更新日:2025.03.03

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海外企業との取引がある際、英語で請求書を作成する場合があります。日本語と英語では記載順や表記の方法が異なるため、英語表記のルールを把握して作成しなくてはなりません。
請求書に記載する内容そのものは、国内の企業に送付する場合と大きく異なりません。英語の請求書にも対応できるよう、ポイントをおさえておきましょう。
本記事では、英語での請求書の宛名の書き方と、請求書の項目を解説します。
請求書を作成する際、日本語では宛名は企業名、担当部署、担当者名の順に記載するのが一般的です。英語表記では、担当者名、担当部署、企業名と順番が異なるため、注意しましょう。
記載位置は日本語の場合は左上に宛名を記載するものが多いですが、英語の場合は右上に宛名を記載するケースもあります。作成する際には記載位置を間違えないよう、注意する必要があります。
「Bill to」は請求書の宛名を書く際によく使用され、請求先の意味があります。「Bill to」もしくは「To」の下に宛名を記入します。請求書の宛名や住所の記載が日本語とは異なるため、間違えないように注意して記載しましょう。
英語の住所表記のルールとして、小さな情報からはじまり大きな情報に記載するものとなっています。具体的には、番地、街路名、都市名、地方名、州名、郵便番号、国名の順です。郵便番号は日本のように住所の上ではなく、住所と並列に記載します。情報の区切りは「,」をつかうと良いでしょう。
英語の住所の記載は、たとえばこのような形です。
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 1234 Elm Street,Springfield,CA 90210,USA  | 
日本語でこの住所の表記は、以下のとおりです。
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 郵便番号90210 アメリカ合衆国 カリフォルニア州 スプリングフィールド エルム通り 1234番地  | 
請求書を送る際は、メールまたは郵送で、担当者宛に送ります。宛先があいまいでは担当者に届かないおそれがあり、担当者の名前を記載して送りましょう。敬称や役職名も記載します。
英語表記では、敬称や役職名が性別や企業によって表現が異なる点に注意が必要です。
ここでは英語の敬称や役職名について紹介します。
名前の前に、男性は「Mr.」女性は「Ms.」を記載します。どちらも未婚・既婚関係なく使える敬称です。
担当者の性別が不明の場合は「Dear フルネーム」と記載しましょう。また、担当者が不明の場合は「Attention 部署名」とします。
部署名や役職名は文化の違いが影響するため、単純な英訳ができないため注意が必要です。基本的には、取引先に担当者の部署名・役職名を確認しておくことが大切です。
英語で記載する場合、ひとつの言葉が異なる意味をもつこともあり、役職名を日本語訳した際にニュアンスまで伝わらないといった認識のズレが生じます。
請求書に求められる項目は、国内で使用するものとほとんど変わりません。
大きく異なる点は、国外の取引では消費税が課税されないため、消費税の記載や適格請求書番号が不要となる点です。国外取引の場合は記載しないようにしましょう。
ここでは、請求書作成に使用する主な項目の英訳例について、請求書の一例とあわせて紹介します。

英語にはほかにも請求の意味を持つ単語がありますが、一般的に「invoice」を使用します。
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 Invoice  | 
 請求書  | 
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 Date  | 
 発行日  | 
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 Invoice No  | 
 請求書番号  | 
日付は宛名の所在地によって記載が異なり、アメリカ式では「月/日/年」、イギリス式では「日/月/年」と記載します。
自社の決まった英語記載がない場合は、英語表記のルールに注意しながら記載しましょう。
固有名詞はローマ字表記で、たとえば「あいうえおビル10階」であれば「Aiueo Building,10F」となります。番地は「2丁目7番1号」では「2-7-1」と表記します。市町村はローマ字で「shi」「cho」「mura(son)」としても、「city」「town」「village」の英語表記としても、どちらでも問題ありません。
宛先情報は「Bill to」の欄に記載します。
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 Bill to  | 
 請求先  | 
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 Company name  | 
 会社名  | 
| 
 Address  | 
 住所  | 
| 
 Phone number/TEL  | 
 電話番号  | 
会社を意味する英語表現が多くあり、似た表記も多いため、間違えないように注意しましょう。
取引の内容や数量、単価を記載し、取引ごとに内容が把握できるようにします。注文番号を発行している場合は、項目に番号を記載すると明確になります。
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 Description  | 
 明細  | 
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 Unit price  | 
 単価  | 
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 Qty/Quantity  | 
 数量  | 
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 amount  | 
 金額  | 
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 Sub total  | 
 小計  | 
| 
 Total amount  | 
 合計  | 
国外取引では消費税がかからないため、消費税額や登録番号の記載は不要です。
ただし、電子書籍や音楽、広告の配信など、インターネットを通じて国外からの役務提供を受け、消費税が課税されるものもあるため注意しましょう。
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 Tax  | 
 消費税額  | 
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 Registration number  | 
 登録番号  | 
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 Net taxable amount  | 
 対象額  | 
支払期限の記載は、発行日の記載と書き方をあわせましょう。
銀行の英語表記は、銀行の会社概要やよくあるご質問などに表記がある場合が多く、記載する前に確認しておくことが大切です。なお、「Swift code」は世界共通の金融機関識別コードです。国際的な送金に必要なコードで、銀行や支店を識別できます。
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 Payment deadline  | 
 支払期限  | 
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 Remittance information  | 
 振込先情報  | 
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 Bank name  | 
 銀行名  | 
| 
 Swift code  | 
 金融機関識別コード  | 
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 Account No  | 
 口座番号  | 
| 
 Payment term  | 
 支払条件  | 
請求書の最後に「Thank you very much for your business.」と記載しましょう。
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 Note  | 
 備考  | 
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 Buyer must cover bank transfer fee.  | 
 振込手数料は御社で負担してください  | 
| 
 Thank you very much for your business.  | 
 ご利用ありがとうございました  | 
本記事では、英語での宛名の書き方と請求書の項目を解説しました。
英語表記の記載項目や注意点を把握しておくことで、スムーズな書類作成ができるようになるでしょう。とくに、英語の表記においては日本語と異なるものもあり、請求書の作成は英語表記のルールを守る必要があります。
今後海外企業との取引が発生した場合に備え、英語の記載ルールを把握し、英語のテンプレートの用意やマニュアル化などの準備をしておきましょう。