更新日:2024.08.22
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請求書はやりとりが多い書類の1つですが、その分紛失などで再発行を求められるケースも少なくありません。
取引先から請求書の再発行を求められた場合、以前のものをそのまま印刷し直して渡すだけでいいのでしょうか。
そもそも再発行していいものなのか気になるところです。
そこで、今回は請求書の再発行はできるのか、その場合の注意点などについて解説します。
請求書は取引先から再発行を求められたら、発行しても問題ありません。
ただし、紛失や記載内容の変更など再発行が必要となった理由によって対応が異なります。
紛失の場合、再発行したあとで以前の請求書が見つかった場合に混乱が起こらないようにする必要がありますし、
請求書の記載内容を変更するための再発行なら、早急に先方へ謝罪したうえで訂正した請求書を発行しなくては
なりません。その際の挨拶文なども再発行に理由によって文面を変える必要があるでしょう。
先方が紛失した請求書を再発行する場合の対応は以下の通りです。
● 請求書の記載内容(先方の会社名・案件名など)を確認し、先方からの情報と発行ずみの情報の照合を行う
● 前回発行した請求書を複製して捺印するのはNG
● 再発行する請求書には「再発行」であることを明記する
● 先方に送付する際には挨拶状を添える
挨拶状には、必ず次の項目を記載します。
● 請求書紛失のために請求書を再発行したこと
● 再発行の元となった請求書が手元に戻った場合は、再発行のものと差し替えのうえ、破棄をお願いすること
紛失の原因が先方であっても、おごらずに丁寧に対応しましょう。
請求書の記載内容に誤りがあった場合、以下の手順で対応します。
● 先方へ請求書の内容に誤りがあったことを謝罪する
● 訂正した請求書を再発行する
● 1枚目(誤りがあった請求書)の破棄をお願いする
● 再発行の請求書とともに挨拶状を添えて送付する
挨拶状にも内容に誤りがあったことへの謝罪と前回の請求書の破棄のお願いなどを記載します。
取引先がやむを得ない理由で契約通りの支払ができない状態にある場合などには、支払方法を変更して再発行します。その際は、再発行する請求書に同封する挨拶状に支払期日を延長する旨を伝えましょう。
また、支払期日までに支払いがない場合は、債務不履行に該当し法的措置を取る必要が出てくる可能性もあるため、それらを視野に入れた対応が必要です。
支払方法変更による再発行では、将来的に発生する可能性があるトラブルを防ぐためにも、覚書や念書などをかわすことをおすすめします。
請求書を再発行する際は、相手に迷惑をかけたことを詫び、再発行の理由と今後の対応を明確に伝える必要があります。ここでは、お詫び文の基本的な書き方と、再発行理由別の例文を紹介します。
請求書を再発行する際のお詫び文には、以下の要素を含めることが重要です。
再発行理由 | 例文 |
---|---|
記載ミス |
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 この度、請求書番号[請求書番号]、[発行日]付にて発行いたしました請求書に、記載誤りがございました。大変申し訳ございません。 つきましては、訂正した請求書を再発行させていただきますので、お手数ですが、以前お送りした請求書は破棄していただきますようお願い申し上げます。 |
紛失 |
平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。 先日、[請求書番号]、[発行日]付にて発行いたしました請求書について、貴社にて紛失されたとのこと、大変申し訳ございません。 つきましては、再発行の対応をさせていただきますので、ご安心ください。 |
システムトラブル |
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 この度、弊社システムのトラブルにより、[請求書番号]、[発行日]付にて発行いたしました請求書が正常に表示されない事象が発生いたしました。お客様には大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。 つきましては、以下の通り対応させていただきます。 |
再発行の理由が「システムトラブル」の場合、以下の情報を追加で記載すると良いでしょう。
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請求書を再発行する際の主なポイントは以下の通りです。
請求書を再発行する場合、発行日の日付を前回と同じにするのか、再発行した日付にするのか迷う人もいるでしょう。再発行された請求書であることを明記していれば、発行日は前回と同じものでいいという考え方が一般的です。
再発行した日付にする場合は、欄外に前回の発行日を明記しておくと混乱を防げます。
請求書を再発行する時点で支払期日を過ぎているケースでも、支払期日の日付は変更しないのが一般的です。
ただし、契約書に延滞利息に関する内容が書かれている場合、延滞利息に関わる文章を明記したうえで支払期日を変更します。この場合の延長期限は2週間から1ヵ月程度です。
発行日が前回と同じなのであれば、前回の請求書を再印刷すればいいのでは、と考える人もいるでしょう。
しかし、そのまま再発行するのでは紛失したはずの請求書が出てきた場合、二重請求になるなど混乱のもとになることも考えられます。
請求書番号を前回のものと連番にしたり、再発行と書かれたスタンプを押すなどして前回発行した請求書と判別がつきやすくするのがおすすめです。
ここまでは請求書の再発行をする側(発行元)の対応について解説してきましたが、ここからは再発行を依頼する側の対応について注意点を解説します。
「請求書を紛失したから、再発行してほしい」とは伝えづらいものかもしれません。
しかし、再発行の理由によって発行元の企業は対応が変わる可能性もあるため、正直に再発行を依頼する理由を伝えたうえで謝罪をするのがマナーです。
謝罪の文面には、自身の非を認め謝罪を明記し、可能であれば再発防止をする旨を記載しましょう。
誠実な印象を与えられるように心がけてください。
発行元のミスで支払期日や請求金額の内容に誤りがあった場合も、請求書の再発行が必要です。
しかしこちらに落ち度がなかった場合でも、あまり感情的に先方のミスを指摘するのは避けましょう。
今回はこちらに落ち度がなくても、いつか逆の立場になることもあるでしょうし、感情的に指摘しても何のメリットもありません。冷静に発行側と認識のすり合わせをおこない、丁重に再発行を依頼しましょう。
再発行依頼の文面にはミスの内容をわかりやすく記載し、先方に調査依頼するとともに、自社でも調査するという旨を明記しましょう。再発行を印象よく依頼できるよう心がけてください。
請求書はやりとりが多い書類の1つであり、再発行するケースも珍しくありません。
再発行の理由には紛失や記載内容の誤り、支払期日の変更などが挙げられますが、それぞれ対応が異なるため注意が必要です。
日付は前回のものと同じにするのが一般的です。
再発行の際は前回の請求書をそのまま再印刷するよりは、請求書番号を連番にしたり、再発行であるとわかりやすくするためにスタンプの押印などを行うことで二重請求のトラブルを避けられます。
再発行した請求書には挨拶状も添えて送付するのがマナーですが、挨拶状には請求書が再発行されたこと、発行側の落ち度によるものであれば謝罪を明記し、相手のミスによるものの場合もおごらず丁重な文面を心がけましょう。