更新日:2024.12.27
ー 目次 ー
一人親方として独立したばかりの時に、経理関係で悩む方は多くいらっしゃいます。
今回は、経理に必要不可欠な請求書の書き方をご紹介します。国で定められているルールもありますので、独自の請求書ではなく正しい請求書を作成するよう気をつけましょう。
▼今回の記事の内容
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一人親方として独立したばかりの方は、ぜひ最後までご覧ください。
一人親方として請求書を作成する際、必ず記載しなければならないのが「人工代」です。これは、1日の作業に対して発生する人件費であり、技術料なども含まれた金額を指します。
特徴的なのは、作業時間が何時間であっても、1人あたりの日当は固定である点です。
例えば、1人工が15,000円の場合、働く人数が3人で3日間作業すると、3人×3日間で9人工となり、合計135,000円の人件費です。
この場合、請求書には「人工代(3名×3日間)」と記載し、数量欄には「9」と記入し、単位は「人工」とします。複数の現場で作業を行った場合は、請求書にどの現場の費用かを明記することで、相手方にもわかりやすくなります。
一人親方の人工代は、基本的には1日あたりの作業に対する報酬として計算されます。
計算式は以下の通りです。
日額単価は、経験やスキル、職種、地域などによって異なります。一般的には、1日あたり15,000円~30,000円程度が相場と言われています。作業日数は、実際に作業を行った日数です。
例えば、日額単価が20,000円の一人親方が5日間作業した場合、人工代は100,000円となります。
一人親方の人工代の請求書の書き方にはポイントがあります。
ここからは、それぞれのポイントについて解説します。
人工代は、単に「人工代」と記載するだけでなく、内訳を詳細に記載することが重要です。
例えば、「日当×日数」だけでなく、具体的な作業内容(例:塗装工事、足場設置など)や、使用した材料・道具なども記載することで、透明性を高めることができます。
また、作業内容によっては、時間外労働や休日労働が発生することもあります。これらの時間外手当や休日手当も、人工代に含めるべき項目です。内訳を明確にすることで、請求金額の妥当性を相手に理解してもらいやすくなります。
2点目は、消費税を正確に記載することです。
消費税の計算は、正確に行うことが重要です。一人親方は、原則として消費税を納める義務があります。ただし、前々年の課税売上高が1,000万円以下の場合は免税事業者となり、消費税の納税が免除されます。
消費税の計算を誤ると、後々トラブルに発展する可能性もあります。不安な場合は、税理士や会計事務所に相談することをおすすめします。
2023年10月に開始されたインボイス制度は、消費税の仕入税額控除の仕組みを大きく変えるものです。一人親方も、年間の課税売上高が1,000万円を超える場合は、インボイス登録を行い、適格請求書を発行する必要があります。
適格請求書には、インボイス登録番号や適用税率、税率ごとの消費税額などを記載する必要があります。インボイス制度に対応していない請求書は、取引先が仕入税額控除を受けられない可能性があるため、注意が必要です。
一人親方として、これらのポイントを踏まえて請求書を作成することで、スムーズな取引を実現し、信頼関係を築くことができます。
一人親方がインボイスを意識して書くべき請求書項目は以下の5点です。
ここからは、それぞれの項目について解説していきます。
インボイス制度に登録した事業者には、税務署から「T」から始まる13桁の事業者登録番号が交付されます。
この登録番号は、適格請求書を発行する事業者であることを証明する重要な情報です。請求書にこの登録番号がない場合、取引先は仕入税額控除を受けることができません。
2点目は、取引内容です。提供した商品やサービスの内容を具体的に記載しましょう。
複数種類の商品やサービスを提供した場合、それぞれの内容と数量を明記する必要があります。また軽減税率(8%)が適用される商品やサービスは、「軽減税率対象」と明記する必要があるため気をつけましょう。
3点目は、税額の合計です。商品やサービスの対価を、適用税率(10%または8%)ごとに分けて記載しましょう。
税込の金額と税抜の金額のどちらで表示するかを明記し、混同を避けることも重要です。適用税率が正しいものかしっかり確認してから合計額を算出するよう心がけましょう。
4点目は、税率ごとに区分した消費税額等です。それぞれの税率に対応する消費税額を計算し、記載しましょう。軽減税率対象の商品やサービスは、税率8%で計算した消費税額を記載する必要がありますので、忘れずに計算しましょう。
5点目は、事業者の氏名です。当たり前ですが、請求書の宛先となる取引先の正式名称(または屋号)を記載しなければ受理されませんので注意しましょう。
今回の記事では、一人親方として独立したばかりの方に向けて、人工代などを記載する請求書の書き方をご紹介しました。インボイス登録をしている場合、適格請求書として認められるには記載項目をすべてそろえておく必要があります。
独立したばかりでまだ自分では作成できないという方は、プロの力を借りるのも良いかもしれません。自分1人で抱え込まず、わからないことは気軽に相談してみてくださいね。