更新日:2026.01.20

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日々の月次業務から決算対応、内部統制や会計方針策定まで幅広い領域をカバーするなかで、現場では若手メンバーの育成が重要な課題となっています。
しかし実際には、育成に割ける時間や人手が限られていたり、OJTが担当者のやり方に依存しがちだったり、若手が十分に理解しきれないまま業務が進んでしまうなど、現場ならではの課題も少なくありません。
今回は、株式会社インボイスが発行する「バックオフィスの管理者が若手社員に学んでほしいと思っている事」(対象:441人)から、若手にどんなスキルを身につけてほしいのか、育成が難しいと感じる理由はどこにあるのかを整理しました。
現場の声から見えてきたヒントを、わかりやすく紹介していきます。若手育成を進めるマネージャーの方はもちろん、経理初心者の方にとっても参考になる内容です。
若手に身につけてほしいスキルとして最も多かったのは、「Excel操作(関数、ピボット、マクロなど)」(38.2%)でした。日々の業務を効率よく進めるために欠かせない基本スキルとして、多くの担当者が重視していることがわかります。また、「自社サービス・ビジネスモデルの理解」(36.1%)や「業務の背景を理解する姿勢」(34.8%)など、作業だけでなく"なぜその業務を行うのか"を捉える力にも期待が寄せられています。
さらに「自社の会計ルール(会計処理方針、社内基準など)」(34.2%)や「業界特有の会計知識」(33.6%)、「簿記知識(2級レベル)」(28.5%)など、実務に必要な会計知識の強化も欠かせません。「会計システムの操作」(25.8%)や「監査対応・証憑管理の基本」(23.3%)といった項目も挙がっており、実務全体を正確に回していく力が求められている状況がうかがえます。
一方で、「わからない」(5.2%)という回答もあり、育成の方針がはっきりしていない職場もあるようです。
つまり、経理の若手には 基礎知識・実務操作・業務理解 の3つをバランスよく身につけていくことが、成長への大きなポイントになるということです。
【 Q 若手メンバーにもっと身につけてほしいと感じる「スキル・知識」は何ですか? 】
Excelスキルの中で特に身につけて欲しいスキルを聞いたところ、最も多かったのは「表作成や罫線などの整ったレイアウト」(63.5%)でした。まずは、資料としてきちんと形にできる基本スキルが重要だと考えられていることがわかります。
次いで「マクロ/VBA」(61.9%)や「ピボットテーブル」(54.0%)が高く、業務効率を大きく変えるような高度なスキルへの期待が高まっています。
さらに「大量データの整理・可視化(グラフ含む)」(48.4%)や「SUM/IF/VLOOKUPなどの基本関数」(42.9%)など、データを扱ううえで欠かせないスキルも重視されています。「フィルター・並べ替えなど基本操作」(35.7%)も求められており、全体として操作スキルの底上げが必要とされています。
つまり、経理の現場では単純作業をこなすだけではなく、業務を効率よく回し、必要な情報を整理して伝えるための"即戦力としてのExcelスキル" が若手に期待されているのです。
【 Q 特に身につけてほしいExcelスキルは何ですか? 】
若手に求められる簿記知識として最も多かったのは「日商簿記2級レベル(決算処理・工業簿記)」(53.2%)で、実務に必要な決算処理まで理解してほしいという強いニーズがあることがわかります。
また、「日商簿記1級レベル(本格的な会計処理)」(24.5%)も一定数あり、高度な会計判断が求められる場面が増えていることがうかがえます。
一方で、「日商簿記3級レベル(取引の理解・仕訳)」(16.0%)と答えた人は少なく、基礎知識だけでは業務に対応しきれない実態が見えてきます。さらに、「特に級にはこだわらないが、理解は深めてほしい」(5.3%)や「資格は不要だが最低限の知識は必要だと思う」(1.1%)といった声からは、資格よりも実務で使える理解力を重視する考え方が読み取れます。
つまり、経理の若手には、決算業務に耐えられる"実務ベースの簿記力"が求められているのです。
【 Q 「簿記知識」をどのレベルまで求めていますか? 】
若手育成の難しさとして最も挙げられたのは「OJTが属人的になっている」(31.9%)であり、指導品質が担当者に依存し、標準化が進まない現状が浮き彫りになっています。
また「自発的に学んでもらえない」(30.9%)や「他の業務が優先されて育成が後回し」(29.3%)といった回答からは、若手側・指導側の双方の環境が影響していることがわかります。
加えて「教える時間が確保できない」(25.8%)、「本人のスキルレベルに差がある」(23.2%)、「学んでも定着しない」(22.5%)といった回答からは、育成の仕組み自体が現場に合っていない場合もあることが見えてきます。一方で、「特に困っていない」(9.8%)や「わからない」(4.7%)という声もあり、組織によるばらつきがあることも見て取れます。
つまり、若手育成がうまく進まないのは、"属人化・時間不足・学習定着の弱さ"が大きな要因です。管理者は、仕組みを整えたり、育成に使える時間や方法を見直したりすることが求められています。
【 Q 若手メンバーの育成で、難しいと感じていることを教えてください。 】
本資料を通じて明らかになったのは、若手育成における「基礎スキルの強化」と「業務理解の深化」が、どの企業においても共通の課題であるという点です。特に、日々の業務効率に直結するExcel操作や、会計処理の基礎を支える簿記知識は、多くの管理者にとって若手が早く身につけてほしい領域として挙げられています。
一方、育成の現場では、OJTの属人化や時間の制約、若手の自発的な学習が十分に進まないことなど、多くの管理者が共通して悩みを抱えています。業務量が増え続ける中で、指導者側の負担が大きくなり、十分なサポートが行き届かないまま業務を任せざるを得ない状況も少なくありません。こうした課題は、若手個人の成長だけでなく、組織全体の生産性や品質にも影響を及ぼします。
内製化だけで全てを賄うのではなく必要に応じて外部の支援も取り入れることで属人性を減らし、育成の標準化を図ることが重要です。
若手育成は単なる教育の課題ではなく、経理部門の将来を左右する重要なテーマです。必要なスキルを明確にし、育成の仕組みを整えることで、持続的に人材を育てられる環境を作ることができます。
さらに、
といった、より深い視点の調査についても、本資料では詳しく紹介しています。これにより、現場での課題や対応策、管理者の視点をより理解しやすくなります。ぜひ資料をダウンロードして、若手育成やスキルアップにお役立てください。