更新日:2024.10.24
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企業の生産性向上と顧客満足度向上を実現するためには、請求業務の効率化が不可欠です。近年では、デジタル技術の進歩により、請求業務を効率化する様々なツールやサービスが登場しています。これらのツールやサービスを活用することで、業務の自動化、ペーパーレス化、情報の一元管理などが可能となり、大幅な時間短縮、コスト削減、そしてヒューマンエラーの削減を実現することができます。
本記事では、請求業務における代表的な課題を整理し、効率化を実現するための具体的な方法を紹介します。さらに、業務フローの改善ポイントや、効率化に役立つツール、サービスなどもご紹介します。
請求業務の効率化に取り組む企業の経理担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
請求業務は企業にとって避けて通れない道ですが、業務には多くの手間や時間がかかります。 請求業務の効率化のためにも、まずは課題や問題点を洗い出していきましょう。
請求金額を確定して請求書を作成する業務には、どうしても時間がかかります。 特に、手書きの帳簿を使って請求業務をしている場合、それぞれの取引先の請求金額を計算し請求書を作成するのはかなり面倒です。 請求金額の計算や請求書の作成は単純な作業ですが、業務量が多ければ集中力が続きにくく、ミスも起きやすくなります。 しかし金額に間違いがあると大きなトラブルが起こることもあるので、一連の作業は慎重に進めなければなりません。
金額を計算するフェーズでは計算ミスが起こりやすいです。 請求金額が少ないと損失に繋がりますし、実際よりも大きな額を請求してしまった場合は取引先とのトラブルが起きるリスクがあります。 請求金額の計算ミスはダブルチェックなどの対処で回避可能です。 とはいえダブルチェックを導入すると工数が増え、従業員の負担も増えてしまいます。
担当する従業員ごとに作業フローが異なっている場合、適切な請求業務が行えないこともあります。 複数人が請求業務に携わっているため、現在は誰がどの工程を担当しているのかが見えにくくなってしまう例もあるでしょう。 社内でコミュニケーションを取れば適切に情報共有ができます。 とはいえ、請求業務のフローが曖昧だと十分に情報が共有されず、未請求のままになるなど思いがけないミスにつながってしまうことがあります。
紙の請求書を使うときには都度印刷をし、封入作業をして郵送することになります。 印刷や送付に一定のコストがかかるのも悩ましい点です。 取引先が数社のみであれば、印刷や郵送のコストはそれほどかかりません。 しかし、たくさんの企業と取引をしている場合、請求書の印刷代や郵送代はかなり大きな額になってしまうことがあります。
請求書をはじめとした書類は、社内での適切な管理が求められます。 請求書は証憑書類と呼ばれ、発行した請求書の控えは7年間にわたって保管するよう定められています。 取引先が多い場合、書類の量も膨大になってしまうでしょう。 それぞれの請求書を取引先別、あるいは時系列に分けてファイリングしておかなければ、後で参照して活用できません。 紙媒体の書類の保管にはまとまったスペースが必要です。 請求書の量が多いと社内スペースが圧迫されることになります。 また、請求書整理に携わる人的リソースも無視できません。
企業の業務の中ではしばしば、思いもよらないエラーが発生することがあります。 たとえば、請求書を別の取引先に送ってしまうなどの重大なミスが起きる可能性もゼロではありません。 請求書には社内の機密情報や個人情報が記載されることがあります。 誤った送付が原因で情報漏えいに繋がるリスクも考えられるので、慎重な対処が必要不可欠です。
近年では一部業務をリモートワークに移行する企業が増加しています。 しかし、経理業務はリモートワークへの移行が難しいとされています。 それは紙ベースの請求書や帳簿類は、厳しく管理されるため自宅に持ち帰ることが出来ないからです。 紙媒体の書類をデジタルに移行する手段もありますが、システムの導入には大きな手間がかかります。 取引先が紙媒体を使っており、相手に合わせる必要がある事情から、なかなか電子化が進まないケースもあります。
請求業務にまつわる課題を解消するためにも、以下のような工夫をおすすめします。 特におすすめなのは、専用のシステムを導入する方法です。 企業の規模や現状に応じた最適な方法を選び、導入を進めてみましょう。
請求業務の工程に無駄がないかを調べるため、作業工程を洗い出し整理する方法が考えられます。 例えば、請求書の印刷や封入に時間がかかるという問題がある場合、メール請求を検討してみましょう。 請求額の計算ミスが起きやすいときには計算システムの導入が有効です。 問題点を洗い出し、状況に合わせた改善策を取り入れましょう。
