更新日:2024.07.04
ー 目次 ー
自社の通信費が高いと感じたことはありませんか。企業の規模や業態によって、通信費の平均額は大きく異なります。
企業規模別の通信費の平均額を正しく理解して、契約プランや数を見直すことで通信費を節約できる場合があります。
そこで本記事では通信費の平均額について解説します。企業の経理担当の方は経費計上の際に役立つ内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
通信費は個人の場合と企業の場合とで利用状況が異なるため、平均額も大幅に違いがあります。通信費の平均額を知ることは、個人あるいは企業の通信費の利用額の見直しのきっかけとなります。
本章では、個人・企業別の通信費の平均額について説明します。
企業の通信費は回線数に比例して通信費が膨れ上がるため、企業の規模や業種、業務内容によって大きく異なります。業務内容によってはインターネット回線や携帯電話、固定電話、ダイレクトメールと多岐にわたって通信費が発生します。
そのため、平均額は一概に明言できませんが一般的には以下の範囲で利用されることが多いです
コストの削減や業務効率化の観点から、企業の通信費の平均額を理解して見直しをすることは非常に重要です。
総務省統計局の発表した「2021年家計調査結果」によると、1世帯あたりの平均額は以下の通りです
※契約プランやサービス、オプションなどにもよるため、個々の世帯でも異なる場合もあります。
通信費とは、業務を行う上で連絡または通信に関わる支出を指します。計上される項目が多種多様なため、何が仕訳されるか正しく理解し適切な経費を計上をする必要があります。
この章では、通信費の具体的な仕訳方法や間違いやすい勘定科目について紹介します。
通信費とは、電話やモバイル通信、インターネットといった通信サービスに対して支払う費用のことです。個人の利用だけでなく企業でも発生する費用であり、利用頻度やプラン、利用しているサービスによって異なります。
通信費は以下のような費用が該当します。
通信費は日常的に発生する勘定科目であり、仕訳をする機会が多いです。具体的な仕訳例を理解して適切な経理処理を行う必要があります。
通信費は課税仕入のため税抜経理で仕訳する必要があります。以下で通信費の仕訳例を紹介します。
■インターネット回線費用の仕訳
借方 |
貸方 |
||
通信費 |
300,000円 |
預金 |
330,000円 |
仮払消費税 |
30,000円 |
・摘要:インターネット回線費用
※消費税率10%で計上(2023年2月時点)
通信費の中には、購入時に経費計上したものの期末までに使用できなかったものもあるかもしれません。その場合は、以下のように棚卸しをして貯蔵品に振り替えて資産計上する必要があります。
■切手を購入した際の計上
借方 |
貸方 |
||
通信費 |
30,000円 |
現金 |
33,000円 |
仮払消費税 |
3,000円 |
・摘要:切手
■決算時仕訳による資産計上
借方 |
貸方 |
||
貯蔵品 |
2,200円 |
通信費 |
2,000円 |
仮払消費税 |
200円 |
・摘要:切手
通信費の種類はさまざまあるため、何が通信費として計上できるか否かについて正しく理解する必要があります。
通信費として間違って計上される勘定科目には以下のようなものがあります。経費の計上時に参考にしてください。
■荷造運賃
荷造運賃は、荷造や運輸に関連する費用です。売上に関わる物品の発送は通信費として計上しますが、売上に関わらないものは荷造運賃に該当します。その他の違いは厳密に定められていないため、間違って計上される場合があります。仕訳が不明確であると、税務調査時に指摘を受ける可能性があるため注意しましょう。
■租税公課
租税公課は、領収書に貼付する収入印紙の費用です。切手は通信費として計上しますが、収入印紙は租税公課として計上します。収入印紙が課税文書の手数料を支払う印紙であり、税金扱いとなるためです。
■広告宣伝費
広告宣伝費は、テレビ広告やインターネット広告など商品やサービスを宣伝するための費用を指します。宣伝目的の切手やDMの送料等は広告宣伝費に含まれるため、目的に応じて仕訳を行う必要があります。
■消耗品費・リース料
消耗品費は短期間で消耗するものを購入する費用のことであり、リース料は、外部からレンタルしているものに対してかかる費用を指します。
切手や封筒、電話機の費用などの仕訳は間違いやすい勘定科目です。切手や電話の月額費用の場合は通信費、封筒や便箋の場合は消耗品費、リースの電話機の場合はリース料として計上されます。
■接待交際費
接待交際費は、取引先との接待や会食などで発生する費用です。通信費のようにコミュニケーションを介して発生する費用であるため、間違いやすい勘定科目の一つです。
