあるため、取引先とのあらぬトラブルを防ぐためにも基本的に拒否するのが無難な対応です。
領収書の再発行は架空計上や不正利用のリスクがあるため、仮に再発行を求められた場合は代用書類の発行を提案してみましょう。領収書以外でも以下の項目が記載されていれば、金銭授受の証明として代用できます。
具体的には金銭を支払った側が発行できる支払証明書や出金伝票、金銭を受け取った側が発行できるレシートや購入証明書などがあります。これらの証明書は領収書と比較すると、信頼性は低いですが領収書の代用にできます。
領収書の再発行を拒否できない場合、不正利用されない工夫を施して再発行しましょう。不正利用されない工夫としては、再発行した領収書に「再発行」と記載したり、内訳欄に元の領収書の発行日時を記載した上で「再発行分」と明記したりします。
また、領収書の再発行に応じた際は、いつ・誰に・どのような理由で再発行をしたかを詳細に記録しておくことも大切です。加えて、取引先には再発行は今回限りであることを伝え、二度と再発行はしない旨を伝えておく必要があります。
領収書を再発行する場合は大きなリスクがあります。では、領収書を再発行する際は、どういった点に注意すれば良いのでしょうか。この章では、取引先から領収書の発行を依頼された場合の注意点について詳しく解説します。
発行する側の不備や破損による領収書の再発行の場合、元の領収書を回収しましょう。元の領収書を回収しておかないと、不正利用などのトラブルを招く恐れがあります。回収した領収書は再発行した日付、領収書番号を記載して厳重に保管します。
領収書の再発行は、発行する側の不備や破損であれば行わざるを得ないですが、取引先が領収書を紛失した場合は注意が必要です。取引先が本当に領収書を紛失した場合であれば問題ないですが、不正利用を狙った虚偽がある場合は発行する側も罪に問われます。しかし、その判断が難しいため、このケースで再発行を行う場合は以下の内容を記録してください。
この記録に加えて、税務署からの調査に対してしっかりと説明できるようにしておきましょう。
領収書の再発行は発行する側に義務がないだけでなく、不正利用の荷担につながる恐れがあるため簡単ではありません。では、仮に受領したはずの領収書を紛失した場合はどうしたら良いのでしょうか。この章では、自社が取引先から受領した領収書を紛失してしまった場合の対策について詳しく解説します。
領収書を紛失した場合は、まずは再発行の依頼を行いましょう。新幹線や飛行機の代金でいえば、利用日から起算して6ヶ月〜1年以内であれば、ネット上で再発行が可能です。また、医療機関は事業者によって再発行の対応をしてくれる場合があります。ただし、基本的に領収書の再発行は、税務署から不正利用の誤解を受ける可能性が高く、消極的な事業者がほとんどです。
そのため、領収書の再発行に際して不正利用の事実がないことを証明するために、以下の事項を伝えるようにしましょう。
金銭授受の証明は領収書が一番効力を持っていますが、領収書を紛失した場合、他の書類でも代用できる場合があります。代用書類は、税務署や第三者がみてもその内容が明瞭である必要があります。ここでは、領収書の代用となる書類を紹介します。
出金伝票は領収書を紛失した側が発行できる書類です。書式に規定がなく、端的にいうとメモになります。メモでも以下の事項を記載しておくことで、税務署の調査が入った際も領収書の代わりとして使えます。
出金伝票は領収書紛失のケースだけでなく、公共交通機関利用時など領収書が発行されない場面で使われます。
領収書の再発行には応じてくれないが、購入の証拠となる購入証明書や支払いの証拠となる支払証明書の発行をしてくれる事業者もいます。これらの書類は改ざんの可能性が低く、証憑書類として信頼性が高いです。ただし、手数料が発生する場合があるため注意しましょう。
販売店などでは領収書の他にレシートをもらうことがあります。レシートは電子的に記録されたデータであるため、客観的な証憑になり得ます。ただし、レシートには宛名がなく、税務調査が入った際に経費支払いの完全な証明にはならない点に注意しましょう。
また、レシートは感熱紙を使用しているため、時間経過とともに印字が消えてしまいます。仮に領収書の代わりとするのであれば、PDFなどデータ化しておく必要があります。
支払いがクレジットカードであった場合は、クレジットカードの明細が金銭授受の証明になり得ます。利用明細は改ざんできないため、証憑書類としては信頼性は高いです。支払いがクレジットカード以外である場合はこの限りではありません。
領収書を紛失ではなく破損や汚損した場合でも、元の領収書は必ず保管しておきましょう。その理由として、元の領収書が手元にあることで再発行が認められる可能性があるためです。領収書の再発行が難しい理由は、取引先が不正利用の恐れを懸念するからです。そのため、手元に元の領収書がある場合であれば、紛失したケースよりも再発行してもらえる可能性が高くなります。
領収書の再発行は不正利用の恐れがあるため、ハードルが高いことがわかりました。では、再発行依頼や紛失を避けるためにどのようなことを意識すれば良いのでしょうか。この章では、領収書の再発行依頼や紛失を避けるための方法について詳しく解説します。
領収書は一般的に現金で金銭授受を行う際に発行されるものです。つまり、そもそも現金決済を行わず、クレジットカードや銀行振込にすることで、領収書の発行自体を不要にする手があります。クレジットカード決済であれば利用明細、銀行振込であれば通帳の取引履歴が金銭授受の証拠書類になります。
他にも電子決済などの決済方法もあり、現金決済に固執しなくても経理上は問題ありません。
領収書の紛失対策として、領収書の電子化が挙げられます。電子化をするメリットは以下の通りです。
このように、領収書の電子化は紛失対策だけではなくさまざまなメリットが期待できます。
領収書の紛失対策として比較的安全な方法なのが税理士に依頼することです。税理士に依頼することで、領収書の保管から経費計算まですべて行ってくれます。こちらのやることは、領収書を税理士に送付するだけです。
現金決済をやめたり、領収書を電子化したりする方法も良いですが、事業者によってはすぐに実行できるものでもありません。そのため、領収書の紛失対策で困っている事業者は一度、税理士に相談してみることをおすすめします。
本記事では、領収書の再発行について詳しく解説してきました。領収書は受領した側が発行するものですが、再発行の義務はありません。また、それ以上に領収書の再発行は、経費の不正利用に悪用される可能性があるため、ほとんどの事業者では消極的な姿勢を見せています。
しかし、紛失してしまった場合はこちらに非があるものの経費計上できなくなってしまいます。そのため、まずは不正利用の意思がないことを伝えつつ再発行の依頼を行いましょう。もし再発行してもらえなくても他の書類で代用することも可能です。
今後は領収書が紛失しないよう領収書に頼らない決済を行ったり、税理士に相談したりするなどの対策を行い、安全かつ効率的な経理システムを構築していきましょう。