更新日:2025.01.30
ー 目次 ー
旅費精算とは、出張に伴う交通費、宿泊費などで支払った実費を申請して精算することであり、会社員にとっては重要な経費です。しかし、旅費精算については、社内で独自の規定がある場合が多いため、正確な精算処理やトラブル事例に対応するためのノウハウを持っておく必要があります。
本記事では、旅費精算のプロセスや注意点、勘定科目と仕訳例などについてもわかりやすく解説します。経理担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
旅費精算とは、出張に伴う交通費、宿泊費などで支払った実費を申請して精算することを指します。業務に必要な費用については、以下の支払い方法があります。
これらすべてが利用可能ではなく、所属する企業や団体の旅費交通費規定に則った使用が重要です。
旅費は、出張に伴って発生する費用であり、どのようなものが該当するかを知っておくことで、スムーズな経理申請・処理が可能です。
この章では、旅費に含まれる費用を紹介します。
宿泊費とは、出張に伴い宿泊するホテルや旅館などの宿泊施設の費用であり、旅費の一種です。宿泊費には宿泊料金だけでなく、以下の費用も旅費に含まれる場合があります。
所属する企業や団体の旅費交通費規定によっては、宿泊費に上限額が設定されていたり、宿泊費の自己負担が求められたりする場合もあります。そのため、出張前に旅費交通費規定の確認をしておくと良いでしょう。
出張費とは、出張により社員が負担したとされる経費を概算的に支給する手当であり、旅費に含まれます。出張手当は、企業の規定に準じますが、一般的には出張先の都市や滞在期間などによって変動する場合が多いです。
また、出張手当は、給与ではなく立替経費として扱います。そのため、源泉徴収がなく全額の支払いとなります。
旅費は、勘定科目の旅費交通費とよく間違われます。旅費交通費とは、旅費と交通費を合わせた勘定科目です。
旅費は勘定科目ではないため、経費計上する際には、旅費交通費としての記帳が一般的です。また、交通費も勘定科目はないため、旅費交通費として計上します。
旅費精算における5つのプロセス
旅費精算には、以下の5つのプロセスがあります。
1つでもプロセスが欠けると、精算処理を行えません。申請者・経理担当者ともに、旅費精算のプロセスを十分に理解することで、適切な経理運用ができるでしょう。
出張を行う際には、所属する企業へ事前に出張申請が必要です。出張申請により、以下の点を所属企業に伝えて許可を得る必要があります。
企業によっては出張規程が定められている場合があるため、規程に則って出張を行うことが重要です。
出張中に発生した交通費や宿泊費などを一時的に社員が立て替える場合があります。その場合は、必ず領収書をもらう必要があります。
領収書は、支払いが行われたことや支払いの内容を証明する重要な書類であり、精算時に必要となります。
旅費を精算する場合、旅費精算書を作成し、経理担当者へ提出が必要です。旅費精算書とは、出張で支払った費用を申請する書類であり、費用を明細に記載します。
旅費精算書には、以下の項目などを記載します。
申請書類に誤りがあると、旅費が支給されない場合があるため、正確に記載するように注意しましょう。
旅費精算書の作成後、上長による記載内容の適切性を審査が行われます。この審査で承認が得られると、経費支払いの申請が可能です。
上長による承認は、企業の規定に則った承認者や承認の方法が行われます。上長による承認のプロセスは、経費の不正利用防止へとつながります。
旅費精算時の最終プロセスとして経理部門への申請があります。このプロセスで精算書類の審査を通過すれば、旅費精算は完了です。
支払いの完了後、申請者に対して報告が行われます。精算書類の不備がある場合や規定外の経費がある場合は、経理部門から問い合わせがあります。
旅費精算には、複数のプロセスがあり、申請や承認者、経理担当者と関与者が多いため、精算対応を行う際には注意が必要です。
この章では、旅費精算時に注意すべきポイントを以下の5つに分けて紹介します。
これらの旅費精算時の注意点を理解して、申請者からの問い合わせがあった際や経理の実作業を行う際に参考にしてください。
企業によっては、旅費の支払いや精算に関するルールが異なるため、社内の規定を確認し、それに従って申請書を作成する必要があります。
