更新日:2025.06.02
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「お米の価格高騰が止まらない...」 スーパーの店頭や仕入れの現場で、そんな声が多く増えてきております。
報道によると、2025年4月21日~27日の週までの米の平均価格は17週連続で値上がりを続け、5月11日には最高値を更新しました。
なお、前年同月と比較すると約2倍以上の価格水準となり、この1年での高騰の勢いが見て取れます。
また、多くの飲食店にとって、米の値上がりは食材費の仕入れに大きな影響を与え、さらに水道光熱費についての昨今の高騰も相まってダメージは大きく、コスト削減を課題視されている企業も多いかと思います。
そこで本コラムでは、米価高騰の現状とその背景、そして飲食店が「今」取るべきコスト削減対策案について紹介いたします。
農林水産省の発表では、2025年5月5日~5月11日の週での最新のスーパーの米の平均販売価格は、4,268円(前週対比+58円)となり、17週連続での値上げ後、18週ぶりにようやく値下がりを見せましたが、記録的な高騰の勢いは止まらず再度最高値を更新している状況です。
価格抑制策として、政府は4月10日から備蓄米(国が食料安全保障のために備蓄している米)の販売を開始しました。市場への供給量を増やすことで価格の安定化を図る狙いとなります。
しかし、期待していた価格変化とは裏腹に米価高騰は止まらず、すぐに下落に転じる結果とはなりませんでした。
なぜ、価格に影響が出ていないのか、理由について以下の点が想定されます。
流通のタイムラグ
放出された備蓄米が、実際に卸業者や小売店、飲食店の仕入れルートに行き渡るまでには時間がかかってしまっています。
根強い供給不安
猛暑による作柄不安や、一部の報道で見られたインバウンド需要増、輸出拡大への期待感などから、業者間での先行きに対する米不足への懸念が払拭されず、買い控えや強気な価格設定が続いている可能性があります。
備蓄米の種類と用途
備蓄米は古米が中心となり、全ての飲食店が主食用としてそのまま使えるとは限らず、ブレンド用や加工用としての需要がメインとなる事が想定されます。
なお、政府は7月に向けて備蓄米の供給量を増やし、流通方法にも工夫を行う方針を示しているため、今後の価格変動が注視されます。
この米価高騰は、様々な方面に影響を及ぼしています。
国際的な側面
世界的に見ると、インドの輸出規制など、米の国際価格に影響を与える動きもありますが、日本の米価高騰の主因は国内要因(天候、需給バランス、流通など)が大きいと考えられます。
家庭での変化
消費者は、なるべく価格の安い米銘柄を選ぶ以外にも、パンやパスタ、麺類など、主食を切り替える動きも出てきております。
小売・飲食店の対策
ナチュラルローソンでは、一部のおにぎりについては「もち麦」を混ぜるなど、米の使用量を抑えつつ付加価値を付ける工夫を発表しており、松屋フーズでは「牛めし」が430円→460円に価格改定を行うなど、商品や価格にも影響が相次いで見られることとなりました。
サービスの見直し
一部の飲食店では「ご飯大盛り・おかわり無料」などサービスの維持が困難になり、有料化や廃止に踏み切る企業も増えてきております。
他の食材費への波及(ダブルパンチ)
主食用米だけでなく、家畜の飼料として使われる「飼料用米」の価格も高騰となっているため、豚肉や鶏肉、鶏卵などの飼育コストが上昇し、肉類・卵の仕入れ価格も上がるという、まさに「ダブルパンチ」の状況に陥っている飲食店も少なくありません。
このような厳しい状況下でも、飲食店が利益を確保し、経営を維持していくためには、積極的なコスト削減への取り組みが必要となります。
飲食店経営には、事業戦略上における「かけるべきコスト」「かけないコスト」「下げるべきコスト」となる戦略的なコスト配分があるかと思いますが、ここでは飲食店が考える「下げるべきコスト」への削減アプローチをいくつか紹介させて頂きます。
飲食店の「通信費」のコスト削減はインボイスにおまかせ!
全国約16,000社の請求書を発行する株式会社インボイスでは、経理業務の効率化における請求書の一本化サービス「Gi通信」に加え、飲食店の店舗で利用するPOSレジなどのインターネット回線(フレッツ光)のコスト削減として「インボイス光」を提供しております。
▼飲食店経営の事業戦略上における「かけるべきコスト」「かけないコスト」「下げるべきコスト」の解説や、コスト分析を行う方法については下記無料のオンデマンドセミナーにてくわしく解説しておりますので、お気軽にご視聴ください。
昨今の飲食店のマーケット変化は著しく、今回の記録的な米価高騰や円安など、仕入れにおいては厳しい状況が続いていますが、この状況を機に自社のコスト構造を見直し、不要なコストの見直しや意識の向上など、積極的に取り組んでいく絶好の機会でもあります。
フードロスを始めとした変動費や固定費のコスト削減対策や、業務効率化といった取り組みを徹底しつつ、提供メニューの見直しや付加価値の高い新メニューの開発など、変化に柔軟に対応していく必要がございます。
この難局を乗り越え、今一度、自店のコスト戦略の見直しをしてみてはいかがでしょうか。
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※本文中の米価に関する具体的な数値や動向は、2025年4月25日時点となります。
報道や公的機関の発表に基づいているため。最新情報は常に変動します。
※コスト削減案は一例です。店舗の規模や業態などによって期待値は異なります。