更新日:2024.10.26
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これまで、タイムスタンプの発行はパソコンを通じて行うのが一般的でした。
しかし、最近はタイムスタンプの付与に対応したスマートフォンアプリも数多くリリースされています。
本記事は、タイムスタンプに対応したスマートフォンアプリのメリットや、代表的なアプリの特徴をご紹介します。
タイムスタンプとは、電子データに作成日時を記録し、その日時以降に改ざんが行われていないことを証明する技術です。 紙文書に署名や捺印をするように、電子データに信頼性を与える役割を果たします。 例えば、契約書や領収書などの電子データを保存する際に、タイムスタンプを付与することで、後から内容が改ざんされていないことを証明できます。
電子帳簿保存法は、企業が会計帳簿や領収書などの国税関係書類を電子データで保存することを認める法律です。 この法律では、電子データの信頼性を確保するために、改ざん防止と真実性の確保が求められます。
タイムスタンプは、これらの要件を満たすための有効な手段として認められています。 電子データにタイムスタンプを付与することで、データが作成された日時を証明し、その後の改ざんを防止することができます。
2022年の法改正により、タイムスタンプの要件は緩和されました。具体的には、以下のケースではタイムスタンプが不要となりました。
しかし、これらの要件を満たさない場合は、依然としてタイムスタンプが必要となります。 特に、以下のような場合には、タイムスタンプの利用が推奨されます。
タイムスタンプを利用することで、電子データの信頼性を高め、法的リスクを軽減することができます。
電子帳簿保存法において、タイムスタンプは重要な役割を果たします。 具体的には、以下の3つの役割が挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
タイムスタンプは、電子データが作成された日時と、作成されてから改ざんされていないことを証明します。 これにより、データの真正性を確保し、原本であることを証明することができます。 例えば、電子帳簿にタイムスタンプを付与することで、帳簿の内容が後から改ざんされていないことを証明できます。
タイムスタンプを付与することで、電子データの信頼性を向上させることができます。 特に、取引先や税務当局に対して、電子データの信頼性を示す必要がある場合に有効です。 例えば、電子契約書にタイムスタンプを付与することで、契約内容の真正性と信頼性を高めることができます。
電子帳簿保存法では、電子データの保存要件を満たしていない場合、罰則が科せられる可能性があります。 タイムスタンプを付与することで、電子データの法的有効性を確保し、罰則のリスクを回避することができます。
タイムスタンプに対応しているスマートフォンアプリ5つと、それぞれの特徴をご紹介します。
楽楽精算は、株式会社ラクスからリリースされている経費精算クラウドサービスで、アプリ版も提供しています。
経費精算、交通費精算、自動仕分会計ソフト連携、請求書処理などさまざまな機能を搭載しており、経費精算の業務効率化を実現できます。
スキャナやスマートフォンのカメラでスキャンした領収書や請求書は、自動でデータ化されアップロードと同時にタイムスタンプが付与される仕組みになっています。
そのため電子帳簿保存法で求められる真実性の確保を簡単に満たすことが可能です。スマートフォンアプリはiOS、Androidの両方に対応しています。
TOKIUM経費精算は、株式会社TOKIUMが開発・提供しているクラウド型の経費精算システムです。
一般的な経費精算アプリは、スキャンした領収書の読み取りに光学的文字認識(OCR)を採用しており、スキャンした文字をコンピューターがデジタルの文字コードに変換する仕組みになっています。
最近はOCRの精度も向上しつつありますが、手書きの領収書などでは判読ミスが発生しやすく、データの誤入力につながってしまいます。
TOKIUM経費精算なら、スキャンした領収書を専任オペレーターが代行入力するため、OCRでは不可能な99.9%の高精度な読み取りを行うことが可能です。
スキャンしたデータはタイムスタンプを付与した上で電子保存できるので、紙の原本で管理・保管する必要がなく、業務効率化や省スペース化ができます。
Concur Expenseは、株式会社コンカーからリリースされている経費精算システムです。
スマートフォンのカメラを使ってスキャンした領収書データの電子保存に対応しているのはもちろん、法人カードやPaypay、タクシーアプリ、交通系ICカードなど、さまざまなサービスとの連携により、データの自動読み取り・入力・申請を実現します。
タイムスタンプ機能も搭載されており、スタンプが付与されているかをアイコンでチェックできるところもConcur Expenseならではの特徴です。
付与されていない場合はエラーが表示されるので、タイムスタンプの発行忘れのミスも防止できます。
DataDeliveryは、JFEシステムズ株式会社が提供している電子帳簿保存法対応の電子証跡システムです。
電子帳簿保存法における帳簿書類・スキャナ・電子取引のすべてに対応しており、国税関係の帳簿書類を簡単かつ確実に長期保存できます。
e-文書対応ツールでは、認定タイムスタンプ付与、画像要件チェック、タイムスタンプ一括検証の3つの機能がセットになっており、電子帳簿保存法で定められた要件を漏らさずクリアできるところが特徴です。
なお、認定タイムスタンプはPDFにタイムスタンプを付与するPAdES方式と、ファイル形式に制限がないXAdES方式の2つに対応しているため、要件に合わせて柔軟に対応できます。
kintoneは、サイボウズ株式会社が提供する業務アプリ構築クラウドサービスです。
100種類以上のサンプルアプリや、さまざまなプラグイン・外部サービスとの連携により、自社の業務やニーズに合った業務アプリを簡単に構築できます。
スキャナ保存アプリはkintoneで利用できる拡張機能の一つで、認定タイムスタンプの付与、検索機能、一括検証機能などを利用できます。
手順は、JPEG形式またはPDF形式でスキャンしたファイルを、スキャナ保存アプリに登録するだけです。
日付や金額などの主要項目を入力した後、管理者がチェック完了処理を行えば、タイムスタンプ付与と画像情報の自動登録が実行される仕組みになっています。
ペーパーレスの推進や新型コロナウイルスの影響でテレワークの普及により、近年は国税関係書類の電子データ化が急速に浸透しつつあります。
紙の書類に比べて改ざんが容易な電子データは、タイムスタンプの付与によって真実性を確保できます。
最近は手軽にタイムスタンプを付与したり、一括検証を行ったりできるタイムスタンプ対応のアプリも数多くリリースされていますので、業務効率化を目指しているのなら、ぜひ導入を検討してみましょう。