更新日:2024.11.28
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毎月送られてくる請求書は、紙や電子データなど、取引先によって形式が異なり、事務処理で手間がかかっている企業も多くあります。請求書の処理は毎月発生する業務のため、請求書受領後の流れを効率化できれば他の業務にあてる時間を増やすことができ、経理担当者の負担も少なくできるでしょう。
本記事では、請求書受領業務の一般的な流れや簡略化のコツを解説します。請求書受領サービスについても合わせて解説するため、本記事を参考にサービスの導入を検討してみましょう。
請求書を受領した後の流れを事前に決めておくと、人為的なミスの防止につながります。企業ごとに請求書受領の流れや工数が異なるため、自社の状況に合わせて業務効率を改善できる方法を考えましょう。
ここでは、基本的な請求書受領の流れを3つのステップに分けて解説します。
取引先から請求書が手元に届いたら、すぐに内容を確認しましょう。支払期限や振込先など重要な部分に不備がある場合は、手元に届いたタイミングで連絡すれば、すぐに修正してもらえるでしょう。
確認を後回しにしてしまうと、再発行が必要になった場合に時間がかかり、請求の支払期限に間に合わない可能性があります。取引先にも迷惑をかけることにつながるため、請求書受領時には内容の確認を必ず行うようにしましょう。
受領した請求書の内容に不備がなければ、その旨を取引先へメールで連絡しましょう。メールで伝えることで、取引先もすぐに確認する手間がかからず、お互いの業務がスムーズに進みます。
受領メールを送るときは、請求書の送付対応への感謝や期日までに支払いをする旨を記載し、以下のような本文で返信しましょう。
〇〇株式会社 請求書をご送付いただき、ありがとうございます。 何卒、よろしくお願いいたします。 |
受領した請求書に会社の規定で検印や捺印が必要な場合は、印鑑を押しましょう。
検印や捺印が必要ない場合は、速やかに担当者へ引き継ぎましょう。請求書の対応が遅れてしまったり、紛失してしまったりすると、取引先との関係性が悪化する原因になります。
請求書の受領を手作業でおこなっていると、書類の紛失や処理漏れなどが起こり、取引先に迷惑をかける可能性があります。請求書関係で人為的なミスを防ぐなら、請求書受領サービスの利用がおすすめです。
請求書受領サービスを利用すれば、手元に届いた請求書の処理だけでなく、データの保管もクラウド上でおこなえます。請求書受領サービスによっては自社で使用する会計ソフトと連携して仕訳をおこなえるため、帳簿管理の手間も削減できます。
請求書受領サービスは複数あるため、それぞれの特徴を理解することで、自社に合ったサービスを見つけられるでしょう。
請求書受領サービスの導入を検討するなら、どのようなメリットがあるか理解しておきましょう。メリットを理解しておくと、自社の業務効率の向上に貢献する機能にも気付きやすくなります。
ここでは、請求書受領サービスを導入するメリットを3つ解説します。
請求書を受領する度に、経理担当者は請求書の内容確認や取引先への連絡などの対応が必要になります。請求書受領サービスを導入すれば、これらの対応が一元化され、経理担当者の業務量が軽減されます。
また、請求書受領サービスによっては、帳簿の仕訳や振込データの作成も可能です。経理が月末におこなわなければいけない業務の多くをシステムに任せられ、ほかの業務に人員を割けます。
近年、インボイス制度や電子帳簿保存法の改正など、取引に関するルールが大きく変わっています。このような新制度の施行や法改正がおこなわれる度、最新の法令に準拠した対応が必要になります。
請求書受領サービスを利用していれば、サービス側で最新の法令に合わせた請求書の作成や管理などをおこなってもらえます。そのため、自社で最新の法令にともなう対応に追われる必要がありません。
請求書受領サービスを利用すれば、請求書データをすべてクラウド上で管理できるようになります。そのため、クラウドサービスに接続したパソコンがあれば自宅で経理業務が対応でき、課題となっていた経理担当者のリモートワークも推進できます。
また、請求書データはすべてオンライン上で確認できるため、自社内のスムーズな共有も可能です。担当者が不在の場合には、すぐに別の社員が対応できることから、請求書対応のミスも防げるでしょう。
請求書受領サービスはさまざまなサービスがあり、それぞれでサービス内容や機能、料金などが異なります。そのため、自社に必要な機能を理解し、自社にあったサービスを選ぶことが大切です。