請求書の電子化やペーパーレス化という対処法も考えられます。 紙媒体の書類をデータ化できれば印刷や封入、保管の手間が省け、リモートワークでも対応可能です。
請求管理システムを導入すれば、請求に関わる作業効率が飛躍的にアップします。 請求管理システムとは、請求金額の計算や請求書発行、送付や消込作業を自動化できるツールです。 請求管理が自動化されれば人的リソースを削減でき、従業員がコア業務に集中できます。 企業の会計ソフトと連携できるものを選び、会計処理や請求処理を一括で進めていきましょう。
請求業務の一部または全部を専門業者に外注するという方法もあります。
近年では、請求業務代行サービスを提供する企業が増えており、自社のニーズに合わせてサービスを選択することができます。
請求業務を効率化する際に必要な準備は以下の点が挙げられます。
効率化を進めるには、まず現状の請求業務における課題を明確に把握することが重要です。
例えば、ある企業では、請求書作成に時間がかかっていることが課題として挙げられました。原因を調査した結果、手書きで作成していること、請求内容の確認に時間がかかっていること、などが判明しました。
課題を明確にした後は、効率化によって達成したい具体的な目標を設定しましょう。
目標設定の際には、現状の課題を踏まえ、現実的に達成可能な範囲で設定することが重要です。
請求業務の効率化には、適切なツールやシステムの導入が不可欠です。
ツールやシステムを導入する際は、自社の課題や規模、予算に合わせて適切なものを選択しましょう。無料トライアルやデモ版などを活用し、実際に使い勝手を試してみることも重要です。
請求業務のフローの中で、特に効率化しやすい箇所は以下の5つです。
請求書発行の効率化には、請求書作成ソフトやシステムの導入が有効です。
例えば、ある企業では、従来、担当者がExcelで請求書を作成していましたが、請求書作成ソフトを導入したことで、作成にかかる時間を50%削減することに成功しました。
請求書の送付は、電子化による効率化が最も効果的な工程の一つです。
さらに、近年では、Webポータルシステムを利用し、顧客がWeb上で請求書をダウンロードできるようにする企業も増えています。
入金確認業務は、自動化によって大幅に効率化できる工程です。
例えば、ある企業では、銀行の入金明細データと会計ソフトを連携させたことで、入金確認にかかる時間を70%削減することに成功しました。
督促業務は、自動化ツールを活用することで、効率化と同時に顧客満足度向上を図ることができます。
例えば、ある企業では、督促業務を自動化するシステムを導入したことで、督促にかかる時間を80%削減し、未払い金の回収率を向上させることに成功しました。
請求業務で発生するデータは、適切に管理することで、業務効率化に役立てることができます。
例えば、ある企業では、顧客データを分析することで、特定の顧客層に未払いが多いことを発見し、その顧客層に対しては、請求書の送付方法を変更することで、未払い金の発生率を抑制することに成功しました。
請求業務効率化のために、インボイスが提供するサービスを活用してみてはいかがでしょうか。ここからは、インボイスによる、Gi通信やOneVoice公共の概要や活用法をご紹介いたします。
インボイスが提供するGi通信を活用すれば、電話会社からの請求書の履歴をデータ化してまとめることが可能となります。 通信サービスの請求はバラバラに届くため、それぞれの請求に対処する必要がありました。 しかしGi通信を導入すれば、すべての請求書を一つにまとめて電子化できます。 また、Gi通信の請求書は項目ごとに整理されるので、支払業務の手間が省けるだけでなく、不要なコストの洗い出しにも役立てられます。
【Gi通信】
https://gi.invoice.ne.jp/about_gi/
インボイスのOneVoice公共は、電気、水道、ガスといった請求書の取りまとめや支払い代行、請求情報のデータ化などを手軽に行えるツールです。 公共料金の請求はバラバラに届くため、請求書が増え支払業務が煩雑になります。 OneVoice公共を導入すれば請求書が一括でまとめられるため、面倒な請求処理をする必要がなくなります。
【OneVoice公共】
https://onevoice.invoice.ne.jp/
企業が利益を上げていくためには請求業務が欠かせません。 しかし、請求業務には煩雑な工程が多いため、膨大な手間や労力をかけている企業も多いです。 まずは請求業務のフローを整理し、無駄がないかを徹底的に調べてみましょう。 そうした上で、電子化や専用システムの導入など、請求業務の効率をアップさせるための措置を講じていくのがおすすめです。