更新日:2024.12.27
ー 目次 ー
タイムスタンプは「いつ」文章が作成されたのか証明する技術です。
電子データは紙書類と違いサインや押印ができないため、証拠性を高くするために「いつ」「誰が」「なにを」したのか第三者が見てもわかるようにしなければなりません。
特に2023年からは、請求書における消費税の明確化を目的としたインボイス制度が導入されるため、タイムスタンプが非常に重要な役割を果たします。
そこで本記事では、タイムスタンプの概要について説明するとともに、用途やPDFにタイムスタンプを付与する方法などを紹介します。
タイムスタンプとは、電子データが存在していた時刻を証明する技術です。
時刻を証明することで契約内容などの改ざんがおこなわれていないことを証明しています。
電子データは、筆跡などの特徴を出せないため紙書類よりも改ざんしやすいです。そのため、改ざんがされていないことを証明するタイムスタンプはインターネット上で契約をかわす際に必要になります。
電子署名とは紙書類における印鑑やサインに相当するものを、電子文書に署名することをいいます。
電子文書は紙書類とは違い直接押印やサインができません。
そのため、本当に本人が署名したのか、署名後に改ざんされていないのか、証明するために必要なのがタイムスタンプと電子証明書です。
電子証明書とは、インターネット上における身分証明書のようなものといえるでしょう。
しかし、電子証明書だけでは電子署名として不十分です、
いつこの文章が存在したのか、そして改ざんがされていないことを証明するために必要なのがタイムスタンプになります。
タイムスタンプはさまざまな用途で利用されています。
•知的財産
•電子帳簿
•医療電子カルテ
それぞれどのようにタイムスタンプを運用しているのか解説します。
知的財産とは、人間が生み出したアイデアや創作物に財産的な価値を持っているものです。
具体的には「新しい技術を発明した」、「新曲を作曲した」、「店舗の外観をデザインした」、「図面を作成した」などがあります。
このような知的財産は「権利の所在」を明らかにしなければいけません。
もし権利の所在が不透明の状態では、例えば共同で技術を開発した際に、最初のアイデアは自社が発表したと他社から抗議があり訴訟問題になってしまうこともあります。
タイムスタンプがあれば、いつどのタイミングでアイデアを発表したのか明確な記録を残せます。
近年、これまで紙書類として保存することが義務付けられていた国税関係帳簿などの一部が、電子データとして保存することが電子帳簿保存法の改正により認められるようになりました。
ただし、電子データとして保存するためには、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。
「電子データの真実性確保」と「スキャニング日時の指定」は電子帳簿保存法の重要な項目ですが、この2つの条件を満たすことができるのがタイムスタンプです。
医療電子カルテとはこれまで紙書類で記録していたカルテや検査結果、医療に関する写真などを電子化して保存する技術です。
いつの診断なのか、いつ撮影したのかを第三者期間に提示する手段として、タイムスタンプが利用されています。
厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」では、スキャナにより電子化する場合はタイムスタンプが必須になっています。
タイムスタンプがなぜ証拠性を証明する効力を持っているのかというと、タイムスタンプを発行する時刻認証局(TSA)が信頼できる第三者機関であるからです。
例えば、紙文章の場合は日付の証明として郵便局の消印を用いますが、基本的な考え方は同じです。
利用者が時刻認証局にタイムスタンプ生成要求を送信し、時刻認証局がタイムスタンプトークンを返信するのが基本的な流れです。
タイムスタンプ生成を要求する際は、「ハッシュ値」を計算します。ハッシュ値とは、ハッシュと言うアルゴリズムを用いて作成されたデータです。
ハッシュ値を参照することでデータの改ざんや編集があったのか確認することができます。
PDFにタイムスタンプを付与する方法は3つあります。
•Adobe Readerを利用する
•タイムスタンプ付与するシステムを利用する
•会計ソフトなどの業務に特化した電子書類作成システムを利用する
それぞれの特徴やタイムスタンプを発行する手順を解説します。
Adobe Readerはソフトウェア開発会社Adobe社のソフトウェアです。
PDFファイルの表示や検索、印刷ができるソフトで、公式ホームページにて無料で提供、配布されています。
Adobe Readerにはタイムスタンプを付与する機能が備わっており、導入コストを抑えたい場合におすすめです。
ただし、タイムスタンプを付与する設定を個人ごとにおこなう必要があるため、多くの書類を取り扱う場合は手間がかかってしまいます。
また、電子書類の改ざんがされていないかの検証も自分でおこなわなければいけません。
タイムスタンプが必要な電子データが多い場合は、タイムスタンプ付与機能があるシステムを導入するのがいいでしょう。
その際は、以下の点をポイントにシステムを選ぶのがおすすめです。
•設定すると自動的にタイムスタンプを付与できる
•データ改ざんの一括検証ができる
管理する電子書類が多い場合は上記の2点を満たすシステムを選ぶといいでしょう。
領収書や請求書を電子保管する目的でタイムスタンプを付与する場合は、すでに利用している会計ソフトにタイムスタンプ機能が備わっている場合があります。
この場合は新しいシステムを導入する必要がなく、会計ソフトによっては管理や設定が簡単で便利なこともあります。
帳簿などの書類を電子化するためにシステムを利用している場合は、まずタイムスタンプを付与する機能があるのか確認するのがおすすめです。
タイムスタンプは、電子データが特定の時間に存在していたことを証明するもので、電子帳簿保存法への対応などで重要性を増しています。
PDFファイルに付与されたタイムスタンプを確認する方法は以下のとおりです。
多くの場合、タイムスタンプは PDF ファイルに付与されています。Adobe Acrobat Reader を使用して確認する手順は以下のとおりです。
タイムスタンプ付与サービスや電子契約サービスを利用している場合は、それぞれのサービスの管理画面上でタイムスタンプを確認できることが多いです。具体的な確認方法は、各サービスのヘルプページなどを参照してください。
2023年10月1日からインボイス制度が始まります。インボイス制度とは、請求書における消費税を明確にすることが目的です。
インボイス制度が導入されると経理部の業務量が増加し、社内システムの改修が必要になる可能性があります。
そのためインボイス制度が始まる前に、必要書類の電子化推進をして、それに伴いタイムスタンプについても確認しておくと経理部の負担を軽減できます。
タイムスタンプは電子データにおいて重要な役割を持っています。
インボイス制度により、さまざまな書類が電子データ化されることが推測されますが、その際に必要なのが「いつ」を証明するタイムスタンプです。
インボイス制度の導入に合わせて、会計ソフトを導入する場合やすでに会計ソフトを利用している場合はタイムスタンプ機能が備わっているか確認するといいでしょう。