更新日:2021.03.23
ー 目次 ー
今から約2年前の6月。
『RPA』の導入に向け、会社が動き出した。
当初から"業務の自動化=RPA"という非常に強いメッセージが市場に現れていたのを
知り、当社でも具体的に検討に入るべく『ワーキングチーム』を結成。
当社のバックオフィスは業務の役割によって4チームに分かれているが、それぞれのチームの垣根を越えたメンバーが
集まった。
自社の業務に当てはめた時、どの業務が自動化出来るのか、どこまでを自動化すべきなのか。誰が担うのか。
考えなければいけない事は多々あり、ここからワーキングチームの試行錯誤の日々が始まった。
チームの結成から約1年後。ワーキングチームは『RPA』の導入を実現。
ただ、本当のスタートは『RPA』を導入してからだった。
業務効率化を最大化させる上で、自動化すべき部分と人の手を入れるべき部分の境界線をどこで引くのか。
どの領域の業務まで広げるべきなのか。
導入して1年以上経った今でも、ワーキングチーム内での熱い議論は続いている。
今回、非常に大きな社内イノベーションを実現してくれた、ワーキングチームの生の声をお届けします。
実際にRPAを動かすためにはシナリオを作成する必要があります。プログラミング等の専門知識がなくても、使用できるツールでした。
基幹システムと様々なアプリケーションとの連携が出来る点。そして単純作業の繰り返し業務を得意としているツールだったから。
そう言うのは、ワーキングチームメンバーの森田さん。
電話会社から請求書が届き、それをデータ化しています。さらに企業名等の様々な項目でのチェックを実施し、基幹システムへの入力作業をしていました。今ではそれをRPAにやってもらっています。自身の業務範囲のみならず、他の人が行っている業務について、RPAのシナリオ作成をてがけました。今まで業務時間内に行っていた単純業務をRPAに任せ、業務時間外にRPAを動かすことで業務時間内での業務効率化が上がりました。その結果、その業務の主担当者からすごく感謝されました。すごくやりがいを感じた瞬間でしたし、素直に嬉しかったですね。
自分の業務効率化ばかりに注力しがちですが、誰に言われたわけではなく、自分で考え、周りに手を差し伸べた結果、意識改革が生まれました。
森田さんいわく「今ではRPAが付くタイトルの本は気になって手にとってしまいます」だそうです。
自社のオペレーションを考えると、より柔軟さが求められます。メンバーが主体性を持って取り組むためには日本語化されたものであること。検討当時は日本語化されたRPAは純国産のWinActorだけでした。
今回のRPA導入に向け、社内でワーキングチームを作りました。
というのも実はこのチームの発足にはRPAの導入効果だけでなく、メンバーの意識改革になるのではという期待を持っていました。
と説明してくれたのはワーキングチームリーダーである小川さん。
「ワーキングチームの打合せでは、選定から実際の操作性、安定運用が出来るのかを綿密に話し合いました。打合せを通して個々の意識の変化が表れ、実はこの段階で手ごたえを感じました」(小川さん談)
1ヶ月の業務量に偏りがあった為、業務効率という点では良くない状況でした。
今では、請求書に記載されているバーコードから情報をデータ化し、基幹システムへの入力をRPAに任せています。
RPAを動かす為にはシナリオを作成する必要がありまが「専門知識がない私でもしっかり作成する事が出来ました。誰にでも作成しやすい仕組みはポイント高いですね」とは同チームの菊永さん。
1ヶ月の業務量の平準化を実現できたのもRPAの効果とのこと。
今までは限られた人数で業務を行っており、増えていく業務量に比例して残業時間も増えてしまっていた状況です。
RPA導入後は、今まで3人で30分かけていたお客様向け郵送物の作成・印刷作業がワンクリックで出来るようになりました。
その他、毎日規則的に決まった時間に行っている短時間業務も自動化にでき、時間短縮のほか作業漏れの防止にも繋がっている。
(ワーキングチームメンバー:中島さん)
電話会社によっては請求書情報をポータルサイト上にUPしている為、そこから請求データを抽出する必要があります。
何百というお客様のデータを抽出するのに3名の人の手を使い2時間かけていました。
誰にでもシナリオ作成が出来るから、現場を良く知るメンバーが手がけられるのも成功の秘訣です。ただ、RPAに任せる作業ボリュームが多いとパソコンの処理能力が追いつかず、エラーとなるケースがありますので予め想定したシナリオを作成しておく必要はあります。
(ワーキングチームメンバー:越川さん)
RPAを導入する前では2時間以上もかかっていた業務が30分に短縮できている業務もあり、実に4倍もの効果を発揮しています。特に人の施行が必要ない単純作業の分野においては精度向上とスピード向上を同時に実現してくれています。メンバー同士の研修や業務効率化についての話し合いに充てる時間を持てているのもRPA導入効果の一つと言えますよね。
(ワーキングチームメンバー:梅川さん)
『RPA』導入前は、自分の業務がいかに楽になるのか?を中心に考えていた各メンバーでしたが、
ここまで『RPA』の効果を目の当たりにしてしまうと、もっと効果を出したいと思うのは当然ですよね。
メンバー一同口を揃えて言っていました
今回のプロジェクトリーダーである小川さんは、「RPAを導入したことにより、15人分の作業時間、170時間もの業務をOCRとRPAを連動させることにより実質0時間に出来たことで、まだまだRPAで自動化ができる部分があると確信しました。
メンバーの主体性の向上、自分の業務だけでなく本来のチームの枠を飛び越えて、
全体の業務効率化について話し合う機会も見られました」と顔がほころぶ。
「今後もワーキングメンバーが中心となり、バックオフィス業務全体を効率化すべく、自動化にチャレンジしていきたいと思います」と今後の期待も込めて、力強く言ってくれました。