ここでは、請求書受領サービスの選び方を3つ解説します。
請求書受領サービスは、自身でシステムを操作するものと、請求書業務の代行をしてもらえるものがあります。
とくに、後者では請求書のアップロードから、内容確認、管理などをすべてサービス側で対応してもらえるため、経理担当者の業務負担を大幅に削減できます。また、紙の請求書の保管も依頼できるサービスもあり、自社オフィスのスペースの確保にもつながります。
ただし、サービスを利用するために、ある程度の予算が必要になる点には注意が必要です。
請求書以外の見積書や納品書、領収書などの書類が電子保存できないと、複数のサービスの利用が必要となり、かえって業務負担が増えてしまうリスクがあります。
請求書受領サービスを選ぶときは請求書だけでなく、納品書や領収書などの書類も電子保存が可能か確認しましょう。書類の電子保存をおこなっていない企業であれば、請求書受領サービスを選ぶタイミングで、すべての書類を電子保存できる体制を整えることがおすすめです。
請求書受領サービスを導入した当初は、業務フローに大きな変化が出るため、導入時のサポートが欠かせません。導入にあたってはさまざまなトラブルが想定できるため、請求書受領サービスのサポートがあれば、スムーズにサービスの導入が可能です。
サービスによってはサービスの運用もサポートしてもらえるものもあり、利用時の不具合や問題が生じた際に相談が可能です。サービスごとにサポート内容や利用できる時間帯・回数などの制約があるため、導入する前に確認しておきましょう。
請求書受領サービスはさまざまなものが存在しますが、自社にあったサービスの利用がもっともおすすめです。サービスごとの特徴や料金、サポート体制などを複数ピックアップし、必ず比較したうえで検討するようにしましょう。
ここでは、おすすめの請求書受領サービスを4つ解説します。
OneVoice公共は、公共料金の請求を立替払いをおこない、集計された立替金精算書を発行する請求書受領サービスです。水道光熱費の請求書が1つにまとまるため、インボイス制度への対応が楽になります。
水道・電気・ガスの提供事業者への連絡は不要で、インボイス制度に対応するための手続きの代行も可能です。さらに、最低利用期間や違約金はないため、実際に利用してから、長期的な導入を検討できます。
Gi通信は、毎月大量に送られてくる通信費の請求書をひとつにまとめる請求書受領サービスです。請求書の受け取りや仕訳、支払い、保管までを代行してくれるため、自社でその都度対応する必要がなくなり、経理担当者の業務軽減につながります。
サービス導入前と導入後どちらもサポートがあるため、不要な回線を洗い出し、顧客に合わせたコスト削減の方法のアドバイスも可能です。また、請求書の取りまとめ状況はレポートで確認でき、通信費が高い月は原因の確認もできます。
Bill Oneは請求書の発行元に負担をかけず、すべての請求書をオンラインのクラウド上で管理できる請求書受領サービスです。
取引先から郵送された紙の請求書の受領やスキャンを代行してもらえるため、経理担当者の業務負担の軽減やリモートワークの導入が実現しやすくなります。また、請求書の業務やコミュニケーションもクラウド上でおこなえます。
インボイスをはじめとした法改正にもシステム変更をおこなうため、自社での対応は不要です。
TOKIUMインボイスは、あらゆる会計ソフトと連携できるため、データをインポートするときに加工する手間が少ない請求書受領サービスです。
サービス導入時に発生する取引先への請求書の送り先変更の連絡は、TOKIUMインボイスが対応するため自社で業務が増える心配はありません。
さらに、紙で届く書類の受領からスキャンまでを代行するため、経理部に届く書類は少なくなります。処理された請求書はすべてオンライン上で確認ができ、請求書の検索も可能です。
本記事では、請求書受領業務の一般的な流れや簡略化のコツを解説しました。
請求書は取引先によって紙や電子データと形式が異なり、社内での業務フローがバラバラになりやすい書類です。業務フローを一定化するためには、請求書をデータに統一したり、請求書受領サービスを利用したりすることがおすすめです。
企業によっておすすめの請求書受領サービスは異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで選ぶと後悔する心配を減らせます。請求書受領サービスを利用して、経理部の業務量軽減を目指しましょう。