更新日:2023.09.27
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2023年10月1日より導入が開始される「インボイス制度」。インボイス制度に対応するためには、あらかじめ「適格請求書発行事業者」になっておく必要があります。
ここではインボイス制度についてわかりやすく解説するとともに、インボイス制度に対応するために必要な「適格請求書発行事業者」の登録申請の方法についても詳しくご紹介します。
●それぞれの品目が軽減税率の対象であるかどうか
●税率(8%・10%)ごとの合計金額
●発行した事業者の登録番号
インボイス制度は、この3つの項目が追加された「適格請求書」を発行・保存するための制度で、正式名称は「適格請求書等保存方式」と言います。
そして、この「適格請求書」を発行するためには「適格請求書発行事業者」の登録手続きを事前にしておく必要があるのです。
では、そもそもなぜインボイス制度に対応する必要があるのでしょうか。
とくに注目すべきは、インボイス制度が仕入税額控除を受けるために必要であることと、インボイス制度に対応していないと取引自体に悪影響を及ぼす可能性があることです。
以下、インボイス制度の理解を深めるために知っておきたい2つのポイントについて、詳しく解説していきます。
【仕入税額控除を受ける場合】 預かっている消費税(売上)-支払った消費税(仕入や経費)=国へ納付する消費税 【仕入税額控除を受けない場合】 預かっている消費税(売上)=国へ納付する消費税 |
上記の図からもおわかりのとおり、仕入税額控除を受けないと、A社は大きな損失を受けることになってしまいます。売上が多ければ多いほど当然消費税も増えるわけですから、売上が多ければ多いほどA社は損をすることになってしまうというわけです。
【個人事業主における免税事業者の条件】 1.事業開始から2年目まで 2.事業開始3年目以降で、前々年の課税売上高が1,000万円以下 |
これについては、条件に該当する免税事業者であれば法的には何ら問題はありませんでした。
しかし、インボイス制度が導入されるとどうでしょうか。上記の免税事業者の条件に該当していた個人事業主が「適格請求書発行事業者」の登録をしなかった場合、当然、仕入税額控を受けることはできなくなります。
さらに問題なのは「適格請求書発行事業者」でないと「適格請求書」の発行もできないわけですから、結果として取引先にとっても不利益となってしまうのです。
そこで取引先が「適格請求書」が発行できないことを認めてくれるのであれば良いのですが、もし他に「適格請求書発行事業者」の取引先がいるのであれば、そちらとの取引を優先するようになることも考えられます。あるいは、そもそもの売上からの「値引き」を提案される可能性もあります。
課税事業者になるか、取引のリスクをとるか、個人事業主の場合は今後を見据えて、よく検討する必要があります。
[参考]国税庁:適格請求書発行事業者の登録申請手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/invoice_01.htm
[参考]国税庁:郵送による提出先のご案内
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_yuso.htm
[参考]国税庁 インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイト:登録番号を検索する
https://www.invoice-kohyo.nta.go.jp/