更新日:2023.10.23
ー 目次 ー
調査目的:請求受領者が請求書の電子化
調査対象:請求書処理業務に携わっている企業の担当者
調査時期:2022年11月
有効回答数:スクリーニング調査15,366 本調査551
昨今、電子帳簿保存法の改正やインボイス制度など、請求書界隈の大きなイベントが続いている中、毎月受領している請求書の電子化について聞いてみた(下円グラフ)
結果は、受領する請求書の電子化を「希望する」と回答した人は全体の54.9%だったことから過半数で電子化を望んでいることが分かった。
一方、15.7%の割合ではあるが、電子化を「希望しない」という明確な意思表示があったことは意外だった。
Q1 受領する請求書について電子化を希望しますか
受取請求書の件数ごとに請求書の電子化について要望有無を聞いてみた。
受取枚数が30件未満の企業の場合、紙でも電子でも「どちらでも良い」という回答がほぼ半数の49.2%という結果に対し、受取請求書の件数が30件以上の企業は全て電子化の要望が圧倒的に強い傾向となった。
受取請求書の件数が30件未満なのか30件以上なのかで、ここまではっきりと傾向が分かれるのには別の理由があることが分かった。その理由を次項で紹介していく。
Q2 <受取請求書件数別>受領する請求書について電子化を希望しますか
現在の請求書の受取方法を、受取請求書の件数別に見てみると「30件未満」の企業のみ「ほぼ(約8割)紙の請求書を受領している」と「全て紙の請求書を受領している」という回答が突出していることが分かる。
特に「全て紙の請求書を受領している」という回答に至っては、33.1%という回答結果で3割以上の企業が当てはまっている結果となる。
先ほどのQ2の調査結果 を踏まえて考えると、現状の受取方法が今後の電子化を希望するかどうかに大きな影響を与えていることが分かる結果となった。
Q3<受取請求書件数別>受領している請求書についてお聞きします。現在、電子化された請求書を受領していますか
回答割合で過半数だった、受取請求書の電子化を望む企業は、取引先に対して電子化の要望を伝えているのだろうか。
下のグラフ内 「希望する」 の内訳に注目して頂きたい。
電子化を希望し、かつ相手にも電子化を「依頼したことがある」と回答した数は183で62.4%にとどまっている。
電子化を希望していながら相手に「依頼したことがない」という回答数は102で34.8%だった。
Q4 受領する請求書の電子化を「希望する」「どちらでも良い」と回答した人にお聞きます。相手(取引先)に電子化の依頼をしたことはありますか。
受取請求書の電子化を希望したにもかかわらず実現できなかった場合、相手(取引先)との取引関係にどの程度の影響を及ぼすかを聞いてみた。
結果は、3.6%で「取引関係を解消する」という回答と、「取引関係を見直す可能性がある」という回答が17.2% 「取引額や取引件数が減る可能性がある」という回答は19.9%で合わせると40.7%となり、全体の4割だったことだ。
請求書発行者は、相手から電子化の要望があった際に、もし対応することが出来なかったとしたら、何かしら取引関係が変化する可能性があると思っておいた方が良さそうだ。
Q5 請求書の電子化の有無が取引関係に与える影響についてお聞きします
<電子化の有無による取引関係別>従業員数規模
受取請求書の電子化の実現有無が取引関係に与える影響について、従業員数別にアンケート集計をしてみたところ、従業員数1,000名以上の企業は、31.6%が「取引関係を解消することになる」と回答した。
さらに、従業員数300名以上の大企業で見てみると、その割合は68.5%まで増える。約7割が大企業で占める形となった。
大企業と取引している場合は、電子化の要望に応えることを強くお勧めする。
そして、取引先が中小企業だったとしても、取引関係において何かしらの変化があるかもしれないということも忘れないでほしい。
電子で請求書を受領した場合の請求処理状況について、受取請求書別にアンケート集計すると、受取請求書件数「30件以上50件未満」と「50件以上100件未満」の企業は「請求処理が煩雑になる」の回答割合が「請求処理が楽になる」の回答割合を上回っていた。
受領件数「100件以上」の企業は「電子で受領した方が請求の処理が楽になる」と回答した割合が圧倒的に多かった。
受取請求書の件数が少ない企業は、紙の請求書で受領している割合が多く、受取請求書の電子化の成功率も低いため(※Q1とQ4より)電子化されると処理に困るというのが本音だろう。
しかし、受取請求書が100件を超える企業は電子化を望んでいる。
電子化を実現できないと取引関係に影響することは前述のとおり。
電子発行をしていない請求書発行者は、改めて取引先企業への対応を考える必要があるのではないだろうか。
<受取請求書件数別>電子で受領した場合の請求処理状況
今回の調査で分かったことをまとめると以下の通り。
今回のアンケートを通して、受取請求書の電子化を希望している企業は多いことがわかり、また取引先に意思表示している企業が少ないことがわかった。
請求書発行者は自らの意思で電子化を進めていく必要がある。
なぜなら、取引先の思いに気付かずにいると、取引関係にまで影響してしまう可能性があるからだ。
また、従業員数300名以上や、請求書の受領が100件以上の大企業は、特に電子化に重きを置いている状況となる事がわかった。
本件、アンケートの結果を見て、思い当たる取引先などがあれば積極的に対応の検討を頂ければと思う。
本記事には記載できなかった、中小企業にスポットをあてたアンケート内容を含め、以下資料は網羅的に記載している為、興味がある方は是非ご覧ください。
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