更新日:2025.07.01
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インボイス登録番号の桁数は何桁?と疑問をお持ちですか?実は法人も個人事業主も同じ13桁です。この記事を読めば、インボイス制度の基本から、ご自身の番号の確認方法、そして国税庁の公表サイトを使った取引先の登録番号の検索手順まで具体的にわかります。番号に関するよくある質問も解決し、インボイス対応がスムーズに進むでしょう。
インボイス制度(正式名称:適格請求書等保存方式)は、2023年10月1日から始まった消費税の仕入税額控除に関する新しい仕組みです。この制度の下では、買手側が消費税の仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、売手である適格請求書発行事業者から交付された「適格請求書(インボイス)」の保存が必要になります。
適格請求書には、適用税率や消費税額などが正確に記載されるため、取引の透明性を高め、消費税の複数税率に対応することを主な目的としています。この制度の導入は、特に免税事業者との取引がある事業者にとって、経理処理や税負担に影響を与える可能性があります。
適格請求書発行事業者の登録番号とは、インボイス制度において、適格請求書(インボイス)を発行する資格を持つ事業者として、所轄の税務署長に申請し、登録を受けた際に通知される固有の識別番号です。
この登録番号は、適格請求書に必ず記載しなければならない重要な情報の一つとされています。登録を受けた事業者は、取引先からの求めに応じて、この登録番号を記載した適格請求書を交付する義務があります。
インボイス制度の開始に伴い、適格請求書発行事業者が請求書などに記載する必要がある「登録番号」。この登録番号の桁数について、多くの方が関心を持っています。ここでは、インボイス登録番号の桁数やその構成について詳しく解説します。
結論から申し上げますと、インボイス登録番号の桁数は、法人の場合でも個人事業主(フリーランスを含む)の場合でも同じです。具体的には、アルファベットの「T」と13桁の数字で構成されています。
例えば、登録番号が「T1234567890123」という場合、「T」が識別記号、それに続く「1234567890123」が13桁の固有番号となります。
インボイス登録番号の「T」に続く13桁の数字部分は、事業者の区分によってその成り立ちが異なります。
事業者の区分 |
13桁の数字部分 |
備考 |
法人 |
法人番号 |
国税庁から指定される13桁の法人番号がそのまま使用されます。法人番号は、1桁の検査用数字(チェックデジット)と12桁の基礎番号(会社法人等番号など)で構成されています。 |
個人事業主 人格のない社団等 |
固有の13桁の番号 |
マイナンバー(個人番号)とは関連のない、インボイス制度のために新たに国税庁から付与される13桁の番号です。この番号には、法人番号のような特定の構成ルール(検査用数字など)は公表されていません。 |
法人の場合は既存の法人番号を利用するため、比較的馴染みがあるかもしれません。一方、個人事業主の場合は新たに番号が付与されるため、通知書などで正確に確認することが重要です。
適格請求書発行事業者として登録が完了すると、インボイス登録番号が付与されます。ご自身の登録番号を確認する主な方法を2つご紹介します。これらの方法で、正確な番号を把握し、インボイス制度への対応を進めましょう。
適格請求書発行事業者の登録申請後、審査を経て登録が認められると、税務署から「登録通知書」が送付されます。この通知書に、ご自身のインボイス登録番号が記載されています。
登録通知書は、申請方法によって受け取り方が異なります。
申請方法 |
通知書の受け取り方 |
確認箇所 |
e-Tax(電子申請) |
e-Taxのメッセージボックスに格納されます。(マイナンバーカード等によるログインが必要です) |
通知データ(XML形式またはPDF形式)内に記載されています。 |
郵送(書面申請) |
登録申請書に記載した本店または主たる事務所の所在地へ郵送されます。 |
書面の「登録番号」欄に記載されています。 |
この登録通知書は重要な書類ですので、大切に保管してください。もし紛失してしまった場合は、所轄の税務署に再発行を依頼することができます。ただし、再発行には時間がかかる場合があるため、早めの確認と保管を心がけましょう。
国税庁が運営する「適格請求書発行事業者公表サイト」でも、ご自身のインボイス登録番号を確認することが可能です。このサイトでは、登録されている事業者の情報が公表されています。
ご自身の情報を検索する手順は以下の通りです。
法人番号が分かっている場合は、法人番号で検索するのが最も確実です。個人事業主の方で屋号を登録している場合は、屋号での検索も可能です。氏名で検索する場合は、同姓同名の事業者も表示される可能性があるため、所在地情報などと合わせて確認するようにしましょう。
このサイトは、取引先の登録番号を調べる際にも利用できますが、まずはご自身の登録情報を正確に把握するために活用しましょう。
取引先が適格請求書発行事業者であるか、またその登録番号が正しいかを確認することは非常に重要です。国税庁が提供する「適格請求書発行事業者公表サイト」を利用することで、取引先のインボイス登録番号を検索・確認することができます。
「適格請求書発行事業者公表サイト」では、事業者を検索し、登録状況を確認できます。検索結果には、登録番号、登録年月日、最終更新年月日、そして法人であれば本店または主たる事務所の所在地、個人事業主であれば主たる屋号や氏名などが表示されます。
取引先が法人であり、その法人番号(13桁の数字)が分かっている場合は、法人番号を使ってインボイス登録番号を効率的に検索できます。
検索手順は以下の通りです。
法人番号が不明な場合や、取引先が個人事業主である場合は、会社名(法人名)や屋号(氏名)で検索することができます。
検索手順は以下の通りです。
インボイス制度の登録番号やその桁数に関して、疑問に思われる点をQ&A形式で解説します。
原則として、一度発行された適格請求書発行事業者の登録番号(インボイス登録番号)は変更されません。ただし、以下のようなケースでは、登録番号が変更となる、または新たな番号が付与されることがあります。
これらの場合、以前の登録番号は失効し、新しい登録番号が通知されることになります。
はい、インボイス登録番号の数字部分は、0で始まることがあります。この数字部分は、法人の場合は法人番号をそのまま利用し、個人事業主や法人番号を持たない人格のない社団等には新たに割り当てられます。法人番号自体が0で始まることがあるため、インボイス登録番号も同様に「T0xxxxxxxxxxxxx」のように0で始まるケースが存在します。
いいえ、日本国内の適格請求書発行事業者の登録番号は、必ずアルファベットの「T」から始まります。この「T」は、英語の「Tax」(税金)の頭文字を表しているとされています。したがって、「T」以外のアルファベットで始まる登録番号は、日本のインボイス制度における国内事業者の有効な登録番号ではありません。
日本国内で消費税の申告・納税義務がある国外事業者(海外事業者)が、日本のインボイス制度の登録を受けた場合、その登録番号も国内の事業者と同様に「T」+13桁の数字、合計14桁で構成されます。桁数や基本的な構成ルールは国内事業者と変わりありません。
ただし、海外の国や地域における付加価値税(VAT)番号などは、国ごとに桁数や形式が異なりますので、混同しないよう注意が必要です。ここでいう海外事業者のインボイス登録番号とは、あくまで日本のインボイス制度に基づき発行されたものを指します。
インボイス登録番号は、「T+13桁の数字」というシンプルなルールで構成されています。法人も個人事業主も例外なくこの形式なので、確認・管理しやすいのが特徴です。
自分の登録番号は通知書やe-Tax、そして国税庁の公表サイトで簡単に確認できますし、取引先の番号も同様に検索可能です。
確かな情報をもとに、インボイス制度への対応をスムーズに進めていきましょう。