更新日:2025.03.27
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インボイス制度が施行され、コインパーキングで駐車場業を営む事業者もインボイス(適格請求書)の発行が必要になりました。インボイス制度では書類の記載に関するルールが定められているため、制度に対応するためには自動券売機で発行する領収書を「適格請求書等保存方式」に変える必要があります。
なお、コインパーキングはインボイスではなく簡易インボイス(適格簡易請求書)の発行が可能な業種です。基本的なルールとあわせて理解しておくことで、経理業務の煩雑化を防げるでしょう。
本記事では、コインパーキングがインボイス(適格請求書)を発行する際の記載項目や注意点を解説します。
コインパーキングの利用者は、一般消費者以外にも個人事業主や法人のような事業者としての利用も考えられます。
事業者の利用では、コインパーキングでの駐車料金を経費として計上するケースも多くあるでしょう。また、インボイス制度では売上にかかる消費税から仕入れに支払った消費税を差し引ける「仕入税額控除」が利用できることから、インボイス制度を利用するためにインボイスの発行を希望することも考えられます。
コインパーキングを利用する事業者に対しての利便性を踏まえて、インボイス制度への対応も検討しておく必要があるといえます。
インボイス制度では、一部の業種に対して「簡易インボイス(適格簡易請求書)」の発行を認めています。この簡易インボイスはインボイス(適格請求書)で必要な項目の一部が免除されており、インボイスと比べて手間が抑えられます。
コインパーキングの事業においても、この簡易インボイスの利用が可能であるため、必要な記載事項を理解しておきましょう。
ここでは、インボイス制度に対応したコインパーキングの領収書見本や書き方を解説します。
〇〇株式会社 領収書 駐車位置番号:〇〇
駐車料金:500円 |
簡易インボイス(適格簡易請求書)には、適格請求書発行事業者として登録した自社の正式名称が必要です。個人事業主の場合は、本名を記載しましょう。
また、適格請求書発行事業者に申請した際に発行された登録番号もあわせて記載します。登録番号は「T+13桁の数字」で構成されており、法人の場合は法人番号、個人事業主は法人番号とかぶらない数字が割り振られています。
簡易インボイス(適格簡易請求書)には、駐車場の料金が支払われた日を取引年月日として記載しましょう。
取引内容は、コインパーキングの使用とわかる内容を記載しましょう。単価は時間ごとの駐車料金を記載しておき、あわせて利用者の駐車時間を明記することが大切です。
取引金額には、駐車時間に対してかかった料金を内税で記載しましょう。簡易インボイス(適格簡易請求書)では、駐車料金の適用税率と税込金額が記載されていれば問題なく、税抜金額を記載する必要はありません。
ただし、コインパーキングの領収書は使用者が支払った金額や釣り銭を記載する必要があるため、記載欄を分けておくことでわかりやすくなります。
簡易インボイス(適格簡易請求書)では、駐車料金の適用税率を記載しましょう。コインパーキングの利用料金は、軽減税率の対象外であるため標準税率として処理します。
なお、領収書に記載する際は合計金額の後ろに「合計金額(税込10%)」と記載することで消費税が含まれていることがわかります。
インボイス制度施行後にコインパーキングを利用する際は、利用料金や駐車場が整備されているかなどの注意点があります。とくに、内容によっては利用者が駐車場代の仕入税額控除が受けられなくなるおそれもあるため注意が必要です。
ここでは、インボイス制度施行後にコインパーキングを利用する際の注意点を解説します。
インボイス制度では、税込1万円未満の課税仕入れであれば、インボイス(適格請求書)が保存されていなくても仕入税額控除が適用される「少額特例」が実施されています。
少額特例を利用すれば、駐車料金が税込1万円未満の際は、領収書がない場合でも帳簿のみの保存で仕入税額控除の利用が可能です。
一方で、駐車料金が税込1万円以上の場合は少額特例の対象外となります。仕入税額控除を利用する際はインボイスと帳簿の保存が必要です。
インボイス制度において、月極駐車場は整備の有無によって、課税取引と判断されるかが異なります。月極駐車場が課税対象になるかの判断は、以下の条件をもとに判断されます。
課税取引 |
・整備された月極駐車場 ・土地を借りる期間が1か月未満 |
非課税取引 |
・駐車場として整備されていない土地を1か月以上貸し出す場合 |
なお、月極駐車場は不特定多数への貸付を想定していないため、簡易インボイス(適格簡易請求書)の対象外です。発行する際は記載項目が揃ったインボイスが必要なため、事前にテンプレートを用意しておくことが大切です。
本記事では、コインパーキングがインボイス(適格請求書)を発行する際の記載項目や注意点を解説しました。
インボイス制度施行後は、コインパーキングの事業者もインボイス(適格請求書)の発行が必要です。ただ、コインパーキングの事業では、簡易インボイス(適格簡易請求書)の利用が可能であるため、自社にあわせたテンプレートを用意しておくと発行がスムーズに進みます。