更新日:2025.07.28
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インボイス制度は内容自体が難しく、登録手続きも複雑で手間がかかると思われがちです。そのため、実際には必要性を感じていながらも、登録の手間を理由に先延ばしにしている事業者も少なくありません。
そこで注目したいのが、スマートフォンを活用したインボイス制度の登録方法です。一般的な書面で申請する方法とは異なり、スマートフォン1つで手続きを完結でき、手間や時間を省けます。
この方法をおさえておくことで、これまで「難しい」や「手間がかかる」と感じていたインボイス制度の登録もスムーズに進められるでしょう。
本記事では、スマートフォンでインボイス制度の登録をする方法について、事前準備から手続きの流れを詳しく解説します。
インボイス制度の登録番号を取得する方法には、書面を郵送する方法とe-Taxを利用するオンライン申請の2種類があります。
e-Taxを利用する場合は、スマートフォンを活用して申し込めるため、パソコンを持っていない方や、場所を選ばずに手続きをしたい方にもおすすめです。
ただし、スマートフォンやタブレットで申請をする場合は、国内の個人事業主のみが対象です。海外在住の事業者や法人の場合は、スマートフォンではなくパソコンから手続きする必要があるため注意しましょう。
インボイス制度の登録は、e-Taxを利用することでスマートフォンでも手続きができます。しかし、e-Taxの使用機会が限られていることから、「使い方が難しそう」と敬遠されるケースも少なくありません。
実際には、e-Taxは便利な機能も多く、正しく利用できればスムーズに登録を進められます。早々に選択肢から早々に外してしまわないためにも、利用する利点を把握しておくことが大切です。
ここでは、e-Taxでインボイス制度を登録するメリットを3つ解説します。
e-TaxのWeb版での登録は、項目ごとに順番に入力する問答形式のため、迷わず手続きを進められる点が特徴です。
必要項目の入力漏れやミスも起きにくく、修正の手間がかからない点も魅力といえるでしょう。また、スマートフォンとの相性も良く、画面が小さくても手軽に操作できます。
急な登録が必要な場面でも場所を選ばずに手続きができるため、あらかじめWeb版の使い方をおさえておくと安心です。
インボイス制度の登録番号は、手続き方法によって通知までにかかる時間が異なります。
e-Taxで申し込みをすると、手続き完了から通知までに約1か月で済みます。一方で、書面で申請する場合は約1か月半かかるため、できるだけ早く登録番号を受け取りたい場合は、e-Taxを利用するのがおすすめです。
通知登録までの期間が早いほど、取引先や社内へのアナウンスも迅速におこなえ、インボイス制度の対応への準備もスムーズに進められます。
e-Taxでインボイス制度の登録をおこなうと、登録通知の案内を電子データとして保存できます。紙の書類とは異なり、物理的な紛失リスクが低く、必要なタイミングで確認できる点が大きなメリットです。
また、e-Taxは暗号化通信や電子署名を採用しており、セキュリティ対策にも力を入れています。
登録通知には、登録番号や屋号・氏名などの重要情報も記載されているため、e-Taxのように安全性の高いシステムで管理ができると安心です。
スマートフォンからe-Taxを利用してインボイス制度の登録をおこなう場合、書面での申請のようにすぐに手続きを開始できるわけではありません。
手続き中に用意することも可能ではあるものの、用意や取得に時間がかかるものもあるため、事前に準備を済ませておくのがおすすめです。
ここでは、スマートフォンでインボイス制度の登録をする際に必要な準備を2つ解説します。
e-Taxを利用してインボイス制度の登録をおこなう際は、本人確認のための電子署名が必要で、マイナンバーカードが原則として求められます。そのため、まだ所持していない場合は、インボイス制度の登録を機に取得しておくのがおすすめです。
また、スマートフォンで電子署名に対応する際は、マイナンバーカードを読み取れる端末が必要です。古い機種の場合には未対応の可能性があるため、事前に自分の端末が対応しているか確認しておくと良いでしょう。
対応端末については「公的個人認証サービス ポータルサイト」で確認できます。
e-Taxを利用して手続きをおこなう際は、「利用者識別番号」と呼ばれる16桁の番号を取得しておく必要があります。この点を理解していないと、e-Taxを利用した申請手続きが開始できず、登録に遅れが生じる可能性があります。
利用者識別番号の取得方法は複数ありますが、e-Taxを利用する場合はマイナンバーカードが必須となるため、カードを利用した取得方法がもっともスムーズです。
以下に取得手順をまとめているため、参考にしてみてください。
e-Taxを利用すると、スマートフォン1つで手軽にインボイス制度の登録が可能です。ただし、問答形式で進められるe-Taxであっても、あらかじめ手順をおさえておかないと途中でつまずく可能性があります。
手続きに時間がかかるほど、登録通知の発行も遅れるため、事前に登録方法を確認してから進めることが大切です。
ここでは、e-Taxを活用してインボイス制度の登録をする手順を4ステップで解説します。
まずは、e-Taxの公式サイトにアクセスし、画面の右上にある「ログイン」のボタンをタップします。
ログイン時は「個人の方」と「法人の方」で入口がわかれているため、間違えないように注意しましょう。
ログイン画面に進んだあとは、事前に用意しておいた利用者識別番号と取得時に設定したパスワードを入力してログインします。
e-Taxへのログインが完了したら、画面中央にある「申請・納付手続を行う」ボタンをタップします。
申請や納税に関するメニューの一覧が表示されるため、画面下にスクロールしてください。「登録申請(国内事業者用)(令和5年10月1日~令和12年9月29日)」という項目がでてきたらタップします。
画面が切り替わると「提出先税務署の選択」をおこない、申請書の作成画面へ進みましょう。
「登録申請書の作成」をタップすると、申請書の作成画面に移動します。画面の指示に従い、個人情報や事業の状況に関する内容の入力を進めていきましょう。
すべての入力が完了すると、e-Taxで登録通知のデータを受け取るか問われるため、「希望する」から「次へ」を順番にタップしてください。最後に、「作成完了」をタップすれば、申請書の作成は完了です。
「インボイス制度の申請・届出等を行う」の画面に戻ったら、「次へ」をタップして電子署名の画面に移動します。表示された入力内容に問題がなければ、「電子署名の付与」をタップしてください。
電子署名では事前に用意しておいたマイナンバーカードを利用するため、自身のスマートフォンで読み取り、画面の指示にしたがって対応を進めましょう。電子署名の付与が完了し、署名件数が「1」になっていることを確認できたら「送信」をタップします。
最後に、「受信通知の確認」をタップし、通知が届いていることを確認できればすべての手続きが完了です。
本記事では、スマートフォンでインボイス制度の登録をする方法について、事前準備や手続きの流れを解説しました。
スマートフォンでインボイス制度の登録をおこなう際は、e-TaxのWeb版を活用すると、すべての作業をオンラインで完結させることが可能です。手続きは問答形式で進むため、専門知識がなくても比較的スムーズに対応できます。
ただし、e-Taxを利用する際はマイナンバーカードや利用者識別番号の事前準備が必要です。また、手続きは簡単ではあるものの、流れを把握していないと途中操作に手間取る可能性があります。
登録通知までの日数が少ないという利点を活かすためにも、必要な準備や登録までの手順を確認したうえで手続きに進みましょう。