規定外の申請を行うと、精算が行われなかったり、注意を受けたりする場合があります。社内の規定に従った正確な申請により、旅費精算に関するトラブルや不正使用の防止につながるでしょう。
領収書は旅費精算時に必要なため、費用支払時にもらい保管する必要があります。領収書は、以下の項目が記載されており、支払いが行われたことや支払いの内容を証明するものです。
また、領収書は紙媒体だけでなく、電子媒体での受け渡しがあります。企業によっては、電子の領収書を受け付けていない場合もあるため、事前の確認が重要です。
税法上、旅費含む経費の精算は原則として年度内とされています。しかし、民法166条によると、経費精算の時効が10年または5年であるため、時効期間内であれば精算はできます。
参照元:民法第百六十六条
ただし、経費処理を先延ばしにしておくと、経費精算の時効を迎え不必要な損失を被る可能性があります。そのため、年またぎはせず旅費が発生した際に処理をするように心掛ける方が良いです。
旅費は、出張に伴って発生した宿泊費や交通費を指しますが、出張でかかった費用はすべて旅費として精算できるわけではありません。そのため、申請前に社内の規定を十分に確認する必要があります。
出張時の個人的な買い物や余暇の費用などは旅費として申請できないため、業務上の支払いと明確に切り分けなければなりません。不正な申請を行うと、会社の信頼を損ねることになるため、細心の注意を払って申請する必要があります。
旅費を精算する際には、経理担当者は経費の計上業務があります。そのため、費用に応じた適切な勘定科目の設定が必要です。
勘定科目には、内容が被るものもありますが、旅費を経費として計上する場合には勘定科目「旅費交通費」を記帳する場合が多いです。支払い内容によって選択すべき勘定科目も異なるため、領収書を詳細に確認する必要があります。
旅費を精算する場合、旅費精算書を作成し、経理担当者の承認を得る必要があります。不正や不備があると生産ができません。そのため、経理担当者は、旅費精算書の記載項目に漏れがないか、社内規定に反した不正な申請でないかの確認が必要です。
企業によって異なりますが、主な記載項目は以下の通りです。
これらの記載項目を正しく理解し、書類の不正や誤りがないように経理処理を行う必要があります。経理担当者は、申請者に対して書類の記載に関する事前説明の場を設けると、旅費精算書にかかるトラブルを回避ができるでしょう。
経理担当者は、適切な勘定科目と仕訳例を知ることで、旅費精算を行う際に精算処理で迷うことがなくなるでしょう。以下は、旅費精算時の仕訳例です。
借方 |
貸方 |
摘要 |
||
旅費交通費 |
20,000 |
普通預金 |
20,000 |
ホテル代 |
旅費交通費 |
10,000 |
普通預金 |
10,000 |
新幹線利用費 |
交際費 |
4,500 |
現金 |
4,500 |
手土産代 |
社内の会計規定に則って、勘定科目を設定します。また、旅費・交通費は旅費交通費として計上する場合が多く、取引先への手土産は交際費として計上します。交通費や宿泊費は、旅費交通費で統一して計上するため、摘要に詳細な使途の記載で経費管理がしやすくなるでしょう。
経費の精算時には、以下の業務を適切に行うことで、企業の経費管理や予算管理の効率的化ができます。
しかし、経理担当者の業務は多岐にわたるため、負担が非常に大きいです。そこで、経理システムやツールの活用が有効です。経理システムやツールの中には、以下の業務をワンストップでできるものがあるため、精算業務の負担軽減が期待できます。
旅費精算の効率化は多くの企業にとって重要な課題です。適切なシステムを導入することで、申請から承認、会計処理までの一連のプロセスを大幅に効率化できます。ここでは、旅費精算を効率化してくれる代表的なシステムを紹介します。
旅費精算とは、出張に伴う交通費、宿泊費などで支払った実費を申請して精算することを指します。旅費精算には、以下の5つのプロセスがあります。
これらのプロセスは申請者だけでなく、承認者や経理担当者も関与しているため、不備や不正がないように密なコミュニケーションが必要です。旅費精算時の注意点は以下の5つがあります。
旅費精算に関する社内規定に準じ、正確かつ迅速な処理を行うことで、経理トラブルを未然に防ぎましょう。