■福利厚生費
福利厚生費は、社員の慰安のために要する費用を指します。企業が従業員に対して、働く環境を整備する費用としては通信費として近いですが、あくまで慰安を目的とした費用となっています。
通信費には、私用と業務用の費用が混在する場合があります。私用は経費計上の対象外となるため、双方を明確に区別することが重要です。
例えば、以下の場合は特に注意すべきです。
【個人契約のインターネットを業務で使用する場合】
個人で契約しているインターネットを業務で使う場合、所属企業が全額支払いして業務使用外の余剰分を給与天引きで対応できます。余剰分については、インターネット通信利用時間のうち、業務での使用時間分を算出します。
以下のように計上をします。
借方 |
貸方 |
||
通信費 |
8,182円 |
預金 |
20,000円 |
仮払消費 |
1,818円 |
||
立替金 |
10,000円 |
【個人用の携帯を業務に利用している場合】
社用携帯がなく、個人の携帯を業務で利用する場合もあるでしょう。この場合も、給与から立替金として支給される場合があります。摘要に業務での利用時間を記載することで経理管理がしやすくなります。給与からの立替金としての計上になるため、原則として利用月に計上することとなります。
通信費は企業の費用の一部であり、無駄な費用が発生している場合は節約に努める必要があります。本章では、具体的に通信費を節約するために見直すべき7つの項目について紹介します。
以下の項目について、組み合わせて見直すことで大幅な節約効果を期待できます。
一般的に、スマホのデータの利用料金に比例して使用できるデータ容量が増えます。そのため、大規模な容量を利用していない場合は使用データ容量の低いプランへ移行も検討する方が良いでしょう。
容量の大きいデータ通信として以下のようなものがあります。
外出先のコワーキングスペースやレンタルスペース等のWi-Fi環境を使用することで、利用するデータ通信容量を減らすこともできます。フリーWi-Fiを利用する場合は、必ずVPNの導入などでセキュリティ対策をしましょう。
電話回線は、契約回線数によって月額料金が変わる場合が多いです。某大手通信会社の固定電話回線利用料は1回線あたり月額2,000〜3,000円とされています。複数回線の削減ができれば、大幅な節約効果を期待できます。使用していない、あるいは不要な回線がないか確認することをおすすめします
通信費を見直す際に、一番初めに思い浮かべるのは契約プランの見直しではないでしょうか。法人向けに大口台数割引やビジネス割引の利用といった特別割引も用意されている場合があります。
利用状況や必要なサービスを吟味して適切なプランを選択することで、無駄な通信費を削減できます。
契約プランの見直しでもインターネット回線費用を抑えられない場合は、契約プロバイダーの見直しを検討すると良いでしょう。
プロバイダーの料金は事業者ごとに異なっており、金額や提供内容が違うことはもちろん、他のプロバイダーからの乗り換え時の割引や期間限定の特典などが付く場合があります。
料金が総計いくら発生するのかを各プロバイダーを比較したうえで、契約を検討した方が良いでしょう。
企業には複数の固定電話を設置していることがありますが、電話対応をしているのは一部の社員であることが多いです。使用していない固定電話がないか調べてみましょう。
また、インターネット回線を使用して通話する光IP電話にすることで利用料金を抑えられる場合もありますので、乗り換えを検討すると良いでしょう。
インターネット通信、固定電話、携帯電話いずれにしても、オプション機能が用意されている場合があります。導入時は無料だったものの、現在は課金方式へ自動移行されている可能性があります。
また、以前使用していたが現在は使っていないオプション機能などもあるでしょう。不要なサービスに料金を支払っていないか、今一度確認して必要なオプション機能を利用しましょう。
フリーダイヤルサービスとは着信課金電話番号とも呼ばれ、通話料を発信者ではなく着信者が負担するサービスです。
当サービスの料金体系はキャリアによって異なっており、通話料の割引や基本料金の違い等を加味して、乗り換えを検討すると良いでしょう。
企業の通信費の平均額は一概に明言できませんが一般的には以下の範囲で利用されることが多いです。、所属されている企業の通信費を参考にして、契約プランやプロバイダーを見直しましょう。
※企業の規模や業種、業務内容によって異なります。
通信費を見直すべき事項は、以下の通りです。
複数組み合わせて見直しができれば、大幅な節約効果を期待できます。通信費は企業の費用の一部であるため、無駄な費用はできる限り削減するようにしましょう。