更新日:2022.06.06
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「Peppol(ペポル)」とは、各企業が別の会計システムを使っていても、ネットワーク上で同じ電子インボイスが利用できるようにするための仕組みのことです。
この記事では、電子インボイス「Peppol(ペポル)」とは何か、導入のために今からできる対策を解説します。
Peppol(ペポル)とは、請求書などの電子文書をネットワーク上でやりとりするための規格のことで、文書の仕様や運用ルールを定めています。
管理はベルギーの国際的非営利組織「Open Peppol」が行っており、現在約30以上の国(米国や中国、アジア圏のほとんどの国など)で導入されています。[注1]
[注1]Peppolメンバーリスト
https://peppol.org/list-of-members/
ペポルを標準仕様として導入した背景には
● 大企業から中小企業まで、低コストで容易に導入できる
● 世界各国で利用されているため、グローバルな取引にも対応できる
などがあると発表されています。
[注2]デジタル庁:電子インボイスの標準仕様策定・普及
https://www.digital.go.jp/policies/posts/electronic_invoice
日本国内でも、電子インボイスの標準仕様としてペポルが普及すれば、経理のようなバックグラウンド業務の効率化も可能です。さらに、より自由な働き方の選択もできるようになります。
● 紙ベースの適格請求書(通常のインボイス)
● ペポル経由の電子インボイス
● ペポル以外の電子インボイス
現在でも電子請求書は各経理システムなどで発行できるため、ペポルによらない電子インボイスも混在すると予想されます。
● 経理業務を紙ベースから電子データに移行できる
● 保管や管理がしやすく、またテレワークへの対応が容易
● 国内だけでなく、海外との取引も円滑に進められる
一番は紙ベースのインボイスを活用するより、経理業務が効率化できる点がメリットです。電子データをメインとして扱うようになれば、保管や管理も便利になります。物理的な場所を取らずに保管ができるだけでなく、遠くからでも自由に管理ができるでしょう。よって、テレワークにも最適です。
またペポルは国際規格のため、国内だけでなく、海外との取引も円滑に進められると考えられます。
● 法人 :e-Taxソフト、e-Taxソフト(Web版)
● 個人事業主:e-Taxソフト、e-Taxソフト(Web版、SP版)
なお、インボイス制度の始動と同時に適格請求書が発行できるようにするためには、2023年3月31日までに登録申請を行う必要があるため、余裕をもって取り組みましょう。
[注3]国税庁:郵送による提出先のご案内
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_yuso.htm
● 適格請求書発行事業者の登録番号
● 適格請求書発行事業者の氏名または名称
● 取引年月日
● 取引内容
● 税率ごとに区分された対価の額と適用税率
● 税率ごとに区分した消費税額等
● 書類を受け取る事業者の氏名または名称
法人番号が既に指定されている場合、先頭に「T」を付けたものが登録番号です。
また消費税は1つの適格請求書につき、異なる税率ごとに1回計算し端数処理を行います。現行の請求書は「区分記載」のため、明細ごとに消費税計算を行っているときは請求書やシステムの変更が必要です。
[注3]デジタル庁:よくある質問:Peppolネットワークでの電子インボイスのやり取りについて(概要)
https://www.digital.go.jp/policies/posts/electronic_invoice_faq_02