更新日:2021.03.08
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こんにちは、インボイスマーケティング事務局です。
会社の成長や事業展開に伴い、様々な要因で増えていく通信回線。急激に増加するモバイル端末や通信サービスの多様化で、従来の固定・携帯電話も含めた通信回線管理はますます複雑になり、管理方法が定まらず、頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか?
特にモバイル端末の急増に対しては、セキュリティの観点から管理を強化する「MDM(Mobile Device Management モバイル・デバイス・マネジメント)」サービスが登場するなど、今、通信管理の手法が問われています。
そこで、今回はこのような状況の中、企業の担当者は今後の通信回線についてどう考えているのか・・・
弊社独自にて調査を行い、今後ますます増えていく通信回線に伴う、管理業務の課題と対策について考えます。
本稿記載の調査概要は以下の通りです。
はじめに、勤務先の固定電話や携帯/PHSの契約回数と、利用通信会社(キャリア)別の契約回線数の割合について尋ねました。
【設問1】
あなたの勤務先では、固定電話や携帯電話/PHSを契約していますか? 契約している場合、固定電話回線数、携帯電話/PHS回線数をおおよその数でけっこうですのでお教えください。
【回答傾向】
会社の事業内容や規模が多岐にわたり、それぞれ1回線から数万回線まで幅広い回答がありました。ほとんどの方が、固定電話・携帯電話共に複数の回線の契約があると答えています。
【設問2】
あなたの勤務先において、固定電話や携帯電話/PHSの利用通信会社別の「契約回線数」の割合を、おおよそでけっこうですので、合計が100%となるように整数でご入力ください。
【回答傾向】
固定電話ではNTT(東・西)が約51%、NTTコミュニケーションズが約24%、KDDIが約11%、ソフトバンクが約10%、その他が約4%。携帯/PHSでは、NTTdocomoが約50%、KDDI(au)が約22%、ソフトバンクが約20%、Y!モバイルが約3%。UQ mobileが1%、その他MVNOなどが約4%という結果でした。(図1)
図1:固定電話・携帯電話/PHSの利用通信会社別の「契約回線数」の割合
【設問1・2の回答傾向からわかること】
固定電話、携帯電話共に、多くの企業が複数のキャリアを利用していることがわかります。加えて働き方改革が推奨される昨今では、テレワークやサテライトオフィスなど、場所を選ばずに仕事ができる環境を整備するために、モバイル端末の利用が一気に加速。サービスも多様化しているため、さらに回線の増加が見込まれます。今や、複数のキャリアの様々な回線、サービスを利用しなければ、事業が成り立たない環境になっているといえます。
今後、通信回線は増えていくかどうかについても、尋ねました。
【設問3】
あなたの勤務先での、5年後における固定電話・携帯/PHSの契約回線数はどうなっていると予想されるかお教えください。
【回答傾向】
固定電話については、96%の人が今後5年間で減少するか、変わらないだろうと回答。しかし携帯電話については、21.5%の人が今後5年間で増加すると回答しました。
【設問3の回答傾向からわかること】
すでに営業部門などでは、業務用のモバイル端末をひとりあたり3~4台保有する時代です。携帯電話を含むモバイル系の回線は、今後も増加すると予測する人が2割以上いることがわかりました。
契約回線の増大化は、企業の通信回線管理業務を複雑にしています。通信回線管理は、社内に存在するすべての通信サービスや回線の利用状況を把握するために必要な業務。通信機器の安全かつ適切な運用や、通信費の最適化に関わる重要な仕事です。一般的に、総務や情シス部門が表計算ソフトやアプリなどを利用して、独自に管理しているケースが多いようです。
本来、通信回線管理は一元的に管理すべきものですが、実はそう簡単ではありません。総務などの管理部門では、どのキャリアのどの番号をいつ契約して誰が利用しているかという視点で回線管理を行います。一方、情シス部門では、セキュリティの観点から端末の運用状況にフォーカスして管理します(MDMが得意とする部分です)。それぞれ管理目的が異なるため、相互の情報連携はほとんどありません。情報更新もバラバラで、どれが最新で正確な情報なのかもわからない。多くの会社で一元管理やルール化ができず、混沌とした中で回線管理を続けているのが実情といえます。
しかも、回線管理のベースとなる情報は、各キャリアから送られてくる請求明細などに書かれています。キャリア別、サービス毎にバラバラに送付される複数の請求明細書から、一つひとつデータを拾い上げたり、付き合わせたりする必要があります。今後、モバイル系の回線やサービス導入が増えると予想され、作業はさらに煩雑になるでしょう。複雑で面倒な業務は、ついつい先送りするか属人化しがち。混乱に拍車がかかり、見えないところで通信管理の負荷やリスクが高まる可能性があります。
もう一つ興味深い調査結果をご紹介します。
【設問4】
あなたの勤務先が「通信費一括請求サービス」導入検討の際、何に一番興味をひかれたかお教えください。
【回答傾向】
企業が興味を持つポイント、すなわち「通信費一括請求サービス」に望む提供価値は、大きく3つあります。1位は「事務量の低減」で約37%、2位は「通信費の低減」で約30%、3位は「通信費管理の仕組みの導入」で約15%という結果でした。 (図2)
図2:「通信費一括請求サービス」導入を検討する際、企業が興味を持つポイント
【設問4の回答傾向からわかること】
注目したいのは、通信費管理の仕組みに課題感を持つ人が15%もいることです。通信費管理に関わる仕組みづくりは、通信回線管理業務とも密接に関係します。通信回線管理に必要なデータは、通信費の請求明細から得られるものが少なくありません。通信費一括請求サービスの機能を活かして、通信費管理システムと連携し、回線管理に必要なデータを抽出する仕組みを構築することは可能です。
設問4で挙げた、通信費一括請求サービスに望む提供価値に対する満足度も尋ねました。
【設問5】
あなたの勤務先での「通信費一括請求サービス」に対する現状での満足度合いは、各サービスの提供価値毎にどの程度であるかお教えください。
【回答傾向】
93.9%の方が、請求書が一本化されたことに対して満足しており、85.5%の方が、請求データをまとめて「見える化」し通信費の内容を分析できるサービスに満足していると回答しました。81.8%の方が通信費の低減に満足しています。(図3)
図3:「通信費一括請求サービス」に対する、企業の満足度合い
【設問5の回答傾向からわかること】
通信費一括請求サービスにはいろいろなメリットがあります。中でも、通信回線のすべての情報を、統一されたフォーマットで分析可能なデータにまとめるサービスは、導入後に大きなメリットとして認識されることが多いようです。
通信費の全容を「見える化」し必要なデータを抽出できる、通信費一括請求サービスの機能を活用して、通信回線管理業務の負荷を軽減することは可能です。
特にインボイスのサービスでは、管理画面でデータが見られる上、データベース化された情報を目的に応じて容易に加工することができます。実際に、インボイスのユーザー様からは、「請求書をまとめることで、データが一元管理できるようになり回線管理がしやすくなった」、「期待していたわけではないが、導入したら回線管理業務に役だった」などの感想をいただいています。
通信費一括請求サービスでは、人手をかけずに、毎月自動的に最新の使用状況が更新されます。このデータを活用した回線管理の仕組みができれば、MDMなど別コストがかかるサービスに頼らずとも、今の混沌とした状況から脱して、管理業務を適切かつ楽にこなしていくことができそうです。通信回線管理の負荷を低減するという視点から、通信費一括請求サービス導入のメリットを考えてみるのもよいかもしれません。